江戸コン講座「地産地消とフード・マイレージ」

11月10日(土)は秋晴れ。
JR中央線の武蔵小金井駅の南口では、翌日曜日までの2日間、小金井市農業祭が開催されていました。
121110_1_convert_20121111133339.png
駅入口のすぐ脇のテントでは、江戸東京野菜を使った汁ものの無料配布が行われており、多くの人たちが行列を作っています。少し離れた広場では、毎年恒例の野菜の宝船、野菜や苗木の即売会など。
市民交流センターでは、品評会に出品された作品が展示されています。
その一画には江戸東京野菜のコーナーも。パネルとともに亀戸大根や伝統小松菜が展示されています。翌日曜日には、ここで生産者の方によるミニセミナーも開催されるとのこと。
小金井の都市農業の実力を、垣間見させて頂いたような気がしました。
121110_2_convert_20121111133412.png
121110_3_convert_20121111134107.png さて、少し離れた会場では、江戸東京野菜シェルジュ育成講座第2期)の4回目の講座が開催されました。
江戸東京野菜の普及と地域振興に貢献する人材づくりを目的とした講座で、主催は地元NPO等からなる江戸東京野菜コンシェルジュ育成協議会です。
受講生は、食や農、伝統野菜に関心のある公募で選ばれた方たちです。
この日の講座は私が担当させて頂きました。
前半は「地産地消とフード・マイレージ」と題して80分ほどの説明。121110_4_convert_20121111134045.png
食生活の大きな変化(外部化・簡便化、米消費の半減と畜産物・油脂消費の急増等)が、栄養バランスの崩れ、食料自給率の低下、食品ロスの増加等につながっているという問題点を提起。
さらに、フード・マイレージの考え方を紹介しつつ、私たちの身近な食が地球環境とも繋がっている(食料の大量・長距離輸送による二酸化炭素を排出)ことと、輸送に伴う環境負荷を削減するという意味での地産地消の意義について説明を行いました。
休憩の後は、グループワークです。
これまで各地で何度か行ってきていますが、いくつかのグループに分かれ、カードから晩ごはんのメニューを選んでもらい、フード・マイレージと輸送に伴う二酸化炭素排出量を計算し、さらには望ましい食のために自分たちができることを話しあうというものです。
121110_42_convert_20121111134259.png
フード・マイレージの計算方法等を理解するだけではなく、参加者の間のネットワーク作りに繋げることをねらいとしたもので、目論見通り、この日も予定時間が経過しても、なかなか話し合いは終わりません。
121110_5_convert_20121111134134.png
その「宴たけなわ」状態を、何とか「中締め」し、グループごとの発表に移りました。
さすがに関心と意欲の高い方ばかりが集まっておられ、2種類の献立をつくり計算して比較したグループがあったり、トラックと船舶とで排出量が大きく異なることや、輸送だけではなく生産面での二酸化炭素削減が重要であることを指摘するグループがあったりと、私のまとめを先取りするような充実した内容の発表が続きました。
121110_6_convert_20121111134203.png
最後に私から、まとめと講評。
大量生産・大量(長距離)流通・大量消費・大量廃棄に象徴された現代文明は、現在、化石エネルギーや地球環境の面で限界に直面しており、持続可能性(サステナビリティ)の重要性が注目されていること。
そのような中、食の分野においても、世界ではスローフードやCSA(Community Supported Agriculture, 地域支援農業)等の新たな動きが始まっていること。
そして日本では、伝統野菜や在来作物に関わる取組が重要な役割を果たしていく可能性があること等について、やや整理不足の議論ながら、勝手な考えを述べさせて頂きました。
質疑応答では熱心ないくつかの質問も頂きました。終了後も、何人もの方が、直接、話に来て下さいました。
さらに後日、質問が改めて送られてくることになっています。前回もなかなか難しい質問ばかり、今回も戦々恐々ながら、同時に楽しみでもあります。
さて、講座の最後には、司会の納所二郎さんから2点、紹介がありました。
一つは「冬の江戸東京野菜セット」。
東京の伝統野菜を1セット3500円で宅配してもらえるというもので、限定30セットとのこと。言わば小金井版のCSAです。
詳細はNPO法人ミュゼダグリまでお問い合わせ下さい。
121110_7_convert_20121111134230.png
もう一つは、毎年恒例の「秋の小金丼フェア」。11月17日(土)から12月2日(日)の間、農家と飲食店が手を取り合った期間限定のオリジナル丼が味わうことができます。
何と「こきんちゃんがまぐち」も、もらえるそうです。
ここ、小金井でも始まった「さざ波」が、次第に拡がり各地のさざ波と合流し、大きな潮流に繋がっていくことが予感され、胸が高鳴るのを禁じ得ません。
日本の食も、変革期を迎えつつあります。
(↓ランキングに参加しています。よろしかったらクリックして下さい。)

人気ブログランキングへ