CSまちデザイン主催「会津・山都を丸ごと味わう」(2)

 2015年7月19日(日)。
 NPO法人CSまちデザイン主催「福島ツアー 会津・山都を丸ごと味わう」の2日目の朝です。
 雨は上がっています。町の中をしばし散歩。
 阿賀川にかかる橋の上からは、JR常磐線の一ノ戸川橋梁が望めます。1910年に架けられたそうで、「撮り鉄」の人たちには有名なスポットだそうです。
 福岡県にある宗像大社の分社です。この地が古くから全国的な交通の要衝だったことが伺えます。
 蔵などが建ち並ぶ街中には、まちあるきの休憩スペースなども整備されていました。
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 7時から朝食(少々、遅刻。スミマセン)。地元の豆腐屋さんの揚げ豆腐、浅見さんの大豆から作った納豆等を頂き、荷物は預かってもらって山都駅へ。
 今はひなびたローカル線の駅ですが、待避線が2本もあり(廃線となっています)、ホーム脇には明治42年に造られたという煉瓦造りの油保管庫が保存されています(近代化産業遺産として登録されているそうです)。
 定刻8時12分発から少々遅れてきたJR磐越西線・会津若松行で喜多方へ。
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 喜多方駅で出迎えて下さったのは、会津電力(株)と、(一社)会津自然エネルギー機構(注:リンク先は音が出ます。)の3人の方。
 3台の車に分乗させて頂き、市街地を抜け、磐梯山の山裾を雄国沼の方向に登っていきます。
 次第に眺望が広がる中、到着したところが会津電力(株)の雄国太陽光発電所
 会津地域初のメガソーラー発電所で、多くのパネルが一定の傾斜を保って並んでいます。
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 併置されている再生可能エネルギー体験学習施設「雄国大學」へ。
 木造の気持ちのいいセミナー室で、まず、会津自然エネルギー機構の二瓶 厚 副理事長から、機構の取組の概要について説明を頂きました。
 エネルギーの自治に向けて、里山保全と木質バイオマス技術者(木こり)の養成(山の学校)、自然エネルギーの学習会等に取り組んでおられるとのこと。二瓶さんはオーストリアなど先進地視察もされているそうです。
 
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 10時過ぎには会津電力(株)の佐藤彌右衛門代表が到着。予定を上回る1時間以上、講話を頂きました。
 本業は造り酒屋(大和川酒造店会長)という佐藤代表、原発事故が起こった時は、会津の穀倉地帯も9代225年にわたる酒造会社もこれで終わりかと頭にきたとのこと。その一方で、会津地方には豊かなエネルギー源があることに気付き、顔の見えるエネルギーの供給に取り組むことを決意されたそうです。
 そして2013年8月、自然エネルギーを利用した発電事業等を行う会津電力(株)を設立。
 2014年10月に稼働を始めた雄国太陽光発電所(発電設備容量:1MW)を始め、地域分散型の太陽光、小水力、バイオマス発電とエネルギーの供給事業等に取り組んでおられるとのこと。
 また、市民ファンドを設立して全国から1億円近い出資を頂いたそうです。
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 「会津の力を結集し、地域の自立を進展させる。社会は自分たちの手で変えることができるという実感を子ども達に伝えていきたい」等と、熱意を込めて訴えられました。
 車に分乗して市内に戻ります。
 ちょうど喜多方レトロ横丁と銘打ったイベントが開催中だそうで、人と車で大混雑。
 そのような中、到着したのが食堂つきとおひさま。古民家を改装したカフェで、店先では包丁なども販売されています。「出張研ぎ師」の姿も。
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 木造家屋のほっこりとした空間で、「旬のおかず定食」を頂きました。
 雑穀ご飯に、プレートには沢山のおかずが少しずつ。小鉢には麻婆豆腐。優しい味です。
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 すぐ近くの大和川酒造店へ。
 売店の中には、仕込みに使っているという飯豊山の伏流水が流れていました。
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 思い思いに買い物などした後、車は山都町に向かいます。国道459線沿いに幟が立てられていました。
 ここが「あいかわ百姓市」の会場です。
 毎週日曜日、浅見さんの「ひぐらし農園」など4組の農家がメインに出店されているそうです。
 会津地方の伝統野菜である会津丸茄子、庄右衛門インゲン等のほか、鶴くびズッキーニ、ベネチアで生まれた黄色いモロッコインゲンなども。
 移住就農された若い男性が、海外から珍しい野菜の種を取り寄せて自家採種し栽培されているそうです。
 
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 この日は、百姓市となりのテントでミニライブも行われました。
 ユリシア(福島・郡山市)と、THE CHESS(東京)というグループです。この頃からすっかり夏の日差しとなりましたが、暑い中での熱演です。
 浅見さんによると、震災後、このように音楽を通じた支援やネットワークの輪が広がっているとのこと。
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 浅見さんの奥様に、すぐ近くに美味しいパン屋さんがあると教えてもらったので、ライブの合間に足を運んでみました。
150718_25_convert_20150723020704.jpg ごく普通の民家に見える建物の前に「天然酵母パンと焼き菓子の店・食工房」という小さな看板。
 国産小麦など原材料にもこだわった店だそうです。オーナーの女性は、福島・浜通りの川内村からこの地に移住されてきたとのこと(震災よりずっと以前のことだそうです)。
 チーズのパンと玉ねぎパンを求めさせて頂きました。
 翌朝に頂きましたが、美味しいだけではなく、しっかりとボリュームがあり食べ応えのあるパンでした。
 ライブ終了後、茶房 千に移動。
 預けてあった荷物を受け取り、オーナーの秋葉さんと地域おこし協力隊で来られている藤島さんにお礼とお別れの挨拶。わずか1泊しただけですか、懐かしく住み慣れたわが家から旅立つような錯覚を覚えます。
150718_26_convert_20150723020730.jpg 浅見さんと大友さんに駅まで送って頂きました。
 最後まで、大変、お世話になりました。本木上堰など山都町の風景はしっかりと胸に刻まれました。
 再訪を約束し、ここでお2人ともお別れ。
 一行は、15:40発のJR磐越西線で山都町を後に。
 沿線にカメラを抱えた大勢の人がいると思ったら、喜多方駅でSLばんえつ物語号とすれ違い。
 汽笛一声、懐かしいような石炭の臭いがこちらの車両内にも漂ってきました。
 
 【ご参考】
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