ふくしまオーガニック旅2015-だいずな大豆。(2)

 2015年11月8日(日)は、「ふくしまオーガニック旅2015-だいずな大豆。」(NPO法人 福島県有機農業ネットワーク主催)の2日目です(前回から続く)。
 目が覚めると、すでに7時前です。隣に寝ておられたはずの菅野正寿さんの布団は空っぽ。
 生憎の雨になってしまいました。
 宿泊した木幡山隠津島神社の参宿所の庭には、立派な枝垂れ桜の木。花の時期はさぞ見事と思われます。
 紅葉黄葉も雨に濡れて鮮やかですが、それ以上に目を引くのが五色に彩られた何流もの幡。12月第1週には幡祭り(国の重要無形民族文化財)が開催されるそうです。
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 みんなで朝食の準備。菅野さんも戻ってこられました(ハウス舎を見に行っておられたようです)。
 昨夜、浅見さんから頂いていた納豆の残り。改めて美味です。余ったご飯はおむすびに。
 ちなみに浅見さんは、地元 (喜多方市山都)で開催される蓄麦祭りのため、昨夜23時を過ぎてから自動車で帰宅されました。2時間以上かかるそうで、福島の県土の広さが想像できます。
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 残念ながら、雨でこの日の農作業は取りやめに(内心、ほっとしてたりして)。
 ゆっくりと9時過ぎに出発。車で10分ほどで木幡山隠津島神社の参道下へ。ここから徒歩で石段を登ります。
 見事な紅葉、大杉(国指定天然記念物)、三重の塔など。ちなみに戦国時代には伊達政宗の兵火で全山焼失したこともあるそうです。
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 総ケヤキ造りの本殿と拝殿には、精巧な彫刻が施されています。
 周辺には、多くの板碑等も。
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 本殿の脇を少し進んだところに「天明 為民の碑」(てんめいいみんのひ)がありました。
 説明板によると、天明六(1786)年に名主の紺野武左衛門嘉簇が、「天明の大飢饉」(餓死者774人、行方不明者458人)の目に余る惨状を経験して、常に非常の時に備えよと警鐘を鳴らすために碑に刻し残したものとのこと。
 大飢饉(天明三年)の前年には、竹に花が咲いたというエピソードも書かれています。
 当時の大惨事を経験した先人は、後世の人たち(私たちを含め)のために警鐘を残して下さっているのです。果たして現在の私たちは、何代も後の人たちに何らかの教訓を残せるのでしょうか。
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 その後は、再び昨日の遊雲の里ファームへ。
 HISツアーの皆さんは、雨の中、合羽を着て稲架(はさ)を片付ける作業をしています。
 ハウス舎の中には、千歯こき、足踏み式脱穀機、ハーベスタの3種類が並べられ、時代ごとの脱穀体験・見学ができるようになっています。
 千歯こきはちょっとコツが要りますが、束をあてがってしごくと気持ちよくばらばらと籾が落ちていきます。一穂ずつ手作業で籾を外していた時代に比べれば素晴らしい進歩だったと思われます。足踏み式の脱穀機は、針金を植えたドラムをうまく回転させるにはやはりコツが必要ですが(気を抜くと逆回りしてしまいます。)、千歯こきに比べれば数倍効率的です。
 初めて体験する人も多く、多くの歓声(や悲鳴?)が上がります。
 ちなみにハーベスタの原理は足踏み式と同じだそうです。ただし人力ではなく化石燃料でドラムを回転させるため、作業効率は段違いです。
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 雨中の作業から戻ってきたHISチームと交代し、わが大豆チームは昼食のバーベキューの準備。
 この地で獲れたピーマン、キャベツ、サツマイモ、カラフル人参や大根のほか、昨日収穫してきたカ ブ等も焼くことに。お肉やソーセージも準備してくれています。
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 HISチームも合流して大勢でバーベーキュー大会に。
 傍らではもち米を蒸して、餅つきも。HISチームの若い女性、男性も喜んで杵を振り上げます。
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 満腹・満足したところで、菅野さんから「今回はよく来て下さいました」等と挨拶を頂きました。
 こちらこそ、感謝の気持ちで一杯です。
 続いて菅野さんに促され、昨日のタ方から参加されていた(九州から直行だったとのこと!)映画監督の纐纈(はなぶさ)あやさんから、東中野ポレポレ座での『ある精肉店のはなし』アンコー ル上映の案内(11月28日(土)~12月4日(金))。
 ちなみに11月29日 の「いい肉の日」には、映画に登場した北出精肉店の焼き肉が販売されるそうです(限定50食)。
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 ここでHISチームとは分かれ、再び車に分乗。
 昨日の大豆畑に向かう山道に折れずに国道を直進。峠を越えると川俣町・山木屋地区(避難指示区域内)です。車窓の風景が一変しました。
 除染廃棄物を入れたフレコン・バッ グが大量に置かれています。道路脇には「除染中」と書かれたピンクや黄色の旗が林立。
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 水田は表土が剥がされ、代わりに砂が入れられています。多くの重機も。
 この日は日曜のせいか作業は行われていませんでした。
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 かつての観光牧場は閉鎖されています。紅葉は、事故前と変わらす美しい姿のままです。近くのモニタリングポストは毎時1マイクロシーベルトを超える数値を示していました。
 さらに国道を進むと帰還困難区域との境界を示すゲートがあり、警察官が監視中です。ここから先(浪江町)には立ち入ることはできません。
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「試験圃場」として野菜が植えられている一画もありました。
151108_17_convert_20151114082802.jpg 新築間もないと思われるような住宅や、地区の中心部には立派な小学校の校舎もあります。たまに自動車は通行しますが、歩いている人は一人もいません。
 その光景を見ながら菅野さんは、「原発とは罪深いものだ」と漏らされていました。
 東和地区に戻ってきました。 普通に水田や畑があり、人がいるという当たり前の光景に、ほっとしました。
 道の駅ふるさと東和では、首都圏から地域おこし協力隊として来られている女性と再会。たくましくなられた印象です。 地元特産の桑を使った麺や飴を購入。ネーミングに引かれて「智恵こしょう」もカゴに。
 館内には、放射能検査結果のファイルが誰でも手にとって見られるところに置かれていました。
 ここで自動車組と分かれ、電車組は菅野さん達が二本松駅まで送って下さいました。
 わずか2日間でしたが充実した内容のツアーでした。菅野さんご家族、浅見さん始め有機ネットと事務局の皆さん、地元の方々に感謝です。
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 なお、ふくしまオーガニック旅2015の第2弾は、11月21日(土)~22日(日)、「里山再生めぐり-浜通り・広野町&いわきツアー」として開催されます。
 また、11月28日(土)夕方には、東京・国分寺カフェスローにて「ふくしま有機交流カフェ」が開催されます。
 きぼうのたねカンパニーの菅野瑞穂さん、映画監督の纐纈(はなぶさ)あやさんも登壇され、菅野さんの野菜を使った料理も楽しめるそうです。
 大震災と原発事故から4年と8カ月目の秋です。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
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