大山千枚田に行ってきました!

 2014年7月19日(土)、3連休の初日はポツリポツリと小雨模様です。
 ゴマ仲間の「こじまん」さんに誘っていただき、念願の千葉・鴨川の大山千枚田に行くことになりました。初めてです。
 大山千枚田とは、房総半島の山間部にある約4ヘクタールの急傾斜地にある大小400枚ほどの棚田で、県指定名勝、棚田百選にも選ばれている「都心から最も近い棚田」です。
 ここを何より有名にしているのは、1997年に地元の方たちにより設立された大山千枚田保存会(2003年NPO法人格を取得)が主体となって、行政とも連携し、都市農村交流活動に積極的に取り組んでいることです。
 その内容は、例えば「My田んぼ」の耕作権と収穫物を得られる棚田オーナー制度、すべての稲作を共同作業で行いう棚田トラスト制度、酒づくりオーナー制度、古民家の改修など家作り体験塾など多彩です。
 この日は朝8時にJR川崎駅前に集合、好青年「店長さん」の車に5人で同乗させて頂きました。
 雨模様のせいか、アクアライン(これも私は初めて)は渋滞もなく、一部、山崩れで迂回したものの、10時前に現地に到着。
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 棚田に向かう前に、「みんなみの里」に立ち寄り。「ちばエコ農産物」や「千産千消」と書かれた看板が掲げられています。早い時間でないと、野菜など売り切れてしまうそうです。
 直売施設だけではなく、レストランや展示スペース等もあります。駐車場脇にはザリガニの釣り堀も。 
 看板を目印に県道を左折し山道を登り始めると、木の間から棚田が見えてきました。眺望が開け、駐車場に到着。満車です。観光バスも横づけされていました。
 広々とした光景。田んぼの中には、子ども連れの家族等がたくさん来ているのが見えます。
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 到着した田んぼは199平米、細長く曲がったような形です。
 ここは、新しいローカリズムを生み出すポータルサイト『地元びいき』の名義で借り、読者の方々が参加できる米づくりイベントを開催しているそうです。
 この日集まったのは、小さな子ども、ドイツ、ニュージーランドや韓国の方(国際交流のNPOをされている方の紹介)など20名ほど。
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 傾斜地にあるため、上下の田んぼとの間は広い畔(あぜ)で区切られており、雑草が生い茂っています。ここの草取りが、この日の主な作業です。
 広いところは地元NPOの方が草刈り機で刈ってくれるのですが、田んぼの周りは鎌を使っての手作業です。
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 思い思いに分かれて作業開始。たまにポツリときます。日射しはないものの蒸し暑い。
 外国人の方には日本の田んぼは珍しいようで、興味深そうに一緒に草刈りをします。小学生低学年の女の子は率先して田んぼに入って喜んで草取りのお手伝い。
 田んぼの土はドロドロで、足を入れると深く沈みます。ここは天水(雨水)のみで耕作されているため、中干し(水抜き)はできないのかも知れません。
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 今年はいもち病もほとんど出ず、生育は順調とのこと。稲には穂が出て、小さな白い花が咲いています。
 畔には色鮮やかな花をつけている野草も。多くは刈ってしまいましたが。
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 田んぼの中には小さなイモリ。テントウムシ、ジョロウグモ、シャクガの仲間。カミキリムシやカタツムリもいました。
 生物多様性の宝庫です。
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 12時過ぎに作業は終了。何とか天気は保ちました。
 山道を登っていくと、さらに広く眺望が開けてきました。棚田の一面一面が波のように重なり、緑色の稲が風にそよいでいます。
 2010年秋に訪問された陛下の歌碑もありました。
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140719_9_convert_20140720101850.png 「収穫期には一面黄金色になるんですよ」。
 『地元びいき』代表のフジコさんの言葉に、その光景を想像しただけで胸が詰まりそうになりました。
 さらに道を登ると、途中、移築中の古民家が見えました。来夏には古民家レストランとして開業予定だそうです。
 そのすぐ上にあるのが「棚田倶楽部」の建物。
 ここで水道をお借りして長靴や農具を洗い、更衣室で着替え。お湯の出るシャワーも完備されています。快適です。
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 こじまんさんは、地元の方に鎌の研ぎ方を教わっていました。
 そして昼食は、屋外のテントの下で「棚田カレー」。ご飯が棚田の形に盛られ、サラダやスイカが添えられています。農作業の後に、自然の中で大勢で頂くカレーは、何にも例え難い美味しさです。
 
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 昼食後は、歩いて10分ほどの農家民宿「五郎兵ヱ」さんへ。
 国際交流の外国人の方たちは今夜はここに宿泊予定で、その前にジャム作り体験等をされるというので見学にお邪魔したのです。
 築180年の住宅の前で、柴崎さんご夫妻が出迎えて下さいました。
 庭先からは素晴らしい眺望が望めます。緑の中に、鮮やかな黄色いミカンの実やピンクのネムノキの花が見えます。
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 山道を下り、ジャムやオレンジピールの材料となる夏ミカンを収穫。生もまま頂く甘夏も。好きなだけ穫っていいよ、と奥さまは言って下さいます。
 ヤギのメエ子が出迎えてくれました。ちなみにフジコさんは、ヤギの鳴き声をまねるのも上手です。
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 穫ってきた夏ミカンは、ピラーで表面を削いだ後に皮をむき、皮の方を鍋で煮ます。煮て、水にさらし、という作業を何度か繰り返し柔らかくして、さらに砂糖で煮込んで乾燥させるとオレンジピールの出来上がりだそうです。
 果肉の方は、絞ってジャムの材料に。
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 この間、子ども達は歓声を上げて広い庭を走り回っていました(しのすけ師匠、わざとジャンケンを負けたり、お相手お疲れさまでした)。
 ところが15時を過ぎる頃から雨が落ちてきたと思うと、やがて本降りに。
 母屋に入ってお餅をご馳走になりました。
 その後、外国人グループの方たちは「太巻き祭り寿司」づくり体験へ。切ると断面が花の絵柄や文字が表れるという郷土料理です。
 外国人の方たちも興味深そうに、教えられながら海苔でご飯を巻いていました。
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 雨は止むどころか、雷も鳴り、ますます強くなります。
 「店長さん」が2往復して、下の駐車場から車を運んで来てくれました。柴崎さんご夫妻にお礼を言って民宿を後に。
 棚田の風景は雨で一変、雲とモヤが立ち込めています。これはこれで、幻想的で美しい光景です。
 帰りの道路も順調。「海ほたる」で休憩して名物のアサリ塩ラーメンを頂きました。
 19時頃に川崎駅前に到着。 「店長さん」、雨の中の運転、お疲れさまでした(後の4人は爆睡していました)。
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 4人で駅前の居酒屋で反省(?)会。
 棚田で獲れたお米で「五郎兵ヱ」で食事会ができれば楽しいね、東京・檜原村のゴマを使ったおむすびも作りたいね、等々と盛り上がった次第。
 今から稲刈りが楽しみです。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
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