たまつき発・寺田本家酒蔵ツアー2016(前半)

 2016年1月10日(日)のタ方は自宅近くの市民農園へ。
 翌日のイベント用に東京長カブを2本収穫。
 葉っぱは茹でて、いちょう切りにした根の部分と合わせて塩もみし、タッパーに入れて冷蔵庫へ。
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 翌1月11日(月・祝)の成人の日。三連休最終日も好天に恵まれました。
 見た目はそこそこ、味は今イチの長カブの一夜漬けを携えて向かったのは東京・池袋。
 8時半前、マルイの前に着くと多くの人。
 髙坂勝(こうさか・まさる)さんが主催する「たまつき発・寺田本家酒蔵ツアー2016」の参加者の皆さんです。
 60名ほどで、大型バスは補助席も含めて満席(運転手のササキさん、お世話になりました)。
 9時前にバスは出発。
 髙坂さんがマイクを取られ、12年ほど前の開店準備中に「トージバ」のカフェを訪ねて寺田本家を紹介してもらった等の経緯をユーモアを交えて紹介されつつ、「今日のツアーで感じ・学び・食べ・飲み・歌い・笑い・語らい、みんなで『発酵』しちゃいましょう!」と挨拶。
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 盛り上がったところでマイクが回され、参加者1人ずつから自己紹介。
 40歳代以下くらいの方が多く(私は最年長ではなかったようですが)、名古屋や三重から来られた女性も。
160111_22_convert_20160114071224.jpg 会社員、脱サラしたフリーター、飲食店や料理教室の経営者、セラピスト、整体師、ライター、お笑い芸人など様々ですが、いずれも食べ物や農業、健康、田舎暮らし等に関心のある方ばかりです。
 共通点(ツアーへの参加条件)は、髙坂さんの経営するオーガニックバー「たまにはTSUKIでも眺めましょ」(たまつき)に来たことがあり、髙坂さんと「顔の見える関係」ができていることです。毎年、希望者は多く、何度も申し込みしてやっと参加できたという方も。
 60名もの自己紹介はなかなか終わらず、休憩や訪問時に何度か中断し、結局、全員が終わっ たのは午後の懇親会の席でした。髙坂さんは急がせることはせず、折々に口を挟んで突っ込んだり、いじったり。
 東関東自動車道を経由して、10時半頃、NPO法人トージバの神崎における事務局拠点・と~じ舎(千葉・香取郡神崎町(こうざきまち))に到着。
 トージバとは、持続可能な循環型の地域社会をつくるため、食、農、都市農村交流に関わる多彩な活動等に取り組んでいるNPO法人(ちなみに名称の由来は「湯治場」とのこと)。
 茅葺きに赤いトタンの瓦を被せた古民家の前庭で、神澤則生(かんざわ・のりお)さんご夫妻が出迎えて下さいました。
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 竹テントの中で、「学校では日本には資源がないと教わったが、海外に行くたび、日本の資源の豊かさに驚かされた」と語り始めた神澤さん。
 「自分は都会育ちだが、基本は種まきだと思い、仲間と大豆を育てる活動(大豆レボリューション)を始めたのが12年ほど前。
 やりだすと面白くて、はまってしまった。気持ちがいいし、できたものは美味しい」
 前庭には収穫された大豆が山になっています。敷地の奥の方では、古い蔵を壊し建て直しているようです。
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 庭に置かれた半球状のカマは、「アースオーブン」というものだそうです。
 材料の9割は粘土や稲わら等の地域資源でできており、しかも移動可能というスグレモノとのこと。ワークショップを開催して作り方を広めておられるそうです。
 キクイモを焼いて(すぐに焼けました。)、九十九里の自然塩を振りかけて試食させて下さいました。美味!
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 築170年の家は、5年前に借りて手直ししたそうです。
 「古い建物もなるべく残し、リフォー ムして移住者を受け入れられるようにしていきたい。新しいものを建てたり作ったりするのは、お金もエネルギーもかかる。身の回りにはモノが溢れている。お金もモノも、回りにあるものを回していけばいい」
 屋内も見学させて頂きました。
 ロケットストープが焚かれ、暖気が床やソファの背に回るようになっています。燃料はすべて薪で、石油は使っていないとのこと。ハシゴの下から上をのぞくと、屋根裏も広い空間。太い梁と茅葺き屋根の裏側が見えます。
 野菜や加工品を販売して下さいました(キクイモをゲット!)。
 
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 庭の一隅には、バイオガストイレが設置されています。
 ガスは調理に、液体は肥料に使っているそうで、これもワークショップで手作りしたとのこと。
 「回りにたくさんある資源を活かすことで、豊かに暮らしていける。
 現在、竹が各地で増えすぎていることが問題となっているが、本来、竹は色々な用途に使える「宝もの」。竹テントの作り方もワークショップで広めていきたい。立ち上げに関わった東京朝市アースデイマーケットにも提供している。竹を有効活用することは、山林の再生にもつながる」
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 いったんバスに戻ります。10分ほど乗り(この間に4人の自己紹介。コットン紡ぎをされている方も)、JR成田線の線路を渡った辺りの道沿いに古びた建物の前で下車。
 先回りして移動してこられていた神澤さんが、説明して下さいました。
 もともと倉庫として借りていた建物の半分が、長く空き家になっていたとのこと。家の中には井戸があり、裏手に太陽光パネルと畑を設けることで、震災時でも、ここに来れば取りあえず生き 延びられるというスペースとして整備されたそうです。
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 アースオーブンのワークショップ等の会場として使ってきたそうですが、そのうちギフトエコノミー(贈り物経済)という考え方に出会って、ここで「ストック・マーケット」という取組を始められたとのこと。
 今は使っていないけれども捨てるのは惜しい(まだ使える)モノをここに持ってきてもらい、それを必要とする人にギフト(贈り物)として手渡していくというもの。おカネ(貨幣)が介在していないどころか、物々交換でもありません。
 神澤さんは、「身の回りにはモノが溢れている。この取組で、モノの命も全うできるのではないか」と仰っておられました。
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 神澤さんにお礼を申し上げてバスへ。1人が自己紹介をしているうちに寺田本家に到着。
 髙坂さんによると、近くに美味しいお豆腐屋さんがあるそうですが、生憎とこの日は休業とのこと。
 寺田本家のお酒の1ファンとしてワクワクしながらバスを降りたのですが、見学させてもらった内容は期待以上のものでした。
 (後半に続く)
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 →プロバイダ側の一方的な都合で1月12日以降更新できなくなったことから(涙)、現在、移行作業中です。
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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