2012年3月11日(日)

 不順な日が続きますが、3月11日(日)は朝から明るい陽射し。
 近所の直売所には、今年も梅の枝が並ぶようになりました。猫柳や馬酔木も。遅かった春が到来しつつあります。
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 10時過ぎに自宅を出て、まずは池袋へ。
 池袋西口から路地を少々歩いたところにある第2公園では、としまNPO推進協議会の主催して地域の人たちにより、毎月、「えんがわ市」が開催されています。今回はちょうど3月11日ということで、復興支援が目的の一つとなっています。
 いくつかのブースの一つは一般社団法人 SAVE IWATE 東京支部によるもの。支援物資募集と復興応援グッズ販売を中心に活動されていて、メンバーの多くは岩手県出身の学生さん達とのこと。「復興ぞうきん」とむき胡桃を求めさせて頂きました。
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 隣のブースは立教大学学生団体フェアトレードパートナー。こちらでは、被災地への支援金を含むフェアトレードコーヒーを求めさせて頂きました。
 どちらのブースも対応は丁寧で、若い学生さん達が真摯に頑張っている姿には心励まされます。
 山手線で新橋へ。SL広場では三陸鉄道と三陸地方を応援する「さんてつ広場復興市」が開催されていました。
 三陸鉄道は岩手県の太平洋岸を縦貫する第3セクター鉄道。大震災で大きな被害を受け全線不通となったものの、わずか被災5日後には一部区間で運転再開、しかも地域の公共機関としての自負からしばらく運賃無料で運行したという鉄道です。
 旧国鉄から経営移譲された第3セクター鉄道は全国にありますが、いずれも経営は厳しく、廃止される路線も多い中、大きな被災を受けつつも全線復旧を目指す「さんてつ」の取組は注目に値します。リニアのような大量高速輸送だけではなく、地域の公共機関の足を確保することの重要性に、もっと目が向けられるべきです。
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 この日、ホタテやウニ焼きには長蛇の列。俳優の阿藤快さんも応援団として来られていました。さんてつグッズ(LEDライト)と「海の七草スープ」を求めさせて頂きました。
 メトロ銀座線と日比谷線を乗り継いで広尾へ。
 聖心女子大学宮代ホールでは、13時から「チャリティトーク&ライブ 今、起こっている、本当のこと。」というイベントが開催されました。主催は東京放射能対策支援ネットワーク(TRCN)。会場前の紅白の梅が満開です。
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 プログラムは、まず、おしどりのお2人から。吉本所属のお笑い芸人ですが、市民目線から東電会見等で鋭く突っ込むなど、今や原発問題では欠かせない方たちです。
 飯舘村の友人から「自分たちのことを美しい悲劇にはしてほしくない。愚かな喜劇として、芸人の2人にこそ伝えてもらいたい」と言われたエピソードも披露して下さいました。現地の人たちは「1年経ったけれども時間は全然進んでいない。復興と言われるが、災害そのものが継続している感覚」とのこと。まだ1年しかたっていない、これからが本当の闘い、等の話がありました。
 フォトジャーナリストの広河隆一さんからは、チェルノブイリと福島の現状についてのスライドを見せて頂きながらの説明。除染活動はチェルノブイリでは成功していのが現実、等の厳しい指摘。
 続いて、いわき放射能市民測定室「たらちね」事務局長の鈴木薫さん。元々、普通の主婦であったとのこと。
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 鈴木さんによると地元は今も戦争状態。それが食べられるかどうか、生きるか死ぬかの毎日を過ごしているとのこと。昨年11月に測定器(食品用4台とホールボディーカウンター)を導入したものの、今となっては初期被爆の実態は誰にも分からないのが現状であり、わが子の被曝を心配する母親たちの気持ちを伝えて下さいました。
 ちなみに4台の検査機は4月末まで予約で一杯とのことです。
 ここで1年間を振り返るビデオを見て、14時46分には全員で起立して黙とう。チェルノブイリの歌姫・ナターシャ・グジーさんの澄んだ歌声が静かに流れます。 
 後半のパネルディスカッションには、広河さん、おしどりのお2人、鈴木さんに加えて藤波心さんも参加されました。
 藤波さんは兵庫県在住のアイドル中学生。震災の日、塾から帰ると両親が泣きながらテレビのニュースを見ていたとのこと。ところが翌日、塾に行って友達と話すと、見たかったバラエティ番組が無くなって残念といった友達も。ちょっと違うと思い、ブログでの発信、著作活動等を始められ、現在は脱原発活動で全国を回っておられるそうです。
 関心の高くない人も多いけれど、あきらめないで声を上げ続けることが大事との決意の言葉。
 イベントの最後はおしどりのお二人の漫才。
 おしどりさんのトークイベントは3日目ですが、漫才のネタを見たのは初めてです。さすが横山ホットブラザーズの弟子、本格的な楽曲漫才で、メチャ面白かったです。短時間で残念だったので、今度はちゃんと寄席かルミネに行こうと決めました。原発関連の活動も貴大事ですが、漫才もぜひ続けて下さい。
 16時過ぎに終了。再び日比谷線に乗り今度は日比谷公園へ。
 昨日、今日の2日間「311東日本大震災 市民のつどい Peace On Earth」が開催されていましたが、その最後にだけ足を運んでみました。
 多くのNGO等が出展。そろそろ日が暮れる時間ですが多くの人で賑わっています。
 大噴水広場には多くの人たちが立錐の余地もなく、特設ステージを見つめています。おりしも壇上には主な出演者が勢ぞろい。中澤信一さん、坂本龍一さん、加藤登紀子さん、鎌田實さん、C.W.ニコルさん、飯田哲也さん達、錚々たるメンバーです。数名の方からメッセージ。加藤登紀子さんのリードで合唱も。
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 続いて加藤登紀子さんの Live & Talk。この日も昼間は郡山でコンサートだったとのこと。ステージに設けられたLEDスクリーンに被災地の様子を映写しながらの数曲に、心が震えました。最後には、子ども達の命を救いたいと、医師の鎌田實先生による朗読とのコラボも。
 最後のプログラムは「100万人のキャンドルナイト」。壇上にはマエキタミヤコさん藤田和芳さん
 毎年、夏至と冬至の日に2時間だけ電気を消すというこの取組も10年目とのことで、被災地支援に入っている倉本聰さんの提案で、今年は311にもやることなったそうです。倉本聰さんも福島の現地から電話出演、福島の海辺のキャンドルの様子が映し出されます。
 マエキタさんが参加者に呼びかけます。私たちは世の中を変えていく使命を負った。でも、ひょっとしたら隣の人は知らないかも知らない。そういう人には、優しく寛大な気持ちで教えてあげることが必要、と。
 途中、通り雨もあり気温も下がってきましたが、最後まで帰る人は少なく盛りあがったイベントでした。
 この日のステージでは、何人かの方たちが「311以降人生が変わった」と話されていました。確かに、考え方や活動内容が変わった著名人の方もたくさんおられ、それは実際に社会を変えつつあり、間違いなく大変貴重なことです。イベントも大いに盛り上がり、素晴らしい内容でした。
 しかし、昼間のイベントで語られていた被災地の方たちの言葉あるいは感覚、すなわち何も変わっていない、今も被災中、今も戦争状態・・・。等の言葉を思い起こすと、いささか、自分の中に消化し切れないものの感覚を残した一日でした。
 これらは、自分自身で受け止め、心と、日々の生活の中で自ら折り合いをつけて行くしかありません。簡単な答はありません。

“2012年3月11日(日)” への1件の返信

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    おしどりさんマークしておきます。

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