第1回「食と農の会」@シェア奥沢

 2014年3月30日(日)、日本列島は広く春の嵐に見舞われました。
 15時半頃に自宅を出た時は雨も風も強かったのですが、急速に天候は回復、17時前に東急・自由が丘駅に降り立った時は、すっかり風雨は止んでいました。
 緑道の桜は満開、淡いピンクの花が青空に映えています(今まで日が落ちてからしか来たことがなかったので、こんな見事な桜並木とは知りませんでした)。
 ここから「シェア奥沢」は徒歩数分ですが、駅前の繁華街とは対照的な静かな住宅街の中にあります。
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 この日開催されたのは、第1回「食と農の会」。
 着いた時には、藤本板長のリードの下、既にどんどん料理が進んでいました。
 食材は、世田谷・南烏山の生産者であるYさんが持ってきて下さった、畑から獲れたての野菜。東京でも地産地消は可能です。また、ちょうど代々木公園で開催されていたアースデイマーケットでメンバーが調達してきたものも。
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 つぼみ付きの白菜、春菊、サラダほうれん草、ルッコラ等のサラダ。ドレッシングも手づくりです(レシピは秘密)。プチベールは湯がくと鮮やかな緑色になりました。根レタスはビシソワーズ風のスープにして出して頂きました。 
 好みの飲みものを手に、オーナーの堀内正弘先生の音頭で乾杯。
 しばし、みんなで作った美味しい料理を頂きながらの歓談の時間。参加者は30名ほどです。
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 豚バラ肉と根菜の煮物。締めには、大皿に豪快に盛られたお蕎麦とうどん。後のワークショップの合間には、デザートとして里芋のプリンが出されました。
 板長、今日もご馳走様でした。
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 質、量ともに充実した食事が一段落し(やや予定時間を超過)、ワークショップの時間に移りました。
 まず、堀内先生から会の趣旨について。
 「シェア奥沢には、食や農に関心のある方が多く集まります。いわば「共奏キッチン♪」の分科会(あるいは二階部分)として、料理を作り食べることから、食材へのこだわり、ライフスタイル、地域社会といった意識につなげていくことで新たな展開もあるかも、ということで開催することにしました」との説明がありました。
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 1回目ということで、まずは私から食と農をめぐる情勢について、総論的な話題提供(問題提起)。
130330_52_convert_20140405014525.png 私たちの食生活は大きく変化したこと(外部化・簡便化、流通の広域化、米消費の半減と畜産物・油脂等の消費急増等)、それが様々な問題につながっていること(栄養バランスの崩れ、食に対する不安の高まり、食料自給率の低下、食品ロスの増大、フード・マイレージの増大)を、レジュメパワーポイントで説明させて頂きました。
 レジュメには自分なりの解決策も示していたのですが、この日はあえて、説明は問題提起までに留め、対話の時間につなぐことに。
 進行(ファシリテータ)は、まこちゃんさんです。
 テーブルには「本日のコース」(プログラム)が記されたカードが置かれていますが、これを開くと、「今日の話の中で、あなたにとって最も重要なことは何ですか」等と書かれています。
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 これについて、参加者の皆さんから一言ずつ発表。
 私の話の内容と、皆さんの関心事項を堀内先生がてきぱきとチャートにまとめられます。これを元に5つのグループに分かれ、シェアと対話の時間。
 気付いたことなどを、どんどん付箋にメモして模造紙に貼っていきます。
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 その後、グループごとに順番に前に出て発表。様々な意見が出されました。例えば・・・
・ 自給率向上のためには、米や大豆などを中心とした伝統食への回帰が必要ではないか。
・ 食料自給率については、エネルギーの自給も視野に含めて議論する必要があるのではないか。
・ 行政からの情報発信も重要だが、問題に気付いた人が周りの人にしゃべり伝えていくことが大事ではないか。
・ 中食(なかしょく)が増えるのなら、地場農産物等を使ったそう菜や弁当を作って売るようにすればいいのでは。
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・ 食べ物は買うのではなく自ら作ることを基本とすべし。種は売るのではなく分けるようにする。また、非農家でも農業をし易くなる仕組みに変えていくことが必要。
・ 冷蔵庫の大きさは欲望の大きさを象徴している。買いだめをせず必要なものだけ買うようにすればロスも減らせるのではないか。
・ 様々な問題を解決していくカギは、結局はコミュニティ(人と人とのつながりを大事にすること)しかないのではないか。
・ コミュニケーションの基本は家庭、家族。女性の社会進出の必要性が言われるが、お母さんは家にいた方がいいと思う(注:女性の方の意見です)。
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 もとより幅広いテーマで、簡単に解決策や結論を導けるものではありません。なかには発表の途中で論争になるグループもあるなど、盛り上がりました。
 最後に、振り返りの沈黙の時間。1分間は短いようで長く、各自、様々な意見や自分が感じたこと等を反芻することができたようです。
 堀内先生からは、「これからも無理のないかたちで継続していきたい、今回は限られたメンバーに声をかけて開催したが、次回は公開のイベントとして企画したい」等の話があり、この日の会合はお開きに。
 後日、ファシリテータのまこちゃんさんのFBには、
 「食の持つ力は素晴らしい。正反対の意見を持つ人同士が、食べ物片手に丁寧に説明し合い、丁寧に聴き合っている。できれば、この素晴らしい時間をもっともっと長くとりたかったのだが….」との投稿がありました。
 2回目は4月下旬を目途に計画中です。さらに様々な意見交換ができることを楽しみにしています。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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