【ブログ】幸せのゴールデンビール

国連が定めた国際生物多様性デーである5月22日(日)、全国100カ所以上の会場でドキュメンタリー映画「幸せの経済学」が上映されました。「懐かしい未来」で有名なスウェーデン生まれのヘレナ・ノーバーグ・ホッジ監督の新作です。

会場は所沢市山口の「貸し農園&古民家corot」、自宅から自転車で1時間弱です。

古い民家を改修し、農業体験や昔の生活体験ができる施設として利用されており、向かいの農地には花が咲き乱れていました。

 

庭では、地元の生産者による野菜や漬け物、障害者支援施設ドゥークルの皆さんが作られたアクセサリーやクッキーの販売も行われています。

この施設の関連の「八百屋ごんべえ」さんからは、もう7~8年、わが家も野菜の宅配をしてもらっており、毎月2回、ハンディのある方も一緒に届けて下さっています。

上映会場は民家の畳敷きの座敷。

まず午前中は「懐かしい未来」ダイジェスト版を鑑賞。雨戸をたて切った会場は、100人近い参加者の熱気に包まれます。

 

 

その後の昼食・休憩時間には、これも地元の野菜、小麦粉、味噌で作られた「すいとん」が振る舞われました。厳選素材を大鍋に入れ、かまどの火で作った「すいとん」は大変美味なものでした。

そして雨が落ちてきた午後、いよいよ本編の「幸せの経済学」の上映です。

グローバル化の問題点と、ローカリゼ-ション(日本語でなんて言うんだろう? ひょっとして「地産地消」?)のメリットとの対比は、やや単純化され過ぎている気はしましたが、非常に重要なメッセージを含んでいます。埼玉県小川町の取組等も紹介されていました。

特に3.11以降、新たな社会とライフスタイルの構築が不可避となっている日本にとって、格別の意味を持つ映画と言えます。これからも全国各地で自主上映会が続けられるそうで、ぜひ一人でも多くの方にみて頂きたいと思います。

このような感覚は参加者の多くにも共有されたようで、上映会終了後のワールドカフェでは積極的な意見が交わされました。

今般の震災と原発事故を受け止めた上で、食べものや環境の問題についてしっかりと考え、様々なお立場でそれぞれ実践されている方達が地域には多くおられることに、改めて、大変、心強い思いをしました。
主催者、ボランティアのスタッフの皆様、大変有り難うございました。

上映中、もの凄い雨の音でどうなることかと心配していましたが、予定を超過してワールドカフェが終了した17時頃には、幸運にもほぼ雨は上がりました。ただし気温は大幅に低下、豆腐と鶏肉を買って帰り、夜は埼玉産の野菜たっぷりの鍋。映画を見た後では、贅沢さが身にしみるような地産地消の鍋です。

さらに贅沢に、特別の食事には特別の飲みものを、ということで栓を抜いたのは「練馬金子ゴールデンビール」

「金子ゴールデン」とは、1900(明治33)年、現在の練馬区の篤農家・金子丑五郎翁が育成した国産初のビール麦の品種。その後、醸造に時間がかかる等の理由で次第に栽培されなくなっていたのを、2003年、JA東京あおばと有志農家による栽培の復活と地ビール醸造の取組が始まり、この度、初めて製品化されたものです。

 

そのことは、江戸東京・伝統野菜研究会の大竹道茂さんのブログで拝見していて、大竹さんとの雑談の中で伺うと既に完売とのこと。残念に思い次回の販売を待っていようと思っていたところ、何とその大竹さんが先日、わざわざ自宅に確保されていた貴重な2本を、自ら拙宅に届けて下さったものです。

大竹さんは、江戸東京野菜の復活・普及に献身的に取り組んでおられる方で、マスコミ出演やご著書も多数あります。

ちなみに先日、自宅近くのH市立秋津図書館に行くと「ご近所」関連図書のコーナーが設けられていて、大竹さんのご著書の内の2冊(江戸東京野菜・物語編図鑑編)が、一番前に並べられていました。

伝統野菜や食文化に関心のある方にとっては、必携の2冊です(貴重なビールを頂いたので持ち上げているわけではありません)。

江戸東京野菜などの伝統野菜は、正にグローバリゼーションの対極にあるもので、日本経済が高度成長する中、生産性等の面から廃れつつありました。それを現在、大竹さんを始め、全国で様々な方たちが、復活・普及に取り組まれています。

これらの取組は地産地消、ローカリゼーションの典型であり、地域の食文化やコミュニティを再生していくという面でも、極めて有意義なものと確信しています。

さて、先週の20日(金)には、農林水産省正面玄関前で「食べて応援しよう! 福島県産農産物・食品の即売会」を開催したところ、予定の時間より大幅に早く完売となりました。多くの方々に足を運んで頂き感謝です。福島など被災地を「食べて応援しよう」という取組は、色々な場所で拡がっています。

一方、今日(23日)の昼休みに文部科学省前を通りかかると、福島から来られた保護者の方々等による、学校の屋外活動を制限する放射線量の基準撤回の要請行動。冷たい小雨が降っていました。