伝える達人、松山真之助さん

春爛漫。家の近所のしだれ桜、日比谷公園のシャガなど。
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4月18日(水)夕方、東京駅直結のニッセイ・ライフプラザ丸の内で開催されたセミナーには、仕事帰りとおぼしき会社員風の男女30名ほどが参加されていました。
この日の講師は松山真之助さん。
大手航空会社の海外現地法人社長や大学の客員教授等の経歴をお持ちで、書評メルマガ「Webook of the Day」を配信されている方としても有名です。
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私はこのメルマガの10年来の読者で、昨年、初めてご本人にお会いし、改めてその人柄に魅了されました。メルマガの文章もお話も、独特の軽妙さがあって、親しみやすく分かりやすいです。
その松山さんのこの日のテーマは「仕事と人生に効くタイムマネジメント」。
資料は1頁に1項目、それに参考になる本の紹介。その内容を簡単に紹介させて頂くと・・・
まず「時間効率を高める4つのシフト」の話。
「1 だったらの法則」
仕事を指示されれば、すぐに1枚紙程度のプロジェクトシートにまとめる。
グラフは3つ。すなわちトレンド、構成比率、他社との比較。
紹介頂いた参考図書は安宅和人『イシューからはじめよ』ほか(敬称略、以下同)。
「2 出番ですの法則」
会議に参加するなら、どうせなら乗っ取って仕切ってしまおう。そのためには記録係を買って出て、ホワイトボードにメモしていくと、自然に議論をリードできる。
参考に森田元『戦略キャンプ』。
「3 それは大物だの法則」
壷には最初に大きな石を入れ、次に小さな石、最後に砂、の順番でないと多くは入らない。
だから大きな案件ほど早く手をつけることが必要。まずタイトルをつける、3つに分けてみる、誰かに相談する。
参考に田中ウルヴェ京『メンタルトレーニング実践講座』。
「4 早いもんがちの法則」
毎朝4時に起きるようになって人生が一変。6時に出社し始業までの3時間と、通勤時間の往復3時間の一日6時間が自分の時間、1年で約2ヶ月分がお得に。
ここで参考図書として紹介頂いたのは松山さんの著書『30分の朝読書で人生は変わる』。経験に基づいているので、分かりやすく説得力があります。
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続いて「時間を濃く深くする4つの曲線」の話。
「1 成功曲線」
努力してもなかなか目標には達しない。そのギャップに諦めなければ、少し先に急上昇する成功曲線があるとのこと。参考は石原明『成功曲線を描こう』
「2 支援曲線」
自分のための曲線は頭打ちになっても、人を応援するカーブは際限なく上昇。誰かを応援することで自分もレベルアップ。

「3 エネルギー曲線」
人生のエネルギーは浮き沈み。でも悪いこともネタになると思って谷底を楽しむべし。
参考は藤原和博『坂の上の坂』。
「4 意味づけ曲線」
感情に意味づけを与えてコントロール。いい感情を持つことによって成功の確率が高まる。
参考は池田貴将『動きたくて眠れなくなる。』。
「オリジナルはほとんどない」と謙遜される松山さん。
確かにもの凄い読書家ですから、元ネタやヒントは色々なところにあるのかも知れませんが、それを自ら咀嚼し、自らの言葉で組み立て直さないと、なかなか他人に伝わるものではありません。
その意味でも、松山さんは「人に伝える天才」だと思います。勝手に弟子入りさせて頂きます。
『30分の朝読書・・・』には、本は読むだけではなく人に伝えることが大事、「伝える」ことで考えるクセがつく、との記述があったので、自分の言葉で書いてみたのですが、う~ん、生半可な解釈で終わってしまったような。
ご関心を持たれた方は、ぜひ、ご著書あるいは松山さんのウェブサイトをご覧下さい。
今日、19日付けで福島第一原発の1号機から4号機が法的に廃止。
しかし当然ながら消えて無くなるわけではなく、依然として破壊された原子炉は浜通りに現存し、現在も放射性物質を放出し続けているという事実。
一方で、核燃料処分のコストが試算されたとの報道も。
いずれにしても、原発の後始末には、膨大なコストと長い時間がかかるという現実。