きき酒と新ソバの会 @ふくしまオルガン堂

 2015年のカレンダーも師走に入りました。
 ここにきて日比谷公園の紅葉が見頃です。街なかの銀杏も、冬晴れの青空に映えています。
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 12月4日(金)は、久しぶりに東京・下北沢へ。
 クリスマスの飾付けで賑わう駅前商店街を抜けて10分ほど歩いたところにあるのが、ふくしまオルガン堂です。
 福島の有機農産物や特産品の販売、食(ふくしま定食等)の提供、交流・体験の窓口や拠点として、NPO法人福島県有機農業 ネットワークが開設・運営しています。
 ちなみに「オルガン」という名称には、オーガニック(有機)と、対話・交流のハーモニーを奏でるという意味が込められているとのこと。
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 この日開催されたのは「きき酒と新ソバの会」です。
 福島県有機農業ネットワークの長谷川浩さんの進行により開会。
 「今日のきき酒には有機ネットで作った『きせき』も入っている。ドキドキしているが、ぜひ、率直な感想を。これはコシヒカリを使っているが、ここの佐藤店長の地元である浜通りで山田錦を栽培する構想もあり、2、3年後を期待して頂きたい」
 続いて、会津山都そば協会の秋庭千可子さん(茶房 千、喜多方市山都町)から、「会津留学-冬の会津を体験するツアー」(2016年1月30日(土)~31日(日))の紹介。
 かんじきを履いての雪上散歩、ワラつと納豆作りなど、冬の会津ならではの様々な体験ができるそうです。
 また、秋庭さんは新たに古民家を借りて民泊のような取組も計画されているとのこと。
 「ぜひ、山都に来て下さい。少しでも知って頂けると嬉しい」と何度もおっしゃっておられました。
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 さて、いよいよ「きき酒」のスタートです。
 この日、準備して下さったラインナップは以下の通り(全て純米酒です)。
151204_7_convert_20151207235423.jpg 「金寶自然酒」(仁井田本家、郡山市)
 「風が吹く」(白井酒造店、会津美里町)
 「大自然」(末廣酒造、会津若松市)
 「会津娘・無為心」(高橋庄作酒造店、会津若松市)
 そして、2種類のオリジナル日本酒。
 「上堰米のお酒」(大和川酒造・本木・早稲谷堰と里山を守る会、喜多方市)
 「きせき」(大和川酒造・福島県有機農業ネットワーク) 
 きき酒の進行役は浅見彰宏さん
 千葉の出身、大手鉄鋼メーカー勤務から霜里農場(埼玉・小川町)での研修を経て1996年に山都に移住、新規就農。
 ボランティアによる本木上堰(江戸時代から続く用水路)の維持管理など、地域で様々な取り組みをされている方で、地元の酒造会社に勤務されていた経験もあります。
 
 1種類ずつ解説してもらいながら、目と鼻、そして舌全体で転がすように味わっていきます。
 呑み比べてみると、それぞれ個性が大きい(違いがある)ことに驚かされます。
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 山廃生酒の「風が吹く」、有機米・亀の尾100%使用の「大自然」は、コクがあります。特別純米酒の「会津娘・無為心」も呑みやすい味です。
 「金寶自然酒」は燗誂えとラベルにあったように、燗をつけた方がより芳醇で柔らかい香りが楽しめました。
 「上堰米のお酒」と「きせき」は、酒米ではなく主にコシヒカリを使っているそうで、すっきりした味わいです。
151204_6_convert_20151206131737.jpg これら2種類はネット等で募集中ですが、浅見さんによると、日本酒1本(720ml)を購入すれば棚田約1畳分を支えることになるそうです。「食べて応援」だけではなく、「呑んで応援」もお願いしたい、とのこと。 
 米の消費量が減少傾向で推移する中、日本酒を消費することは、被災地の支援だけではなく、日本全体の稲作(と田んぼと地域の環境)を守ることにもつながるようです。
 日本醸造協会の文献から、「唎酒(ききざけ)用語解説」の部分をコピーして配布して下さっています。
 視覚(さえ、てり等)、嗅覚(吟醸香、老(ひね)香等)、酒のタイプ・見かけ(きれい、すべり等)関係に分けて、用語が解説されています。たくさんの表現があることに驚きます。
 オルガン堂の荒川さん達が、福島県産食材を使った日本酒に合う料理も準備して下さいました。
 納豆(浅見さん作)と小松菜等の辛子しょうゆ和え、切干大根とシイタケの煮物、大根とカブの漬物、キノコとほうれん草のエゴマ味噌和え、車麩とカボチャの煮物。
 ニシンの山椒漬けは会津の郷土料理です。
 そして、お蕎麦。
 秋庭さん手打ちの十割蕎麦です。つゆと、大根汁の二種類の味で頂きました。 
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 一通りの利き酒が終わると、後はフツーの懇親会に。
 参加者から1人ずつ挨拶。オルガン堂でお会いした方、一緒に福島に訪ねた方など、顔見知りの方も多数。
 福島に家を購入されて二地域居住を始められている方、福島大学に週2回通っておられる方、こけしに恋されている女性の方も。
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 いずれも福島に思い入れのある(かなりアツイ)方たちです。
 そのような人達が集まることのできるオルガン堂は、改めて貴重な場所であることを再認識できた一夜でした。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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