ご近所ラボ新橋「オープン・ラボ2015」

 2015年5月9日(土)。朝から細かな雨が落ちています。待望の雨!
 と思いきや、ほどなく上がり、畑に行ってみるとお湿り程度。残念。
150509_1_convert_20150510092450.jpg お昼は、柳久保ラーメン。
 柳久保小麦とは、東京・東久留米市の在来種。ほとんど栽培されなくなっていたのを、近年、地元の有志生産者や商工会の方たちが復活・普及の取組をされています。
 うどん等は元々ありましたが、新製品がこの柳久保ラーメン。昔ながらの「中華そば」の風味です。
 たっぷりの野菜と、先日、埼玉・小川町で求めてきた笹沼農園の卵をのっけて頂きました。
 東京・丸の内へ。
 丸の内オアゾ1F ○○広場(おおひろば)で2日間、「東北応援ビレッジ2015~もっとツナガリあうことで、これからの東北を支えたい~」というイベントが開催されています。
 主催は、東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)。
 被災者・避難者への支援活動に携わる様々な団体(NPO、企業、ボランティアグループ、当事者のグループ等)からなる全国規模の連絡組織です。
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 JCNの「よろず相談コーナー」が設けられ、高田松原を表現したししゅう作品の展示、岩手・宮城・福島の地元物産品や手作り品の販売のほか、コンサート等も予定されているとのこと。
 中央のステージには、各県からの出展者の皆さんによるスピーチ。
 ご当地ゆるキャラも登場です。
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 オープン直後でしたが、多くの人たちで賑わっています。
 ボランティアの専門学校の学生さんが木の葉のかたちをしたカードを配っていました。これに応援メッセージを書き込み、ステージ上の「応援の樹」に貼って緑でいっぱいにしようという仕組みです。
 福島・古殿町の凍み餅、二本松のパック入り雑穀ご飯、宮城・女川のとうがらし等を求めさせて頂きました。 
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 都営地下鉄で大手町から御成門へ。
 新橋6丁目にあるのが、きらきらプラザ新橋です。建て替えられて2年目の新しい港区の施設です。
 入口には、ご近所ラボ新橋「オープン・ラボ2015」の看板。
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 ご近所ラボ新橋とは、「ご近所イノベーション」の様々なアイデアや想いを形にしていくラボ。港区芝地区総合支所と慶應義塾大学が共同で運営しています。
 その活動が2年目に入り、リニューアルされることを祝して「オープン・ラボ2015」が開催されました。
 最初に、港区総合支所の課長さんから、
 「この地区の昼間人口は夜間の10倍以上。防災面を含め、多くの人たちのアイディアを地域づくりに活かしていけないか、人と人の輪を拡げていけないかと、試行錯誤的に始めた」との挨拶。
 慶應大・坂倉杏介先生からは、
 「2008年から行政との連携プロジェクトのなかで「芝の家」等を運営してきた。場(空間)づくりだけではなく人材養成(ご近所イノベータ養成講座)にも取り組んできた。
 どうやってみんなで一緒に地域のことを考えていくか。都心部ながら人口3万人の小さな地域から、価値創造型の街づくりを進めていくための、小さな思いつきを実践する実験の場としたい」との説明。
 続いて、長津結一郎先生(慶應大、多様性と境界に関する対話と表現の研究所)から、
 「2年目に入り施設もリニューアル。人と交流し実際にやってみることで学べることが多い。一緒に作業できる場所として最大限活用していきたい」など、等の紹介。
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 続いて、各曜日の「マスター」の方たちの紹介とトーク。
 これから曜日毎に担当を決めて、特色ある取組を進めていくことになっているそうです。
 なお、これらは固定されているものではなく、多くの方に参加してもらいたいとのこと。
 月曜日の「ご近所ダイバーシティ・ラボ」のマスターは長津結一郎先生。
 障がいのある方、セクシュアル・マイノリティーの方など、多様な方たちの小さな声を繋いでいく活動をしていきたい。まずは、この地区の多様性を探すことから始めたい、と述べられました。
 火曜日は「ひるラボ」。
 ご自身もコミュニティカフェを運営されているという女性は、お昼におにぎりランチ会を開催し、地域のおばあちゃん、OL、サラリーマンなど誰でも参加できる場としたい、とのこと。
 水曜日は「対話ラボ」。
 マスターの1人は「共奏キッチン♪」でもお馴染みのたかったー氏。「最近どうですか」といった対話からどのように人を繋げていけるか、実験していきたいそうです。
 木曜日は「クリエイティブ・リユース」。
 芝の家のスタッフもされているという女性は、ボタンや紐などを捨てずに持ち寄り、何かを作る手しごとをしたいとのこと。
 さらに、劇団員でもあるという事務局の女性も紹介されました。
 6月には新宿で公演が予定されているそうです。
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 引き続き、施設内を見学させて頂きました。
 4階には、50人規模が入れる教室。貸し会議室ではなく、ご近所ラボ新橋としての企画を持ち込み実現すれば、使わせて頂けるそうです。
 そして何と、屋上には菜園。タマネギやえんどう豆など様々な野菜が栽培されています。
 ちなみに、この日のスタッフの昼食の食材にも使われたとのこと。東京のど真ん中・港区新橋で野菜の一部が自給されているのです。 
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 1階に戻り、参加者全員によるトークセッション。
 水曜の「対話ラボ」マスターのみずかさんとオッティーさんが進行役。
 最初に簡単なルールの説明。
 4~5人で段ボールの丸い板(円卓ん)を膝に乗せて囲み、あるテーマについて自分の考えや経験を話すのてすか、人から聞いた話などはNG、聞く時は相手を受け止める姿勢で。
 時間がくると進行役は黙って手をあげるので、気付いた人から話をやめ、同じように手を上げるように、と(いいアイディアです)。
 まずは、自己紹介とここに来た理由(期待)から。年齢も性別も様々な方たち。まさに多様性。 
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 そして本論のテーマは「あなたがご近所的なつながりを感じるのはどんな時ですか」。
 なかなか難しいテーマです。
 都心のマンションに住んでいる方など、近所づきあいが無い人がほとんどのようです。引っ越した際にタオルを持って挨拶に行ったのに誰にも会えず、やむなく郵便受けに入れてきたものの反応なし、など。
 一方で、3.11の地震の際(妊娠中だったとのこと)、隣家の方が心配して声を掛けてくれて心強かった、という話も。
 最後にグループごとに発表しました。
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 16時30分を回ってイベントは終了し、引き続き懇親会。
 飲み物や食べ物が入ると、初めてお会いした方、旧知の方とも、さらに話が弾みます。
 同じグループになった女性が「ご近所的なつながりを感じる時」として話されたのが、食べもののお裾分け。
 地方にいた時は当たり前だったのが、都会ではあまりなくなった。それでも、実家から食べものを送ってきてくれた時にはご近所に分けているとのこと。送ってくる実家の方も、お裾分けを前提に多くの量を送ってくるそうです。
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 コミュニケーションにおける「食」の大きな役割は、様々な研究や共奏キッチン♪における実践でも明らかですが、改めて実感できた気がしました(この辺りの結論は、やや牽強付会ですか)。
 さて、ご近所ラボ新橋では、このように新たな実験の数々が始まります。
 興味・関心を持たれた方、お時間があれば、ふらっと足を運んでみませんか。そこには誰かがいて、歓迎してくれて、その交流の中から何かが始まるかもしれません。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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