結イレブン「ふくしま、しんじゅく つぎの一歩」

 2015年1月11日(日)は、江戸川橋での脱成長ミーティング・公開研究会に参加した後は新宿へ。
 東日本大震災を忘れないようにと、毎月11日、新宿と福島を結ぶカフェイベント「結(ゆい)イレブン」が継続的に開催されています。
 2015年の初回は、新春特別企画として「ふくしま・しんじゅく つぎの一歩~食×農~」 と題して開催されました。
 ふだんは、新宿区議の根本二郎さんがオーナーをされている「小料理・結」(富久町)で開催されることが多いのですが、今回は参加者が多いこともあり、「結」からほど近いA SEED JAPANの事務所で開催。
 A SEED JAPANとは、青年による環境と開発と協力と平等のための国際行動を目的とする国際青年環境NGOです。
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 会場は住宅街の路地を進んだところにあるビルの1階。すでに多くの方が集まっています。
 19時を回り、主催者の鈴木亮さんの進行により開会。
 鈴木さんは A SEED JAPAN 理事、すずめの未来市(みらいち)主宰で、東日本大震災支援全国ネットワーク・福島担当として、現在は福島にお住まいの方です。
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 まずは、参加者からの自己紹介。
 根本二郎さん(新宿区議)は福島・いわきのご出身。新宿と被災地をつなぐ拠点として「結」をオープン、毎月11日の「結イレブン」の主催者のお一人です。
 その根本さんのつながりで、新宿区内を中心に様々な活動をされている方達(障がい者や福島からの避難者を支援されている方、ベランダ菜園や内藤唐辛子の栽培に取り組んでおられる方等)も、この日は多数お見えでした。
 根本さんが代表をされているNPO法人 元気になろう福島からも、本田紀生事務局長を始め、福島からも何人かの方が参加。
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 ほかに、ゼミの一環として福島に通っておられる大学の先生と学生さん。
 世界の貧困問題に取り組む国際NGOの関係の方、出版関係の方、公務員なども。
 多くの若いボランティアの方達も参加され、キッチンでは料理を進めて下さっているようです。
 続いて、西島香織さん(A SEED JAPAN 事務局長)から、震災以降これまでの活動報告。
 有志で、アースデイでの展示、被災地の農産物販売等の支援活動を続けてきた状況について説明がありました。
 「支援ではなく、一緒に未来を創っていきたい」という気持ちで、今年も活動を続けていかれるそうです。
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 この日は特別ゲストとして、福島・二本松から、菅野瑞穂(すげの・みずほ)さんが、お母さまのまゆみさんとともに参加されました。
 東京の大学卒業後、地元(二本松・東和地区)に戻り就農した翌年に東日本大震災と原発事故が発生。
 いわゆる風評被害が広がるなか、福島の農業の現状を都会の消費者等に知ってもらいたいと、「きぼうのたねカンパニー株式会社」を設立・起業し、「人と自然をつなぐ体験」ワークショップや農産物販売、農家民宿等の活動に取り組んでおられる方です。
 大手旅行代理店とタイアップしたツアーは、若い女性の参加者等で毎回、満員とのこと。この日の昼は、これまでの参加者の皆さんたちとの「同窓会」で盛り上がったそうです。
 瑞穂さんは、
 「東京で交流や販売の拠点があることは嬉しい。食べてもらうことで伝えられるものがあり、つながることもできる。体験ワークショップについては、参加者を増やすのではなく、より満足して頂けるものになるよう、質を高めていく方向で取り組んでいきたい」等と話されていました。
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 お母さまのまゆみさんは、福島県指導農業士で、ご自宅の農業と餅加工等のほか、NPO法人ゆうきの里東和 ふるさとづくり協議会の役員として、地域づくりの活動にも積極的に取り組んでおられます。
 (瑞穂さんのお父さま・菅野正寿さんは福島県有機農業ネットワークの理事長です。)
 お二人から頂いたお洒落な名刺には、「たねをまくことは、命をつなぐこと。」という言葉が印刷されていました。
 後半は、スタッフの皆さんの手による料理と、福島の地酒等を頂きながらの交流会。
 「結」の厨房も手伝って下さっていた女性のOさんは、炊き込みご飯と卵焼きを差し入れて下さいました。
 福島・いわき出身のOさんは、これまで定期的に被災地を訪ね、農産物や加工品が売れないと涙を流す人たち等との交流を続けてこられた方。
 この6月頃には、同・川内村にオープンする施設のケアマネージャーとして移住されることを決意されたそうです。
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 今後のイベントの予定等について、参加者の皆さんから情報提供や意見交換。
 ゼミ活動の一環として瑞穂さんの農場を何度も訪問されている大学1年生の女性は、
 「地元の方たちと交流して、厳しい中で地域づくりに取り組んでいることを知った。学生として何ができるかと考え、同じ学生に、地元の方たちの悲しみと温かさを伝えていくためのイベントを企画したい」、とのこと。
 また、4月18日(土)、19日(日)に代々木公園で開催される「アースデイ東京2015」では、この日の参加者の間で連携してブース出展等が実現しそうです。
 根本二郎さんからは、大震災から4周年目となる3月11日(水)に「結イレブン」拡大版として「東日本大震災を忘れない3.11の集い」を開催することについて案内を頂きました。
 18時45分から20時45分まで、会場は新宿文化センターの小ホールです。映画『みんな生きている』(秀嶋賢人監督)の上映、被災地の方からの現地報告、首都直下地震への備えについての講演等予定されているそうです。
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 鈴木亮さんは、
 「これまで活動を続けてきたことで、一般の人に農産物を売っていくことが簡単ではないことも学んだ。単純に食べることで支援しようと訴えるのではなく、ちゃんと検査されたものを、きちんと選択して食べる人を増やしていきたい。
 そのためには、縁のある人どうし、顔の見える者同士がつながっていくことが必要。そのことが、自分が住む地域と関わっていくことにもつながる」 と話されました。 
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 あっという間に時間が過ぎ、気がつくと21時近く。
 昼間は特別支援学級の教員をされつつ、 A SEED JAPAN の活動にボランティアで参加されているという女性の音頭で、締めの乾杯。
 2015年も、それぞれの思いを込めて、それぞれの場所で、都会と被災地をつながる活動がスタートし始めています。心強く、温かい気持ちを頂いた一日でした。
 さて、私自身はどのように今年一年、被災地との関係の中で過ごしていくのか。まだ具体的なイメージはありません。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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