資本主義は「終焉」するのか-第3回「脱成長」ミーティング-

 2014年8月10日(日)。
 関東にも台風11号の影響が本格的に出てきて、未明からものすごい雨と風。昼頃、断続的になった風雨の間隙を縫って都心に向かいました。
140810_1_convert_20140812084344.png この日、どうしても参加したかったのは、14時から江戸川橋のピープルズ・プラン研究所で開催された第3回「脱成長ミーティング」。
 「脱成長」をテーマにした非公式の勉強会です。
 前回の6月15日(日)、関根佳恵先生(愛知学院大学)から家族農業に関する講演(多くの示唆に富む内容でした。)をお聞きしたのに続いての参加です。
 10名ほどの参加、ピープルズ・プラン研究所の白川真澄さんの司会により開会。
 この日のテーマは「資本主義はもはや経済成長できないのか」。
 経済学専攻の大学の先生から、「資本主義は『終わる』のか?-『資本主義の終焉と歴史の危機』を読んで-」というタイトルで論点整理と問題提起がなされました。
140810_4_convert_20140812084502.png 『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社新書)とは、元証券エコノミストで経済学者の水野和夫氏の著作。
 世界史上まれな長期にわたる利子率の低下は、投資機会が消滅し資本主義システムは終焉しつつある証であり、歴史は大転換期を迎えつつあるといった内容で、ベストセラーになっています。
 先生からは、世界的には資本収益率は常に経済成長率を上回っているという分析もあること、「フロンティアの消滅」は歴史上何度も経験してきたことであり、今後もイノベーションの可能性は否定できない、等の指摘がありました。
 その上で、「脱成長」の論調には共感はするものの、資本主義は自動的に「終わる」ものか、むしろ来るべき「脱成長」社会を構想するためには運動論や理論武装(担い手のあり方等)が必要ではないか、「持続可能な成長」路線では何が足らないのか、等の幅広い論点が提起されました。
 報告を受け、参加者から様々な感想や意見が出されました。
 まず、資本主義の「終焉」については、
 「マルクスの頃から、狼少年のようにずっと資本主義は終わる、と言われてきた」
 「ロシアやイスラム圏など、資本主義にとってのフロンティアはまだまだあるのではないか」
 「中国が平等化して内需が高まればマーケットはまだまだ広がる。ただ、その時に地球の資源がもつかどうか」
 「戦争することによって資本主義は延命を図るのではないか」等の意見。
140810_2_convert_20140812084419.png
 今後の「脱成長」社会の姿に関連して、
 「地域で自給できるエネルギーと食料の範囲で暮らしていくことを目指していくべき」
 「ローカルな流通の素晴らしさ(健康や環境面を含め)に気づく消費者が一定割合になればの流通も少しずつ変わっていくのではないか。儲けたい人や企業がいてもいい。多様性を前提に選択肢を増やしていく取組みを続けたい。ダウンシフトし、足元から変えていくしかない」等の意見。
 また、「脱成長」社会の担い手については、
 「脱成長の担い手は、すでにローカルな中にたくさん出てきているのではないか」
 「協同組合や連帯経済の役割を見直すべきではないか。アメリカのCSAも起源は日本の産消提携運動」等の指摘。
 さらには、基礎自治体の規模、医療費、「金融国家化」と国際連帯税等についても、様々な議論と意見交換が交わされました。
 正直、私にはついていけない部分も多々あり、勉強不足を痛感します。
 「脱成長」という言葉は、使う人によってニュアンスは異なりますが、いずれにしても現在の資本主義システムが多くの課題を抱えていることは事実です。
 (このブログを執筆している8月13日、4~6月GDPが年率6.8%減とのニュースが飛び込んできました。)
 このミーティング、次回は2ヶ月後位を目途に開催することとなりました。どのような成果につながっていくか楽しみです。
140810_3_convert_20140812084441.png
 17時過ぎに終了した時は雨は落ちていなかったのですが、京急・新馬場駅に着いた時は、ものすごい豪雨と強風。通りの向こう側の品川神社も霞むほどです。
 品川マルシェや東京ゴマ01プロジェクトなどグリーンスマイルの活動の起点と拠点になってきた「けんちゃん」さん経営の居酒屋が、事情があっていったん閉店することとなったのです。
140810_5_convert_20140812084522.png
 最終日も、グリーンスマイルのメンバーが集まり、閉店近くまで楽しみました(馬さん、山梨からもぎたてのトウモロコシ、美味しかったです。ご馳走様でした)。
 歌手でもある「けんちゃん」さんの、今後の新たな展開に期待しています。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
(↓ランキングに参加しています。よろしかったらクリックして下さい。)

人気ブログランキングへ