去る10月27日(土)は、板橋の東京家政大で美味しい根菜のキッシュを頂いたのに続き、四谷で野口勲さんの講演をお聞きするという充実した一日でした。
ところが実は、その後に回った高円寺で、もう一つの思いがけない大きな収穫がありました。
この日、庚申通りにある居酒屋・魚浩では、「うおこう寄席」が開催されていました。
今回は肝心の落語は聞けなかったのですが、出演された立川吉笑さんを囲んで懇親会を開催するというので、飲み会だけ顔を出すことにしたのです。
落語会の会場でもあった2階の広間に上がると、両側の壁には色とりどりの鮭のオブジェ(?)。
女将のMさんゆかりの新潟県の村上にちなみ、「村上塩引き鮭コンテスト」を開催しているそうです。
すでに約10人ほどがテーブルを囲んでいましたが、Mさんから乾杯の前に披露したいものがあると言われ、隣のテーブル上のノートパソコンの回りに集合。
そこで、この日の参加されていたシステム開発者のCさん自ら、デモ実演して下さったのが、「リプライズ -すべての本棚を図書館に- 」というサービスだったのです。
これが正に「目からウロコ」でした。
フェイスブックのアカウントとバーコードリーダさえあれば、誰でも図書館を開設し、本を貸し借りできるというのです。えっ、ほんまかいな。
仕組みは以下のようなものです。
図書館を開設したい人は、貸し出せる蔵書をバーコードリーダで読み込むことにより、バーチャル空間上に仮想的な本棚(本の画像も)を設けることができます。
つまり、オフィス、コワーキングスペース、カフェや居酒屋等のコミュニティスペースが、どこでも図書館になるのです。
一方、借りたい人は、サービス上で本と図書館の場所を検索することができます。
そして、実際の本の貸し借りは、ネット上や郵送ではなく、直接、顔を合わせることによって行われます。
私が特に感じ入ったのはこの部分で、つまり、バーチャルな空間で繋がった個人同士が、顔の見えるリアルな関係に発展するという仕掛けになっているのです。
このサービスが拡がっていけば、本を仲立ちにしたコミュニケーションが生まれ、さらにコミュニティの再生や活性化にも貢献することが期待されます。
このサービス、すでに全国各地に多くの図書館が開設され、1万冊以上の本が登録されています。
また、「フェイスブック・アプリ・アウォード」を受賞したこ等もあって、マスコミ等でも注目されているそうです。
帰り際、魚浩の玄関脇をみると、ちゃんと本棚が設けられていました。バーチャルなサービスを活用したリアルな本棚が、確かにここにあるのです。
ところで懇親会の方ですが、このお店は魚屋さんが経営しているため、いつも美味しい魚を出して下さいます。この日はお造り、大きな鰤カマのほか、村上の塩引き鮭が入った鍋を頂きました。
女将のMさんは、とにかく関心と活動の幅が広い方です。
この日の参加者の皆さんも、Mさんとの縁があって参加されている方ばかりで、IT関係の方、会計事務所の方、図書館の司書の方、ものづくりや舞踊が趣味の方、江戸東京野菜の普及活動に取り組んでいる学生さんなど、多彩な人たちです。様々な話題で22時頃まで盛り上がりました。
この中で、立川吉笑さんが「やまとことば」の難しさと美しさについて話されていたのが印象的でした。確かに「失敗する」と「しくじる」とでは、語感が全然違います。
この辺りに気づかせてくれるのも、落語の素晴らしさかも知れません。
話題は変わりますが、10月30日(旧暦九月十五日)の望月の夜、メールマガジン「F.M.Letter フード・マイレージ資料室通信」の第1号を配信しました。
創刊号は次のような内容です。
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創刊号で紹介したのは「共奏キッチン」です。
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