奥沢ブッククラブ(第3回)

 2015年12月17日(木)、帰宅すると嬉しい段ボール箱が届いていました。
 本木・早稲谷 堰と里山を守る会(福島・喜多方市山都町)に注文していた「上堰米のお酒」のお酒です。
 今年7月、現地を訪問した時のことを懐かしく思い出しました。 
 ちなみに浅見彰宏さんのブログによると、このお酒を1本(四合瓶)呑めば一畳分の棚田を守ることにつながるそうです。
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 翌18日(金)の終業後は、その「上堰米のお酒」を1本抱えて東京・自由が丘のシェア奥沢へ。
 18時半から、奥沢ブッククラブ(第3回)が開催されました(私は前回に次いで2度目の参加)。
 この日は忘年会も兼ねて、食事は持ち寄りです。
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 19時頃に着いた時には、すでに食事は進み、「お薦めの本」の紹介に移りつつありました。
 テーブルの上には、様々なご馳走。
 私が持参したのは自由が丘駅前のスーパーで買ってきたお寿司でしたが、手づくりのおむすび、鶏の手羽元の煮物、サラダ、などが並んでいます。後半にはミートローフや桃のゼリー(いちご乗せ)も出して下さいました。
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 さて、この日の参加者の皆さんからの「お薦めの本」は以下の通りでした。
 今回も文芸書からノンフィクション、絵本まで多彩なジャンル。複数紹介して下さった方も(出版社等は異なるかもしれません)。 
 一条真也『あらゆる本が面白く読める方法』(三五館、2009)
 橋爪大三郎、大澤 真幸『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書、2011)
 宮本輝『優駿』(新潮文庫、1989)
 エリカ・ジョング『飛ぶのが怖い』(河出文庫、2005)、坂井希久子『ウィメンズマラソン』(角川春樹事務所、2015)、デール・カーネギー『人を動かす』『道は開ける』(創元社、1999)
 中原中也詩集(新潮文庫、2010)、松本昭夫『精神病棟の二十年』(新潮社、2001)
 石持浅海『アイルランドの薔薇』(光文社文庫、2004)
 アーサー・C・クラーク『海底牧場』(ハヤカワ文庫、2006)
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 谷川俊太郎(作)、松本大洋(絵)『かないくん』(東京糸井重里事務所、2014)
 ジェフ・ジャービス『パブリック』(NHK出版、2012)、アレックス・カー『犬と鬼』(講談社、2002)、茨木のり子『詩のこころを読む』(岩波ジュニア新書、1979)
151219_6_convert_20151221001349.jpg ウィル・シュワルビ『さよならまでの読書会』(早川書房、2013)
 鈴木大拙『禅と日本文化』(岩波新書、1940)、杉浦日向子『粋に暮らす言葉』(イースト・プレス、2011)、
 シェア奥沢のオーナー・堀内正弘先生(多摩美術大教授)は、イバン・イリイチの2冊、『生きる思想』(藤原書店、1999)と『コンヴィヴィアリティのための道具』(筑摩学芸文庫、2015)を紹介して下さいました。
 ちなみに私からは、浅見彰宏さんの『僕が百姓になった理由』(コモンズ、2012)を「上堰米のお酒」とともに「お薦め」させて頂きました。
 途中、Uさんからは、前回、別の方が推薦されたスーザン・バーレイの絵本『わすれられないおくりもの』(評論社、1986)を朗読して下さいました。死にまつわるお話です。
 この日のUさんのお薦め本『かないくん』も、生と死について考えさせられる、装丁も美しい絵本とのことです。
 ところで、この日はUさんの誕生日だそうで、前回に続いてサプライズのケーキ。
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 さて後半は、この日の課題図書である辺見庸『もの食う人びと』(初版は1994、共同通信社)についての感想等のシェア。
 バングラデシュの残飯市場、ネオナチとトルコ移民、チェロを弾いて物乞いをするモスクワの少女、韓国の元従軍慰安婦との会話など、印象に残った場面はそれぞれのようです。
 チェルノブイリや移民問題など、20年前は遠い外国の話だったのが今は身近な問題になっているのでは、との感想も。 
IMG_6688_convert_20151221002129.jpg 本の内容だけではなく、食べること一般に話題は広がっていきます。
 今まで適当な食生活を送っていたが、自分で料理するようになって食材等に関心を持つようになったという男性。
 世界には食事の面でも圧倒的な格差があるにもかかわらず、目の前に沢山のご馳走が並んでいることに悲しさを覚えると言う男子大学生。
 食育など農作業を体験するなど食育の取組みが想像力を育むのでは、との意見。
 改めて、食というものは奥深いものです。
 生命と健康を維持するために不可欠であるのみならず、コミュニケーションの手段であり、文化や格差を表わす象徴にもなります。
 最後に、次回は明年1月20日(木)に開催することを決定。
 課題図書はガブリエル・ガルシア=マルケス『わが悲しき娼婦たちの思い出』とロバート・ジェームズ ウォラー『マディソン郡の橋』。事前に読んでくるのはどちらか1冊でも可ということに。
 新年1回目の奥沢ブッククラブは、エロスや愛について語り合うことになるようです。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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