2014年1月も最終週。旧暦でも、間もなく年が改まります。
そうなると、すぐに節分、立春。
ここは日当りがいいせいか毎年早いのですが、自宅近くでも梅が咲き始めています。
2014年1月27日(月)付けの東京新聞に嬉しい記事が掲載されました。
タイトルは「楽しく集って省エネ効果」。ウォームビズ運動に取り組む堀内正弘先生(多摩美術大学)が運営されているシェア奥沢で開催された「共奏キッチン♪」が取り上げられたのです。
写真をよく見ると、確かに楽しく暖かそう。右上にはノースリーブの男性の姿まで(Kさん、いつもお若い)。
同紙の一面には「望郷のホウレンソウ」と題する囲み記事。
偶然ながら、この日の「共奏キッチン♪」で使わせて頂いた野菜の生産者、和知健一さん(茨城・那珂市)の農場にご夫妻が訪ねて来られ、福島・いわき市から避難してきた夫人の母親が栽培していたホウレンソウの種を託された、という内容です。
「この種を仲間と増やし、福島の農家のために何かできないか」と和知さんは考えておられるそうです。
さて、1月29日(水)の帰りは西武新宿線・田無駅で途中下車。
ここから徒歩15分ほどの所にある「おむすびハウス」に向かいました。
銀座農業政策塾等でお世話になっている蔦谷栄一先生(農的社会デザイン研究所代表)ご夫妻が、昨年12月、劇団のスタジオ(オーガニックシアター・まったなしスタジオ)を借り、「子どもも大人も一緒になって遊び、暮らしの知恵を学びあう場」としてオープンしたスペースです。
この日、ここで「映画とワインの夕べ」が開催されました。
上映されたのは『内部被ばくを生き抜く』(2012)。
『六ヶ所村ラプソディー』(2006年)、 『ミツバチの羽音と地球の回転』(2010年)など原発問題を追い続けている鎌仲ひとみ監督の作品です。
映画の中心は、放射能汚染を受けた現場で果敢に内部被ばくに立ち向かう4人の医師へのインタビュー。
登場するのは、広島の原爆症の治療に当たってこられた肥田舜太郎氏。チェルノブイリとイラクで医療支援に取り組む鎌田實氏。東大アイソトープ研究所長で除染ボランティアに取り組む児玉龍彦氏。そしてベラルーシの臨床医、スモルニコワ・バレンチナ氏。
一方、福島・二本松に住み続ける覚悟を決めた方たちの姿も描かれます。
子どもの尿検査でセシウムが検出されたと悔やむお母さん、早く逃げればと言われるのが一番心に刺さると泣くお母さん。
徹底的に除染するとともに、食べ物にも気をつけて内部被ばくをゼロにすると決意を語るお父さんなど。
映画の後は、ワインの試飲会など。
山梨市の山田ワイナリーの山田さんが、国産ぶどう100%のワインを持ってきて下さいました。
五輪がある2020年にちょうど熟成するよう仕込まれたというワインを、1本、求めさせて頂きました。
他には、やはり山梨から天然酵母のパン、熱いチーズフォンデュなども。
美味しいワインと食事を楽しみつつ、参加者全員で車座になって対話の時間。
20名ほどがそれぞれ自己紹介し、今日の映画の感想などを話し合いました。
西東京市ではこの映画は何度か上映会をされているそうで、今夜が4回目という女性の方も。
学童保育のボランティアで現地を訪ねらている方からは、がれきは片づいたものの現地は何も復興していないとの話。
このシアターの主催者でもある俳優の方は、3月に被ばくして死を迎える役を演じられるそうです。
福島から離れた東京や山梨では、震災も原発事故も忘れられつつあるのでは、といった意見も。
武蔵境の農家の方も参加されていました。有機農業をされているそうですが、現在もたい肥は自粛するよう言われているとのこと。東京も、原発事故と決して無縁ではありません。
身近な家族の幸せのみを追い求めてきたことが、便利で電気をたくさん使う社会を作ってきてしまった。本当の豊かさは何かということを考えされられたという意味で、今回の事故は大きな教訓。
スタジオらしく広々としたスペースは、様々な使い方ができそうな「おむすびハウス」。
毎週、月曜と水曜の16~19時、大人でも子どもでも200円の利用料を払えば、おむすびづくり等の活動が体験でき、児童書を中心に2000冊の本を自由に読むこともできます。特に予約は不要とのこと。
今夜のような上映会も定期的に行っていきたいと、蔦谷政子さんは仰っておられました。
イベント情報などは、農的社会デザイン研究所のホームページにも掲載されていくそうです。
西東京市・田無に、面白そうな「居場所」ができました。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
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