IJU cafe in 東京

 2014年6月28日(土)、東京地方は朝から雨です。なかなか畑仕事ができません。
 午後から品川へ。久しぶりに京急・北品川から旧東海道を品川商店街を歩きます。
 マルダイ大塚好雄商店に立ち寄りました。
 熱心に江戸東京野菜の普及に取り組んでおられるご主人と、店先で立ち話。寺島茄子があればと思ったのですが、先日のヒョウで主産地・三鷹の産地が被害を受け、入荷は途切れているそうです。 
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 品川宿交流館へ。観光案内所、ギャラリー等を兼ねた無料休憩所です。
 軒先に「看板娘」の方が、チラシを持って待っていて下さいました。
 この日14時から4階の会議室で開催されたのは、IJU cafe in 東京 <そうだ!田舎へ行こう!>」と題したイベント。
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 鳥取に移住(IJUターン)した来た人たちが “cafe のように気軽に話し繋がるこができる場所をつくろう” をコンセプトにしているコミュニケーションプロジェクト「IJUcafe」と、東京で都会と田舎をconnectする(つなぐ)する活動をしている2つの団体がコラボし、都会から地方への移住の課題と可能性について語ろうというイベントです。
 グリーンスマイルの今中徹也さんの進行の下、まず、主催者である「リアルマック realmac」代表の福井恒美さんから開会挨拶。
 ちなみに「Iターン」とは都会から出身地以外の地方に移住すること、「Jターン」とは出身地への中間点に移住すること、「Uターン」とは故郷に戻ること。
 頭文字を並べると「IJU」(いじゅう)となります。
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 続いて各団体からの活動紹介。
 まず、「IJUcafe東京」の増子夕香さん(黒川豆さん)。
 福井さんが主宰されている「IJUcafe」の東京でのチーム「IJUcafe東京」で、交流会や農業体験会等の活動をされているそうです。若い人たちの参加も多く、前代表者はすでに鳥取に移住されたとのこと。
 続いて今中さんから「グリーンスマイル」(グリスマ)の紹介。
 食料自給率を上げるための「東京ゴマ01(ゼロワン)プロジェクト」など、グリスマの多彩なチャレンジについて、ビデオを見ながら紹介がありました。
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 最後に、福井さんから「IJUcafe鳥取」について。
 「移住交流デザイナー」の福井さんは8年前に鳥取にUターンし、新しい価値を創造する社会的なシンクタンク 「リアルマック」(リアルな「Movement Association Concept」の意)を立ち上げ、鳥取県への移住者をサポートするなど、田舎暮らしや移住に関する活動(移住カフェ)をされています。
 続いて、福井さんの奥さまを含めてのパネルディスカッション。
 福井さんによると、日本で人口が最も少ない鳥取県は日本一贅沢な県。子育ての環境にも恵まれ、日本で一番人がつながりやすい県だそうです。
 国の「地域おこし協力隊」事業や県とも連携し、地域コミュニティづくりや農産物のブランド化等にも取り組んでおられるとのこと。多彩なスキルのある移住者の受け入れは、地域の活性化にもつながるそうです。
 福井さんの奥様は長崎出身で、ご主人の故郷・鳥取にJターン。
 裏口から泥つき野菜を持ってくる田舎の生活の豊かさを実感し、自然食のお店を始められ、自然と調和した暮らし方の「学び舎」等の活動をされているそうです。
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 パネリストの皆さんの話を受け、後半は4つのグループに分かれてのワークショップです。
 私は増子さんのグループに参加。
 増子さんは新潟・旧黒川村(現胎内市)の出身、「黒川豆」というペンネームでライターをされている方です。
 メンバーは、鳥取出身のシンガーソングライター・Hacto(白兎)さん(後出)。
 両親が鳥取出身という埼玉在住の主婦の方は内部被ばくの問題に取り組んでおられ、移住を考えておられるとのこと。
 ふるさと鳥取県定住機構で田舎暮らしコーディネーターをされている方。
 品川在住の女性は、長野県に通われて都会と田舎のそれぞれの良さを実感されているそうです。
 自己紹介に続き、「移住先での働き方け」について意見交換。
 それぞれ思いついたことを付せんに書き出し、模造紙に貼っていきます。豆さんが手際よくまとめていきます。
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 その後、各グループから発表。
 私のグループからは、農林業(半農半X)、6次産業化や旅行者の受け入れ、ラクダの飼育と観光資源化、羊を飼ってウールを作る、ITを活用したネットショップ等のアイディアについて報告。
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140628_12_convert_20140630070420.png 他には、都会では様々な人と出会えるチャンスが多く、情報量もマーケットも大きい。都会の魅力も捨てがたい。デパ地下も楽しい。
 その一方で、子育て(待機児童の問題)や福祉の面を考えると、地方の方が住みやすい。裏の畑でとれる野菜の魅力は格別、等の意見も。
 さらには、都会から、あるいは地方から出たことのない人は、それぞれの魅力が分からないのでは、といった意見も出されました。
 話し合いの後半には、鳥取名産のメロン、アゴ竹輪を出して下さいました。ご馳走さまでした。
 会の最後にサプライズ企画。
 何と、シンガーソングライターのHacto(白兎)さんによるミニコンサートです。
140628_13_convert_20140630070449.png 被災地に何度も通われているHactoさんが自らギターを弾きながら歌って下さった自作の歌は、現在も漁業が復興していない海の汚染に苦しむ相馬市を舞台にした『ガッツポーズ』という歌。
 「いつの日かこの街が蘇る日まで、相馬の誇りを胸に、負けてたまるか。魚で活気溢れる街に戻った時には、空にいる君に両手を挙げてガッツポーズ決めるさ」といった歌詞です。
 いささか騒がしかった小さな男の子も、Hactoさんの歌の間だけは大人しく聞き入っていました。Hactoさんの語りかけるような歌声は、小さな子どもの心にも響いたようです。
 最後に福井さんから、
 「日本はそんなに広くないけれども、会ってみて気づくこともある。都会も田舎も心はひとつ。コミュニティが大切」との挨拶で17時過ぎに会は終了。
 引き続き、新馬場駅近くの居酒屋での交流会。福井さんご夫妻も参加して下さいました。
 なお、ここの若きオーナーもグリーンスマイルの活動に参加・協力して下さっています。
 鳥取では色々と面白いことをやっているらしい、ということは以前から豆さん達から聞いていましたが、直接お話を伺うこができ、全国的にみてもユニークな「IJU cafe」の取組は強く印象に残りました。
 人口減少社会が本格化し、全国の自治体の半数が消滅の危機にあるとも言われているなか、都会から田舎への移住を進めることは、間違いなく喫緊の課題です。
 しかし、そもそもは、現在も続く田舎から都会への人口移動(特に東京圏への一極集中)の流れを変え、都会も田舎もない、バランスのとれた国土づくりを目指していくことが必要です。
 そのような理想的な社会に向けて、「IJU cafe」やグリーンスマイルの活動がますます発展していくことを期待したいと思います。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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