読書の醍醐味とは、思いがけず(予想以上に)、刺激的な本に巡り会うことです。
國分功一郎さんの『暇と退屈の倫理学』(2011/10、朝日出版社)も、そのような本でした。
奇抜なタイトルにひかれて半ば興味本位で読み始めたのですが、ぐいぐいと引き込まれました。
ここで、400ページ近くに及ぶ本書のポイントを紹介する能力はないのですが(著者自身、思考の過程が大事と述べています。)、大まかに言えば、以下のような内容です。
人間は部屋でじっとしていられない。そのために、熱中できる気晴らしを求める。それが全ての不幸の源泉となっている(ファシズムやテロリズムにさえ通じる)。… 続きを読む