仙台から常磐線と代行バスで相馬市に入った翌日、2015年7月25日 (土)。
バイキングの朝食を終えてホテル周辺を散策（2013年開業の気持ちのいい宿でした）。今にも雨が落ちてきそうです。
車に分乗させて頂き、相馬市役所近くの駐車場から徒歩で中村城址 (相馬中村神社)へ。相馬氏6万石の居城があったところてす。
行列が出てくるまでは小1時間ほどあるそうですが、時おり雨粒が落ちる中、沿道は観客が鈴なりです。道路上の馬の「落し物」を係りの人が片づけています。
中村神社の境内では出陣式が行われている最中でした。ここもすごい人です。
出陣の宴を終えた一行は広場で騎乗。法螺貝が吹かれ、武者行列のスタートです。
相馬野馬追とは、元々は相馬氏の祖とされる平将門が軍事訓練のために原野の馬を捕らえ神前に奉納したことに由来する国の重要無形民俗文化財。一千余年の歴史を誇るそうです。
一度、来たいと思っていた望みが叶いました。
市役所前に設けられたテントに案内して下さいました。ここなら雨の心配はありません。
先祖伝来の甲胃に身を包み、色とりどりの旗指物を背負った騎馬武者が次々と目の前を通過していきます。壮観です。
中村神社から付き添うこの行列は、この地域（宇多郷）の行列。メイン会場の原ノ町（南相馬市）では、各地からの行列が合流し、さらに人数が増えるそうです。
行列は相馬市内を練り歩いたのち、15kmほど南にある南相馬市・鹿島区へ向かいます。車で先回り。
JAそうま隣の駐車場に北郷本陣が構えられています。ここで、中村から来る総大将を出迎える行事が行われるのだそうです。
テントの下の観覧席でお弁当を頂きました。商工会女性部のロゴが入った綺麗な箸袋が添えられています。
伝令が3度にわたって陣屋との間を往復し、総大将に出陣を請い、本陣への到着予定時間を伝えるという設定のようです。かなりの速度で騎馬武者が駈け、次第に緊張感が高まります。
そしていよいよ、相馬中村神社の御鳳輦とともに総大将の一行が入ってきました。
広場は馬で埋まります。杯を酌み交わしご到着の儀式。
行事の合間には、一時、ロープが解かれて観覧客も会場内に入り、武者の方達と記念写真を撮ることができるようになっています。
さらに10km以上南にある南相馬市・原町区に向かう武者行列と別れ、車はいったん相馬に戻ります。
会場のすぐ近くには仮設住宅が並んでいました。
観光地として有名な松川浦へ。
道路沿いには新しい直売所や飲食店が並んでいます。Nさんが津波被災直後の写真を見せて下さいました。想像ができないほどの壊滅状態です。市場があったらしい場所は更地になっていました。
南相馬に戻ります。市内の道路のあちこちを馬が歩いています。
南相馬ICから、地元の方との交流会が予定されているいわき市に向かいます。
常磐道には、9箇所のモニタリングポスト(線量計) が設置されています。
双葉ICから常磐富岡ICにかけては帰還困難区域内を通過します。最も高いところ(双葉町大字上羽鳥) では、5.1マイクロシーベルト/時（！）と表示されていました。
車窓から眺めると、立派な住宅にはいずれも雨戸が立てられています。一人の人も住んでいません。農地には夏草や灌木が生い茂り、除染作業で出たフレコンバッ グがあちらこちらに積み重ねられています。声を失います。
広野ICが近くなると、線量も大幅に下がり（0.2マイクロシーベルト/時程度）、水田には稲が作付けされています。
見慣れた景色にほっとしました。
この日の宿、サンライズ イン いわきへ。
以前はJR富岡駅前で営業されていたそうですが、避難が続くなかで再開の目途が立たない中、県内で事業を継続したいという経営者の方の強い思いから、昨年8月、このホテルをオープンされたそうです。
駅に近い「夜明け市場」へ。
東日本大震災で被災した飲食店や、いわき復興のためU・Iターンしてきた飲食店により、2011年11月に誕生した商店街とのこと。
いわき市・四倉町（ここも津波の被害が大きかった場所）出身の兄弟が経営されている「和食居酒屋ダイニング KINKA」へ。
カツオの刺身、馬刺しなど美味。先週の会津を思い出しつつ「天明」。締めには揚げ茄子が乗せられた満麦。
明日の野馬追のクライマックスを控え、一次会で切り上げてホテルに戻り、早々に就寝。
【ご参考】
◆ ウェブサイト：フード･マイレージ資料室
◆ メルマガ ：【F. M. Letter】フード･マイレージ資料室 通信
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