F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信- No.090

================================================================

◇◆◇ F. M.Letter −フード・マイレージ資料室通信 ◇◆◇

     No.90; 2016.3/23(水)[和暦 如月十五日]発行

================================================================

 如月の望月のころ。

 春分も過ぎ桜が咲き揃い始めました。桜の開花は心浮かれますが、毎

年のように季節が早くなることに戸惑いを覚えます。

 

 5年前の今頃、テレビで津波等の映像が流れる中、自分の回りでは今年

も当たり前のように桜が咲いたことを、不思議に感じたことを思い出し

ます。

 

 時の流れを体感するため、和暦の毎月一日(朔日=新月の日)と十五

日(ほぼ満月の日)に配信している本メルマガ、今回は如月十五日の配

信です。

 

—————————————————————-

  F.M.豆知識

  食や農について、(特に私たち消費者にとって)ちょっと役に立つ、

 あるいは考えるヒントになるような話題を、毎回こつこつと取り上げ

 ていきます。

—————————————————————-

「東京蟻地獄論」

 牛1頭当たり、森林面積当たりの「一票の格差」から始まった都市と地

方の人口問題について、モーしばらく考えてみます。

 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/44_kakusa.pdf

 

 日本における一極集中の度合いは諸外国と比べても特異ではないかと、

問題提起したのが前々回でした。

 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/45_daitosi.pdf

 

 そして前回は、2015年の速報値が公表されたばかりの総務省『国勢調

査』を用いて、東京圏への人口の一極集中が先鋭化している現状を指摘

しました。

 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/46_kokucho.pdf

 

 今回は、1990年以降の関東地方(甲信を含む。)の人口増減に着目し

ます。

 1990年における関東地方(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神

奈川、山梨、長野)の人口は3,993万人。日本全国の34.1%を占めていま

した。それが2015年には4,623万人へと、約15%増加しています。

 

 しかし詳しくみると、この間、関東の各県の人口がすべからく増加し

ているわけではないのです。

 東京圏(千葉、埼玉、東京、神奈川)以外の茨城、栃木、群馬、山梨、

長野では、2000年頃までは人口は増加していましたが、その後は減少に

転じています。

 東京圏に属する千葉、埼玉、神奈川の各県は、1990年頃までは大幅に

人口が増加していましたが、その増加の度合いは2000年代に入って鈍化

しています。

 一方、東京のみは2000年代に入ってから大きく人口が増加しています。

 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/47_kanto.pdf

 

 2000年代に入って人口の東京圏への一極集中が先鋭化していることは

前回もみましたが、詳しく都県別にみると、いわば東京の「1人勝ち」の

様相を呈しているのです。

 

 このことは、かつて歴史人口学者の速水融が江戸時代の関東地方につ

いて分析・指摘した「都市アリ地獄論」が、現在に甦っているようにも

みえます。

 次号に続きます。

 

[出典、参考資料等]

 総務省『平成27年国勢調査』

  http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/

 

 FM豆知識のページ(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)

  http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html

 

—————————————————————-

  オーシャン・カレント 潮目を変える

  食や農の分野について、先進的かつユニークな活動に取り組んでお

 られる方達、トピックス等を紹介しています。

—————————————————————-

 (株)さとゆめは、大学教員やシンクタンク・コンサルタント会社の

研究員として地域活性化支援に取り組んできたメンバーが集まり立ち上

げた会社。

 「ふるさとの夢をかたちに」を理念に、夢(ビジョン、計画)がかた

ちになる(商品化)まで支援し続ける「伴走型のコンサルティング」を

行っています。

 

 さとゆめは東京・千代田区平河町に開設・運営しているラボショップ

は、地域で開発した新商品等のアンテナショップの役割を果たしていま

す。

 ここで現在、東日本大震災から5年という節目に合わせ、「ふくしまオ

ーガニックコットンプロジェクト〜震災から5年メモリアル販売会」が開

催されています。

 

 「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」では、これまで福島・

いわき市、広野町における農業再生を目指し、首都圏をはじめ全国各地

から15,000人を超えるボランティアを受け入れつつ、耕作放棄地等にお

けるコットンの栽培と商品化に取り組んできました。

 そして震災から5年の節目に、新たな商品ラインナップを揃えて「メモ

リアル販売会」を開催することとなったのです。

 

 オーガニックコットンベイブ(避難されている女性達による手作り人

形)及びTシャツの5年メモリアルバージョンに加え、新商品としてオー

ガニックコットンの手紡ぎセット(スピンドル及びコットン)、オリー

ブキャンドル(オリーブの葉の粉末が入ったオリーブの実のかたちを模

したロウソク)も取り扱っています。

 

 なお、これらの新商品は「双葉八町村に春を呼ぶ!広野わいわいプロ

ジェクト」(復興庁・平成27年度「新しい東北」先導モデル事業)の一

環として開発されたもの。

 私もJKSKボラバスを通じて、企画段階からのワークショップに何度か

参加させて頂きました。ちなみにスピンドル(コットン紡ぎ器)は、同

じボラバスに参加された長野在住の木工職人の方によるものです。

 

 地元の方々、コンサルティング会社、様々な技能を有する方が繋がり、

夢のいくつかが新商品として実現したことに、感概深いものがあります。

 

 メモリアル販売会は、331日(木)までの平日、開催されています

(詳細は以下の通り)。

 

 オーガニックコットン〜震災から5年メモリアル販売会

 期間:2016311日(金)〜31日(木)の平日

     11:0018:3014:0015:00の間、一時閉店)

 

 場所:さとゆめLAB SHOP

    (東京・千代田区平河町2-16-15、北野アームス1F)

    東京メトロ永田町駅4番出口徒歩30

 

[参考]

 株式会社さとゆめ

  http://satoyume.com/

 

 ふくしまオーガニックコットンプロジェクト

  〜震災から5年メモリアル販売会

  http://satoyume.com/hirono/pr.pdf

 

—————————————————————-

  情報ひろば

  拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベント

 の開催情報等をお届します。

—————————————————————-

ブログ「新・伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」更新情報

 Present
Tree in
ひろの (03/12)

  http://food-mileage.jp/2016/03/12/

 

 福島学カフェ
in
駒場
「廃炉編」 (03/14)

  http://food-mileage.jp/2016/03/14/

 

 第2回「対話ラボ」
@
東京・新橋 (03/15)

  http://food-mileage.jp/2016/03/15/

 

 5年目の3.11をまたいで
(03/18)

  http://food-mileage.jp/2016/03/18/

 

 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。

  なお、既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には

 必ず事前に主催者にお問い合せ下さい。

 

 「ちょこたび埼玉酒蔵めぐり

   和紙のふるさと小川町・地酒で乾杯の街」

 日時:326日(土)10:0016:00

 場所:晴雲酒造()、松岡醸造()、武蔵鶴酒造()(埼玉・小川町)

 主催:小川町酒蔵めぐり実行委員会

 (詳細、お問合せ等

  http://www.sainokuni-kanko.jp/?page_id=1863

 

 絵と文字で綴る江戸東京野菜大図鑑展

 日時:329日(火)11:00 30日(水)18:00

 場所:武蔵野画廊(東京・小金井市本町6-1-15

 主催:納所二郎さん

 (詳細、お問合せ等

  https://www.facebook.com/events/199093663792897/

 

 対話の対話による対話のための読書会

 日時:330日(水)18:00 19:00

 場所:ご近所ラボ新橋(港区新橋6-4-2

 主催:文学を楽しむ会サロン・ド・ケイコ

 (詳細、お問合せ等 注:引き続き「対話ラボ」を開催。)

  https://www.facebook.com/events/1152662528110245/

 

—————————————————————-

* 今号のコツコツ小咄。

「再生可能エネルギーの取組は、粘り強くやらないと」

「そうなんですか?

「ポイントは持久力(自給力)ですから」

 

 注:「コツコツ小咄」は、拙FBページにて土日祝を除く毎日、

  絶賛(?)投稿中です。

  https://www.facebook.com/tetsuya.nakata.7

 

* 次号No.91は、47日(水)[弥生朔日]の配信予定です。

 

* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて

 頂いています。いつもありがとうございます。

  http://www.lunaworks.jp/

 

* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方

 は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。

 

================================================================ 

F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信ID;0001579997】 

================================================================

  発行者:中田哲也