築地市場の「くまモン」

 2013年1月23日(水)の昼休み、職場至近の日比谷公園に散歩に出かけてみると、鶴の噴水がある雲形池のほとりには、ごっついカメラを抱えた人たち。
 何かと思って狙っている先に目を凝らして見ると、池にせり出した木の枝にカワセミの姿が。スマホのカメラではちゃんと写せていませんが、きれいな青色が印象的です。
 一ところにはじっとしておらず、枝から枝に飛び回り、そのたびにタメラおじさん達も大移動。
 傍らの芝生をみると、おびただしい数の雀が集まっていました。冬の日射しの下で気持ち良さそうです。
 こちらにカメラを向ける人の姿はありませんでした。
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 さて、25日(金)の午前中は、築地市場に行ってきました。
 数日前に江戸東京・伝統野菜研究会の大竹道茂さんから電話があり、新潟・長岡の中学生達が研修旅行で市場見学に来る際に江戸東京野菜についても話をすることになっているということで、お誘いを頂いていたものです。
 築地市場にはずっと昔に一度来たことがあるのですが、近く移転が予定されていることから最後の見学の機会と思い、午前中、休暇を取って出かけて行きました。
 都営大江戸線の築地市場駅で降りると、市場はすぐ目の前です。目に染みるような青空です。
 「青果門」を入ってすぐにある建物の2階にある会議室へ。
 かねて江戸東京野菜の普及にも尽力され、この日の見学を受け入れられた東京シティ青果(株)の方による市場の説明が終わり、大竹さんの話が始まったところでした。
 30名ほどの中学生達は、熱心にメモを取っています。
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大竹さんの講演の内容はご自身のブログで詳しく紹介されています。大竹さんの話は何度もお聞きしたことがあるのですが、そのたびに内容が充実・更新さており、毎回、新鮮な気づきと驚きを与えて下さります。
 今回は、伝統野菜を栽培されてきた「長老」の方達を農林高校にお招きし、直接、生徒たちに話をしてもらっているという部分が、特に印象に残りました。
130125_0.png 大竹さんの話の後に少し時間を頂き、私からは「環境ネットワーク埼玉」が作成した地産地消のパンフレット「BUY SAIAMA」をお配りし、地球環境問題と食べものとの関わり等について話をさせて頂きました。
 また、2009年に金沢(北陸農政局)で「伝統野菜サミット」を開催した際には、長岡からは民宿「百姓や・三太夫」の長島久子さんにパネリストとして来て頂いたことと、その前に訪ねた山古志の風景が美しかったこと、民宿に泊まった際に頂いた料理が美味しかったこと等も紹介させて頂きました。
 思えば大竹さんとのご縁も、この時の「伝統野菜サミット」から始まったものです。
 話の後は、3班に分かれて市場の見学へ。
 11時を過ぎて、かなり減っているとのことですが、広大な敷地に積み上げられた段ボールの山、山。
 その間を、ターレーと(バタバタとも)呼ばれる運搬用のトラックやフォークリフトが、かなりのスピードで行き交っています。
 轢かれないように、邪魔をしないように気をつけて、引率の東京シティ青果の方の後に続きます。
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 生徒達は特別に「せり台」にも上がらせてもらい、市場の方が記念撮影。質問にも丁寧に答えて下さいます。
 それにしても市場というのは、一種、独特の熱気と雰囲気があります。特に築地のような大きな市場の場合、大量の「モノ」が取り引き、流通しているというエネルギーを感じます。
 日本中、世界中から、おびただしい量の野菜や果物がこの青果市場に集められ、さらに各地に運ばれます。
 メキシコ産のかぼちゃ、ニュージーランド産のパプリカもありました。現地で日本向けの段ボールに小分けされパックされているそうです。
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 その一方で、高級料亭等で使われる「つまもの」(四季を感じさせ料理を引き立てる葉っぱや枝花)など、珍しい高価な青果を専門に扱っておられる仲卸もいらっしゃいます。有機農産物などこだわりの商品もあります。
 その一画に、熊本のゆるキャラ「くまモン」発見。八代のブランド「はちべえトマト」でした。
 熊本から運ばれてくるトマトが、冬場の東京のトマト需要の半分をまかなっています。
 長距離をトラックで運ばれてきたトマト、フード・マイレージの観点からみれば、輸送に相当のエネルギーを使っていることになりますが、その一方で、温暖な九州の地で生産することにより、加温のためのエネルギー消費は低く抑えられます。
 化石燃料の高騰が予想される中、食とエネルギー消費の問題は、ますます重要な課題になってくるものと思われます。今回のアルジェリアでの悲痛な事件により、海外での資源開発リスクの大きさを改めて思い知らされました。
 エネルギッシュな市場の雰囲気に包まれながら、こちらのエネルギーのことに思いを馳せていると、おっと、後ろからターレーが接近。
【ご参考】
 ◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 ◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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