図45 最大都心圏の人口と総人口に占める割合(2014)


◆ F.M.豆知識
食や農について、(特に私たち消費者にとって)ちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるような話題を、毎回こつこつと取り上げていきます。
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「一極集中の国際比較」
前回は「一票の格差」を取り上げました。法の下の平等が人間だけに適用されていることは問題ではないかと、半ば冗談ながら、牛1頭当たり、森林面積当たりの格差を計算してみたところ、それぞれ1100倍、140倍という大きな格差があることを明らかにしました(表44)。
まあ、モー想ですが。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/44_kakusa.pdf

経済が発展するに伴って第一次産業のシェアが低下し、第二次、さらには第三次産業のシェアが高まることが歴史的な法則(ペティ=クラークの法則)であるのと同様、次第に大都市圏に人口が集中していくのは当然かも知れません。

そこで、国連の統計を基に国際比較を試みました。
リンク先の図45は、その国の中でもっとも人口の大きな大都市圏(横軸)と、その大都市圏の人口が総人口に占める割合(縦軸)をプロットしたものです(大都市圏の人口で上位20位まで)。

これをみると、やはり日本は特別のようです。
日本最大の大都市圏である東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)の人口は約3800万人。これは世界の中でも最大の大都市圏です。それも、人口超大国であるインド(デリー圏、約2500万人)、中国(上海圏、約2300万人)以下をかなり引き離してのダントツです。

総人口に占める割合をみても、日本の東京圏は30.0%と、ブエノスアイレス圏(アルゼンチン)の36%、リマ圏(ペルー)32%に次ぐ集中度となっています。ちなみに先進国はパリ圏16.7%、ロンドン圏16.1%、ニューヨーク圏5.8%といったところです。

日本は国土、特に平地面積が狭いという事情があるとはいえ、その一極集中の度合いは、諸外国と比べても極端と言わざるを得ないのではないでしょうか。

[出典、参考資料等]
国連経済社会局“World Urbanization Prospects, 2014”
http://esa.un.org/unpd/wup/highlights/wup2014-highlights.pdf

国連人口基金“The State of World Population 2014”
http://www.unfpa.org/swop-2014

FM豆知識のページ(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html

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