F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信- No.011

================================================================

 ◇◆◇ F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信− ◇◆◇

     No.11 ; 2013.1/12(土、旧暦 師走朔日)発行

================================================================

 

 これまで毎週水曜日に配信してきたところですが、今回からは旧暦の

毎月1日と15日(新月と満月の大潮の日)に配信することとします。

自然界の時の流れを感じ取って頂く一助となれば幸いです。

 今回は旧暦・師走朔日(121日)の配信です。ちなみに今日は新月

で、1ヶ月の内で最も暗い夜を迎えます。

 


—————————————————————-

  F.M.豆知識

   3 フード・マイレージを考える背景 (1) 私たちの食の激変

 

  フード・マイレージを始めとする食や農に関わる話題について、毎

 回少しずつ取り上げていきます。

—————————————————————-

 フード・マイレージとは、食料の輸送量に輸送距離を掛け合わせた指

標です。例えば10トンの食料を50キロメートル運んできた場合のフー

ド・マイレージは、10×50500トン・キロメートルとなります。

 このように、フード・マイレージとは極めて単純な指標ですが、食料

の輸送に伴う二酸化炭素排出量の推計、自らの食べ物の由来(産地や生

産者)に想像力を働かせるきっかけになるなど、食料自給率など他の指

標にはない特色あるいは有用性を有しています。

 

 今号からは、フード・マイレージ指標が今なぜ有用性なのか、その背

景にある私たちの食の現状等について、説明していきます。

 

 私たち日本人の食生活は、戦後、経済が高度成長する中で激変したと

いっても過言ではありません。

 

 そもそも食生活とは、本来、その地域の気候や風土に適応した1次産業

(農業、漁業)に対応して歴史的に形成されてきたため、基本的には保

守的なものであり、大きく変化しないものとも考えられます。

 ところが、日本人の食生活は、戦後の高度経済成長の時代の中で、い

くつかの面で大きく変化したのです。

 

 その1つは「食の外部化」です。

 従来は、内食(家庭内での食事)が中心であったのが、外食や中食

(持ち帰りの弁当やそう菜)の割合が大きく高まっているのです。

 

 もう1つは、食生活の内容(何を食べているか)自体が、大きく変化

したことです。

 つまり、米の消費量が半減するのと並行して、畜産物や油脂の消費量

が数倍の水準へと急増しました。いわゆる食生活の「洋風化」「欧米化」

が急速かつ大きく進んだのです。

 

 これらの変化は、大なり小なり、いずれの国においても見られるもの

ではありますが、これほどの大きな変化は、他の先進国には見られない

日本に特有のものです。

 

 そして、これらの食生活の激変が、私たち自身の健康(栄養バランス

の崩れとメタボリックシンドロームの増加)、日本全体の食料供給(食

料自給率の低下)、地球規模での資源や環境への負荷(海外の土地・水

への依存、大量の輸入食料の長距離輸送に伴う二酸化炭素利排出)等の

面で、大きな問題点をもたらしているのですが、次回からは、まず、私

たちの「食の激変」の内容からみていきたいと思います。

 

—————————————————————-

  オーシャン・カレント −潮目を変える−

 

 食や農の閉塞感を打ち破るためのユニークな活動や、それに取り組

んでおられる方達を紹介するコーナーです。

—————————————————————-

 JR神田駅前の繁華街をガードに沿って南に進み、人通りが少なくなっ

てきた路地をさらに1本入ったところに、「全国うまいもの交流サロン・

なみへい」があります。

 通りがかりの人がふらりと立ち寄るというよりは、目的を持って目指

して来る人が集うお店であることが、この場所からも分かります。

 

 ドアを開けると、正面にあるボードにはポスターやチラシが貼られ、

フロア中央部には各地の特産品が展示・販売されている陳列棚があり、

アンテナショップの機能も果たしています。

 その奥がテーブル席とくつろげるソファの席で、ゆったりと40名ほど

が入れるほどのスペースです。

 

 メニューは、月替わりの特産品コースが基本です(単品もあります)。

 例えば20131月の山形県米沢特集は、雪菜のふすべ漬等の前菜、遠

山カブと季節の魚の炊いたん、米沢産天元豚ソテー小野川温泉豆もやし

添え、豆腐と水菜等の鍋仕立て、つや姫の土鍋炊きと漬物、米沢産りん

ごといった内容です。

 

 周囲の壁には、これまで取り上げた47都道府県の特産品等のパネルが

ぐるりと貼られています。

 ドリンクも、全国各地の日本酒や焼酎、特産ジュース等が豊富に揃え

られています。

 

 いつも笑顔で迎えてくれるオーナーの川野真理子さんは、青森県津軽

地方のご出身。

 この方、実は、ただの居酒屋の女将さんではありません。

 パソコンのインストラクター等を経て会社を起こした経験を踏まえ、

起業家のための交流と情報交換・スキルアップを目的としたNPO法人や

会社を設立し、多くのセミナーやイベント等を企画・開催され、自らも

講師等として活躍されています。

 『インターネットと21世紀型女性の起業』(共著、新水社、2002年)

という著書もあります。

 

 地方と都会を繋ぐことも川野さんのライフワークの一つです。

 都会に住む自分達が地方の特産品を食べ、少しでも地方の農業・漁業

に現金を落とそうという思いを実現するため、2008年7月、全国の食材

と郷土料理、ご当地自慢で様々な情報交換ができる交流サロンとして開

店したのが「なみへい」なのです。

 そのコンセプトは、「東京から故郷おこし」です。

 

 特定の地方のファン作り交流会、被災地の日本酒を呑んで復興を支援

する会、演奏会や映画の上映を兼ねたイベント等も、随時、開催されて

います。

 

 人と人がつながる、地方と都会がつながる、食材と食材がつながる、

様々なものが「つながる場」である暖かい交流サロン「なみへい」。

 

 今夜も多くの人たちが、「なみへい」のコンセプトと川野さんの人柄に

惹かれて集います。

 

 「日本全国うまいもの交流サロン・なみへい」HP

  http://www.namihei5963.com/index.shtml

 

—————————————————————-

  情報ひろば

 

  食や農に関わるセミナーや勉強会の情報、拙ウェブサイトやブログ

 の更新情報、読者の方からの投稿(告知等)をお知らせします。

—————————————————————-

 ブログ「伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」更新情報

 

16日付け 「シェーナウの想い」上映会 in市川

 

 千葉・市川の市民グループが主催した自主上映会。チェルノブイリ原

発事故を受け、節電等に取り組むだけではなく自前の電力会社まで設立

したドイツの小都市・シェーナウ市の市民達の活動を描いたドキュメン

タリ映画です。

 http://food-mileage.jp/2013/01/06/

 

19日付け 小川町「べりカフェ」3周年

 

 埼玉・小川町のコミュニティカフェ「べりカフェ」の新年会兼開業3

周年パーティーが開催され、「日替わりシェフ」の皆さんが手塩にかけ

た料理を持ち寄って下さいました。

 食とエネルギーの地産地消「小川町モデル」の拠点です。

 http://food-mileage.jp/2013/01/09/

 

 管理者が参加予定または関心のあるイベント等を紹介します。

 

 食育祭 in させぼ、させぼ食育フェア

 日時:112日(土)13:00 16:00

 場所:アルカスSASEBO(長崎県佐世保市)

 内容:講演(医療法人照甦会・田中佳先医師)、幼稚園等での食育活

   動の展示、「元気野菜」食べ比べ、生産者との交流・販売会等

 主催:NPO法人大地といのちの会

 (詳細、お問合せ等112日の箇所をご覧下さい。)

  http://yoshi3yasai.web.fc2.com/yotei.html

 

  絵本「ひまわりのおか」「ふるさとはフクシマ」朗読と報告会

 日時:113日(日)14001600

 場所:新宿区立歴史博物館・講堂(新宿区三栄町)

 主催:こども・いのち・ひかり ひまわりのたね実行委員会

 (詳細、お問合せ等

  http://nemoji.blog.ocn.ne.jp/ashita/2013/01/post_7522.html

 

 上映会「赤トンボのいない秋」

 日時:115日(火)15001600

 場所:べりカフェ(埼玉県小川町、駅すぐ)

 主催:原発のない未来の会

 (詳細、お問合せ等

  http://blog.goo.ne.jp/mamkr2012

 

 【燻製作っちゃぉ!】イベント!

 日時:119日(土)12:3018:00

 場所:品川区北品川2-8-11

 主催:グリーンスマイル

  (詳細、お問合せ等

  http://www.facebook.com/#!/events/188168307974663/

 

 あっぱれ野菜! STUDY & CAFE  vol.10〈江戸東京野菜編〉下

  −下山千歳白菜&汐入大根−

 日時:120日(日)11:0013:30

 場所:くりやぶね(小金井市本町)

 スタディ講師:大竹道茂さん(江戸東京・伝統野菜研究会代表)

 カフェ料理&解説:酒井文子さん

          (江戸東京野菜料理研究家・野菜ソムリエ)

 主催:NPO法人ミュゼダグリ

  (詳細、お問合せ等

  http://web2.nazca.co.jp/11210409/S%26C130120.pdf

 

 第3回「農」と里山シンポジウム−三富(さんとめ)を未来に−

 日時:120日(日)13:1016:10

 場所:川越南文化会館(川越市今福)

 主催:三富シンポジウム実行委員会

  (詳細、お問合せ等

  http://www.santome.jp/kaihou1/24YearKaihou/Symposium/Symposium.html

 

 公開討論会「原発事故・放射能汚染と農業・農村の復興の道」

 日時:120日(日)13:3017:00

 場所:立教大学池袋キャンパス・マキムホール(15号館)M202教室

 討論者等(敬称略):小出裕章、明峯哲夫、中島紀一、菅野正寿、大江正章 

 主催:NPO法人 有機農業技術会議

 (お問合せ先)Yuki-gijutsu(アットマーク)coast.ocn.ne.jp

 

 第4回アドボカシーカフェ

  「原発事故子ども・被災者支援に必要な施策を考える」

 日時:121() 18:3021:00

 場所:四谷地域センター(新宿区内藤町)

 主催:ソーシャル・ジャスティス基金

  (詳細、お問合せ等) http://socialjustice.jp/p/20130121/

 

 映画だんらんにっぽん自主映画会&交流会

 日時:126日(土)15:00〜鑑賞・監督対談、18:00〜交流会

 場所:神田なみへい

 主催:佐野孝裕氏

  (詳細、お問合せ等

  http://www.namihei5963.com/namihei-board/detail.cgi?sheet=hp31&no=1201

 

 おがわまち有機農業フォーラム2013

 日時:126日(土)13:00 27日(日)16:30

 場所:小川町立図書館(埼玉県小川町)

 主催:小川町有機農業推進協議会

  (詳細、お問合せ等

  http://www.yuki-hirogaru.net/news/183.html

 

 第3回品川マルシェ「全快野菜屋ちゃん」

 日時:127日(日)10:0015:00

 場所:品川区南品川2-7-6(品川法人会館前)

 主催:グリーンスマイル

  (詳細、お問合せ等

  https://www.facebook.com/#!/events/501942789845734/

 

================================================================

 F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】 

================================================================

  発行者:中田哲也(フード・マイレージ資料室 管理者)