「笑顔になれる! 江戸東京野菜カレーパーティー」

 新宿区立大久保小学校では、新宿の伝統野菜・内藤唐辛子や大久保ツツジを栽培したり、江戸東京・伝統野菜研究会の大竹道茂さん料理研究家の酒井文子さんを招いての特別授業を実施したりと、食べものや農業に関わる活動を積極的に展開されています。
 12月15日(木)には、「江戸東京野菜カレーパーティー」が開催されました。
 江戸東京野菜や東京特産の豚肉「TOKYO X」を使ったカレーをみんなで作り、お世話になった方達を招いて一緒に給食で頂こうというものです。私は何の貢献もしていないのですが、大竹さんにお誘い頂き、厚かましくも参加させて頂きました。
 この日は、先生役として、カリーの老舗・新宿中村屋さんから3人のシェフの皆さん達が見えられ、生徒達のテーブルを回りながら、子どもにも分かりやすく手を取るように指導されていました。
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 カレールーも、前回の授業で子ども達が手作りしたとのこと。
 最後の仕上げでは、鍋によって味も香りも微妙に違うのだから、調味料は味見をしながら少しずつ入れるようにとの指導が。
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 調理の後は、お待ちかねの給食タイムです。
 教室の壁には「笑顔になれる! 江戸東京野菜カレーパーティー」の横断幕と、これまでの授業の成果である江戸東京野菜の産地と名前が書かれた地図が貼られています。
 カレーには茹でた伝統小松菜を乗せ、 付け合わせに大蔵大根や金町小蕪のおひたしなど。
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 この日のパーティーには、授業等でお世話になっている「お客様」も招かれていました。
 大竹さん、酒井さんに加え、生産者の方、地域の方、それに内藤唐辛子の種を生産している栃木の種苗会社の方も。この会社は、祖父の代に東京から大田原市に移転されたとのことで、この会社がなければ内藤唐辛子の後継種は絶えていたかもしれません。
 「お客様」には、一人ずつ名前の入った手作りのテーブルクロスが。裏には内藤唐辛子栽培の奮戦記。
 種取りは「赤い地獄」だったとのこと。作った唐辛子は、これも自分たちで描いたイラストとともに、地元のお菓子屋さんで使われているそうです。
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 子ども達の司会の下、参加させて頂いたお礼の言葉と子ども達からの感想など、パーティーは和やかに進みました。
 大都市の真ん中で子ども達が伝統野菜など食べものについて積極的に学び、それを先生方や父兄、地域や回りの方たちが応援している様子に、心から感じ入った次第です。
 カレーは薄味で大人には少々物足らなかった面もありましたが、江戸東京野菜の旨みだけではなく、子ども達と、この授業に関わった多くの方達の思いが溶け込んでいて、何とも言えない深い味わいでした。
 ご馳走様でした。有難うございました。