埼玉・小川町での農家見学会

 今月も埼玉・小川町から野菜が届きました。
 いつものように、生産者の金塚ひろこさん(ひろ自給農園)の丁寧な手紙が同封されています。
140316_0_convert_20140319060809.png そこには、2月の大雪の影響で今回も野菜が少ないこと(代わりにとお米を入れて下さっています。)、春野菜の生育が遅れており、4月分を5月に延期してもらいたいと、お詫びの言葉が並んでいました。
 天候リスク等も生産者と消費者でシェアしようというのが、本来の産消提携、CSA(Community Supported Agriculture)なのですから、かえって恐縮してしまいます。
 今回は、事務局(US.Peaceファーム)からの農家見学会の案内も同封されていました。
 「おいしいお野菜届け隊」の3人の生産者の方を訪ねて交流しませんか、とのお誘いです。早速、申し込みました。
 その当日、2014年3月16日(日)は好天に恵まれました。春本番を思わせるように気温も上昇。
 10時に東武東上線・小川町駅に集合。総勢20名が車とタクシーに分乗して、まずは金塚さんの農場に向かいます。
 車を降りて、主催者の一人である高橋優子さん(NPO「つばさ游」理事長)から挨拶。US.Peaceファームの小川町での様々な取組を、現地でコーディネートして下さっている方です。
 
 小川町で有機農業に取り組む新規就農者の皆さんを支援するために様々な取組を行っていること、産地や生産者ねことを知ってもらいたいため、多くの方に現地に足を運んでほしい、とのことです。
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 続いて金塚さんから挨拶(毎月、手紙とともに野菜を送って頂いていますが、私は初対面でした)。
 デザイナーをされていましたが、この日午後に伺う霜里農場での週末研修を経て、小川町で新規就農して2年目とのこと。ご主人は不耕起農法で農業をされているそうです。 
 歩いて金塚さんの畑に向かいます。
 うららかな春の陽気が気持ちいいのですが、2月は40cm以上の雪に覆われ、ほうれん草等、だめになった作物もあったそうです。
 タマネギが定植されていました。雑草を抑えるための紙マルチが敷かれています。自然に分解する素材だそうです。 
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 別の畑では、ニンジン、キャベツ、白菜など多種類の作物が植えられていました。ここも雪のため収穫は少なかったそうです。
 畑に残されているキャベツ(三角形になる「みさき」という品種とのこと。)は、外葉をはがすと小ぶりながら黄緑色の美しいキャベツです。
 商品にはならないからと、参加者に配って下さいました。かじってみると、何ともみずみずしく、甘い味です。
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 白菜は、大雪の後に頭を出したところを鳥についばまれたそうで、悲惨な姿になっています。
 それでも覗きこむと、真ん中に小さな花のつぼみがついていました。もう少し成長すると、これが美味しく頂けるそうです。
 一面、オオイヌノフグリの青い花が咲いています。テントウムシが歩き回っています。
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 駅前に戻り「べりカフェ」へ。地元の有機野菜等が食べられるレストランとして、高橋さんが3年前に始められた店です。
 店内には掲示板があり、チラシなども置くことができるなど、情報交流の拠点ともなっています。地元の加工品等の直売もしています。
 この店の特徴は「日替わりシェフ」。曜日ごとに担当者が変わります。
 自ら起業するのは大変ですが、レストランをやってみたいという生産者の方たちの受け皿にもなっているのです。
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 日曜日の担当は「谷川農場」さん。
 シェフの女性の方が、自宅で獲れた旬の野菜を中心に、バイキング形式で提供して下さいます。
 この日、並べられたメニューは、菜の花のからし和え、のらぼう菜のお浸し、白菜のジャコ炒め、紅たい菜()のナムル、ネギ焼き、ニンジンの味噌煮など。
 ご飯は雑穀入りなど2種類、それに野菜たっぷりの味噌汁。
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 デザートには、のらぼう菜のシフォンケーキ。ミルクは霜里農場産。ちなみに、これで1000円です。
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 デザートを頂きながら、改めて参加者全員から自己紹介。
 「届け隊」の契約者のほか、米作り体験等で何度も小川町に来られている家族連れの方もいれば、初めて来られた方もいらっしゃいます。
 4月に6年生になる男の子は「大きくなったら農家になりたい」とキッパリ。
 先ほどの見学の際には、熱心にメモしたり、写真を撮ったりしていました。
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 午後は、まず「霜里農場」へ。
 日本の有機農業の第一人者、金子美登さん(全国有機農業推進協議会(全有協)理事長)の農場です。
 案内して下さったのは、朝から同行して下さっている研修生の中澤康治さん。茨城の農業法人の勤務を経て霜里農場で2年間研修、4月から自立(そらつち農園)して「届け隊」の野菜も提供して下さる予定です。
 先ほどの自己紹介の際には、「販路に不安があったので「届け隊」の声をかけて下さったのはありがたい。一方で責任感、プレッシャーも感じる」と話しておられました。
 生憎と金子さんご夫妻は不在で挨拶できませんでしたが、多くの研修生の皆さんが、みんな気持ちよく挨拶してくれます。
 ここでは、廃食油(てんぷら油など)で走るトラクター、バイオガス施設など循環型農業のための様々な取組をされています。
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 ここでも、一部のハウスや納屋が大雪の被害を受けたそうです。太い梅の枝が何本も折れていました。
 ハウスの中では、落ち葉を使った苗床が作られていました。
 イチゴ栽培のハウスも見学させて頂きました。ニラと一緒に植えたり、回りに麦やマリーゴールドを植えることで、病害虫の発生を抑制しているそうです。
 畝の上、ところどころにはカマキリの卵が。これも孵化すると、おびただしい数の幼虫が虫を食べてくれるそうです。
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 鶏や牛もいます。ニワトリ(チャボやアイガモも)はケージではなく平飼い、牛は春の日の下で草を食んでいます。
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 ここから一行は中澤さんの農場へ。私は都合があってここで帰途に就きました。
 その後もう一軒、松永崇史さんの農場も訪問されたそうです。金塚さんの前は松永さんの野菜を届けて頂いており、松永さんが指導して下さった昨年の米作り体験会には、何度か参加しました。
 提携して野菜を送って頂いたり、あるいは直接産地を訪ね、生産者の方と顔を合わせて交流したりすること(つながること)は、大きな意義があります。
 US.Peaceファームでは、5月から「おいしいお野菜届け隊」の新規募集もするそうです。
 今回のような農家見学会や米作り体験会、小川町の野菜を使った食事会(シェフズテーブル)等も予定されているようです。
 ご関心を持たれた方は、どうぞ申込み、参加してみて下さい。理屈はともかく、楽しく美味しい体験になると思います。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
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