図37 外食に対する支出額(都道府県庁所在地)


◆ F.M.豆知識
 食や農について、(特に私たち消費者にとって)ちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるような話題を、毎回こつこつと取り上げていきます。
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 本欄では、ここ数回にわたり、総務省『家計調査』の都道府県庁所在地ごとの支出額を基に、食料の消費パターンの地域的な特徴をみてきました。主食、肉類について、今回は外食を取り上げます。
(主食)
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/35_todoufuken.pdf
(肉類)
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/36_nikurui.pdf

 下のリンク先の図は、2014年における世帯員1人当たりでみた外食への支出額の上位5都市(県庁所在地)を示したものです。
 これによると、一般外食(学校給食を除いた値です。)への支出額が最も多いのは東京都区部で、続いて名古屋、横浜等となっています。
逆に少ないのは(図にはありませんが)青森、鳥取、那覇で、総じて大都市部ほど外食への支出が多い傾向があるようです。

 品目別にみると、さらに地域毎の特徴(あるいは、ちょっと意外なこと)が明らかになってきます。
 例えば、日本そば・うどんの消費額は高松が断トツに多くなっています。さすが、讃岐うどんの本場です。ところが、ちょっと意外なことに、高松はハンバーガーへの支出額も日本一です。うどんという日本型ファストフードが普及している風土と関係があるのでしょうか。

 中華そばの消費額日本一は、山形でした。山形は日本そばのイメージが強いのですが、山形では日本そば屋さんにもラーメンのメニューがあるそうです。

 これもやや意外だったのが、すしの消費額が最も多いのは海無し県・栃木の宇都宮。ふだん家庭で鮮魚を食べる機会や習慣が比較的少ないため、せっかくの外食ならすしを、ということでしょうか(ちなみに宇都宮の生鮮魚介の購入額は全国33位です)。
 飲酒代は、高知が他を引き離してトップです。これは何となく納得できるような。

 さらに全体を通じて、名古屋の健闘(?)が目立ちます。
 前述のとおり、全体(一般外食)でも東京都区部に次いで2位ですが和食・中華・洋食ではトップです(特に中華は他を引き離しています)。喫茶代も断トツで多くなっています。そういえば数年前に自宅近くに名古屋発祥の喫茶チェーンの店舗がオープンしたのですが、いつも盛況のようです。
 名古屋には独特の食文化があり、美味しいものがたくさんあることも、外食支出の多さにも現れているのかもしれません。

 なお、このランキングは年によって変動があります。また、あくまで金額ベースのランキングであり、物価水準は考慮されていないことに留意下さい。

[出典等]
 総務省「平成26年家計調査」(都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり支出金額,購入数量及び平均価格)(2人以上の世帯)
 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001129409

 FM豆知識のページ(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html

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