消費生活アドバイザーの皆様への期待

 4月20日(土)はどんよりとした曇り空。ここ数日、寒が戻って風の冷たい日が続いています。
 所用があって池袋に向かう途中、西武池袋線・大泉学園駅近くにあるJA東京あおばの直売所「こぐれ村」に立ち寄りました。
 駅から徒歩10分ほど、なかなか立派な建物です。「練馬地場野菜」の幟が誇らしげに風にはためいています。
 貼られていたポスターによると、今月27日(土)、28日(日)の夏野菜苗の即売会では、農家の方による「夏野菜の作り方基礎講座」も併せて行われるとのこと。もう一枚は、この直売所の野菜が食べられる飲食店の紹介。
 地元の農産物や生産者と地域の消費者との「顔の見える関係づくり」にも、積極的に取り組んでおられるようです。
 広い店内には、多くの野菜や加工品が並んでいます。
 ファンには垂涎の的である「練馬金子ゴールデンビール」もたくさん並んでいました。練馬大根ドレッシングもゲット。
 残念ながら、江戸東京野菜は見当たりません。
 レジの女性に「練馬大根」はないかと聞いてみると、今は旬の時期ではない、いつ頃ならある等と詳しく教えてくれました。商品知識もしっかりしておられます。
 その代わりにとレトルトの練馬野菜カレーを勧められ、こちらの面でもしっかりしておられました。
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 練馬産の青首大根(ちゃんと葉っぱも付いています。)等を抱えて電車に乗り、池袋に着いて歩き出すと、雨が降ってきました。
 久しぶりのサンシャイン通りは、相変わらず、すごい人出です。
 通りの向こうに、青く特徴のある形のビルが見えてきました。トヨタ自動車(株)の池袋アムラックスビルです。1Fのショールームには、最新型のハイブリッド車等が展示されていました。
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 この日は、日本を代表するグローバル企業の会議室で、地産地消の話をすることになりました。
 消費生活アドバイザーの方たちのネットワーク組織『あすか倶楽部』の第151回定例会にお招き頂いたのです。
 消費生活アドバイザーとは、消費者相談への対応、消費者の声を企業活動や行政に反映させる等の役割を担う方達(公的資格として認定)で、現在、全国に約1万2千人おられるとのこと。
 1998年、勉強会や意見交換会の開催等を目的として有志の方たちにより立ち上げられたのが『あすか倶楽部』で、事務局など全てボランティアで運営されているそうです。
 その中心的なメンバーの一人が秋庭悦子先生(内閣府原子力委員)です。
 昨年4月、埼玉県新座市で環境教育に取り組んでいる市民グループの勉強会をきっかけに面識を頂き、12月の私の話も聞いて下さり、今回の定例会に招いて下さったという経緯です。
(なお、この「わいがや勉強・交流会」、今週27日(土)にも新座で開催されます。)
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 参加者は30名ほどの参加者を前に、「私たちの食と農を考える-フード・マイレージからみえてくるもの-」と題して説明しました。
 2時間近くたっぷりあると思って話していると時間が足らなくなり、説明だけで10分ほどオーバー、今回も時間配分に失敗です。
 そのせいで質疑応答の時間は短くなってしまいました(すみません)。
 その後の自己紹介や個別に話した時も感じたのですが、実際に体験農園で農作業を熱心に携わっておられたり、ご自身の実家が農家である方など、農業と繋がりが多い方が多いことが印象的でした。そのため、質問等も、それらの体験等を踏まえた内容の濃いものでした。
 続いて、事務局からの連絡と参加者の皆さんから一言ずつ自己紹介。
 新たに資格を取られ、初めて参加された方も多くおられました。
 それにしても消費生活アドバイザーの皆さん、それぞれ所属している企業や組織は異なり、あるいは個人で活動されている方もおられるのですが、そのような枠を超えたネットワークができていて、毎月の意見交換会等に熱心に参加されている姿に、強く感じ入った次第です。
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 この日の説明では、「スローフードとは世直し運動」という社会学者・宮台真司先生の言葉を引用し、「食が、近隣農業を支え、近隣農業が経済やライフスタイルや風景や町の匂いや近隣文化を支えることへの自覚」が必要であり、消費者が選択していくことは、消費者の社会的責任である、といった部分を強調(エラそうにも)させて頂いたつもりです。
 これからの日本の食と、それを支える農林水産業も、消費者の選択次第で大きく左右されます。
 消費生活アドバイザーの皆さんには、消費者と企業や行政の架け橋であり、また、複雑化する社会の中で主体的に選択が行える「賢い消費者」の育成のためにも、非常に重要な役割を担われています。
 その自主的なネットワークである『あすか倶楽部』(消費生活アドバイザーであれば、誰でも入会できるそうです。)の皆様の、益々のご活躍に大きな期待を寄せたいと思います。
130420_4_convert_20130421103039.png ところで、定例会の最後はジャンケン大会。
 大根、ドレッシング、カレー、ビールを、幸運な4名の方にお持ち帰り頂きました。
 江戸東京野菜のファンが少しでも増えることにつながれば、嬉しいことです。
【ご参考】
 ◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 ◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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