スマトラ沖と東日本、「傘がない」

 2013年8月6日(火)は、68回目の「広島の日」です。
 「風化」が懸念されている中、あるメーリングリストで、今朝の電車の中で、外見は全く今風のオニイチャンが、時計で8時15分を確認して黙とうしているのを偶然に見かけ、日本の将来に希望を感じたとの記事が配信されてきました。
 この日の夕方、グラントウキョウ・ノースタワーの17階大和スカイホールにおいて、「震災復興を支える人たちを結ぶ-スマトラ沖地震と東日本大震災-」と題するフォーラムが開催されました。
 大和証券グループは、2004年のスマトラ沖地震を受けて基金を設立して復興支援を行っており、今般、インドとスリランカの2人の女性リーダーの来日を機に、震災復興の経験とノウハウをシェアするためのフォーラムを企画したとのことです。
 19時前に駆けつけた時には(大雨洪水警報が発表されていましたが、幸い、雨は止んでいました。)、主催者と来賓(復興庁事務次官)挨拶に続く最初の活動報告(アジア・コミュニティ・センター21の理事・事務局長、鈴木真里氏)は終わっていました。
 続いて、認定特定非営利活動法人日本NPOセンターの企画部門長、吉田建治氏から「大和証券フェニックスジャパン・プログラム」についての報告。
 復興活動が継続できるよう、現地での人材育成に重点を置いているとのことです。
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 活動報告の最後は、認定特定非営利活動法人女子教育奨励会(JKSK)理事の大和田順子さん
 オーガニックコットンのボランティアバス等で(それ以前から)お世話になっている方でが、改めて、車座交流会など「結結プロジェクト」の様子など、被災地と首都圏の女性達(一部、男性も参加されているとのこと。)を結びつけ、具体的な事業化にも進んでいる様子について説明がありました。
130806_2_convert_20130808013932.png 休憩後は、大和総研調査本部の河口真理子主席研究員がモデレータを務めたパネルディスカッションです。
 バネリストとして、海外からは、まずインドの「災害に強い沿岸コミュニティの構築センター」(BEDROC)創設者・CEOのアニー・ジョージ氏
 津波被災直後、援助団体や政府のコーディネーションを目的としたNGOを設立されました。
 関係団体とのパートナーシップを構築し、被災地の声を政府や外部に届けていくことが重要と訴えられました。
130806_3_convert_20130808013957.png 次いで、スリランカのウィルポタ女性貯蓄運動(WSE)創設者・理事長であるカルナワチー・メニケ氏。
 農村開発と女性の自立を目指すNGO「ウィルポタ女性貯蓄運動」を設立、再生紙やココナツ殻等を用いた手工芸品の製作等を手掛けています。話し合って問題を共有することが大切、と主張されまた。
 東北からは、「いわきおてんとSUNプロジェクト」の代表、吉田恵美子さん。
 オーガニックコットンのボランティアバス等で、いつもお世話になっている方です。
 最初に吉田さんの口から出たのは、まず、インドやスリランカでの復興の取組事例を、もっと早く知りたかったということ。
 地元にいる者だけが長期的に関わることができる、地域外から多くのボランティアが来てくれているが、どこまで一緒に歩んでくれるか心配とのこと。福島・いわきという難しい地域で必死に地域づくりに取り組んでいる吉田さんだからこその、心の底からの言葉でした。
 
 企業組合を立ち上げ、コットンの栽培、手づくりの太陽光発電、スタディツアー等に取り組んでおられます。避難者も参加でき、あるいはモデルとなるような活動をしていきたい、との発言がありました。
 オーガニックコットンで作ったTシャツの紹介もありました。
 
 30代の及川博道氏は、一般社団法人「南三陸町復興推進ネットワーク」の代表理事です。
 現在、自分のような若い世代がまちづくりの活動に取り組んでいるのは親の世代が基盤を作ってくれたお陰であり、今度は自分たちが途切れないように子ども達に伝えていくことが必要、等の発言がありました。
130806_4_convert_20130808014016.png 復興庁男女共同参画班の上席政策調査官、薄井篤子氏からは、国における男女共同参画の中での被災地支援の取組の紹介がありました。
 パネリストの皆さんの話をもっと聞きたかったのですが、残念ながら予定の時間はあっという間に過ぎてしまい、JKSKの木全(きまた)ミツ理事長の「まず、被災地に身を置くことが重要」等の挨拶により、閉会となりました。
 多くの聴衆の方に囲まれている大和田さんや吉田さんに挨拶して会場を出ると、清潔で快適なビルの17階の窓の下には、きらびやかな東京の夜景。
 広島から68年目、東日本大震災・原発事故からは間もなく3年5ヶ月を迎えます。
 あたかも東京では、これらは過去の歴史となり、オリンピック誘致など「前を向いた」平穏な日常を刻んでいるかのようです。
 その中で、では私はどうするのか、ということ。
 「支援する」などと言うのは簡単です。いつまで被災地の方たちと歩んでいく覚悟があるのか。
 無力感にさいなまれつつ、ずっと昔、深夜放送を聞き始めた頃のヒット曲・井上陽水「傘がない」を、人しぶりに聴きました。
 古いエアコンがとうとう故障しました。
 たかがそれだけで、便利で快適な生活を奪われたことにイラついている自分がいます。
 (便利で快適な生活を支えてくれている)現地の方達のことをもっと知ってもらう力になりたいと、個人的に情報発信してきたつもりですが、自ら行動することのない自己満足のブログやメルマガも、いい加減にしておいた方がいいかも知れないかなと、思いつつあります。
 暑いせいにして、今夜はちょっと飲み過ぎているかも知れません。
【ご参考】
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“スマトラ沖と東日本、「傘がない」” への2件の返信

  1. SECRET: 1
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    飲み過ぎた夜は悲観的になるものですね・・・
    お体には十分お気をつけください。
    ブログ、メルマガ私はとても楽しみにしています。さざ波から大きな波へ。ミスターフードマイレージの発言は、私達よりはるかに影響力があると思います。
    あきらめないこと、信じること、簡単なようで難しいことですが続けていただけたら勇気づけられます。

  2. SECRET: 0
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    やっちゃんさん
    コメント有難うございます。何の影響力もありませんが、楽しみにしてくれている人がいると思うと、本当に有難いです。呑み過ぎないよう気をつけます。
    > 飲み過ぎた夜は悲観的になるものですね・・・
    > お体には十分お気をつけください。
    > ブログ、メルマガ私はとても楽しみにしています。さざ波から大きな波へ。ミスターフードマイレージの発言は、私達よりはるかに影響力があると思います。
    > あきらめないこと、信じること、簡単なようで難しいことですが続けていただけたら勇気づけられます。

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