NHK「里山資本主義」を見て未来を考える会

 2014年も2月に入りました。
 一方、「和暦」では年が改まったばかり、その最初の二十四節気・立春(2月4日)は東京地方にも雪が降りました。
140204_0_convert_20140207064116.png ちなみに、高月美樹さん(ダイアリー『和暦日々是好日』は毎年愛用させて頂いています。)は、「そろそろ『旧暦』ではなくて『和暦』とよびませんか?」と提案されています。
 アジアの国々で西暦しか使っていないのは、日本だけとのこと。
 立春の前日(2月3日(月))、節分日の終業後、池袋に向かいました。
 ECOM (NPO法人エコ・コミュニケーションセンター)森良(もり・りょう)さんから、「NHK広島『里山資本主義』を見て未来(あす)を考える会」へのお誘いのメールを頂いていたのです。
 NHK広島が2012年に製作した「里山資本主義」のアーカイブス動画をみて、考え方や方法を学ぼうという企画です。
 藻谷浩介・NHK広島取材班『里山資本主義』(角川oneテーマ21、2013年7月)は読みましたが、番組はみていませんでした。
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 取り上げられている事例や考え方は興味深いものの、里山に注目すること自体は特に目新しいことではありません。
 現に、この日の主催者の森さんご自身も、子どもの環境教育の一環として、里山でのワークキャンプ等の取組を永く続けられています。
 この日は、3回(3週)連続開催の1回目。会場は、池袋駅から徒歩10分ほどの雑司が谷・がんばれ子供村です。
 参加者は、やや寂しく10名強。しかも、見知った顔が何人もおられます。
 まず、シリーズで放映された動画から、30分ほどの第1話を鑑賞。
 
 進行役の藻谷さんと、マネー資本主義に対峙する里山資本主義の実践者(革命家)の皆さんが、囲炉裏の回りに座って会話しながら(美味しそうな猪鍋を食べながら)、番組は進行します。
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 最初に紹介されたのは、岡山県・真庭市の製材工場。
 木屑を自社で発電に利用するとともに木質ペレットに加工、ペレットボイラーは市内全域で農業や公共施設の冷暖房に活用されています。高知・大豊町に「真庭モデル」を移転する様子も描かれます。
 一方、木材利用の先進地・オーストリアの状況が、対比するように紹介されます。
 第2話では、広島・庄原市でマツタケ山の再生に取り組む男性の姿。「結果を求めてはならない、無駄なことも意味がある」という言葉が重く響きます。
 山口・周防大島でミカンに海水をかけて栽培している様子。Uターンして町おこしに取り組む若い男性も登場します。
 さらには、ほとんど原価ゼロの田舎暮らしを実践されている家族の様子も紹介されます。
 お金の代わりに「恩」が回る社会は「無縁社会と無縁」とのメッセージが伝えられました。
 参加者の間で対話の時間も設けられました。
 市民活動を長く続けられている女性。リタイアして山梨での都市農村交流活動に参加されている男性。埼玉・川越や所沢で地域づくりに取り組んでいる男性など。
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 開発教育がご専門の大学の先生は、単なる田舎礼賛に終わるのではなく、都会でも心のネットワークづくりに取り組んでいく必要があるのでは、等とコメントされました。
 番組も素晴らしい内容でした(本は読んでいたとはいえ、やはり映像の力は大きいものがあります)。
 参加者の皆さんとも思いを共有でき、充実した気持ちで会場を出ると・・・、
 街は煌々と輝き、多くの人々で賑わっています。見かけは平和で豊かな、ぜいたくで便利な、現代東京の姿。
 雑踏に揉まれるように歩きながら、つい先ほどみた映像と目の前の現実とのギャップに違和感を覚えずにはいられませんでした。
 「NHK広島『里山資本主義』を見て未来(あす)を考える会」は、10日、17日にも開催される予定とのこと(いずれも月曜19~21時、がんばれ子供村、事前申し込み不要、参加費無料)。
 もっと多くの人たちに、みてもらいたいと思った次第です。
 東京都知事選も終盤です。
【ご参考】
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