奥沢ブッククラブ(第6回)

 2016年3月21日(月)は三連休の最終日。春分の日の振替休日は好天に恵まれ、東京地方でも桜の開花宣言も出されました。
 自宅近くの市民農園で畑作業の続き。
 菜の花(スティックセニョール、仙台雪菜)がほぼ満開。お客様たち。
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 古いマルチを剥がし、残っていたキャベツ等を収穫。残していたゴボウは結局大きくな りませんでした。失敗の原因はどこにあるのか、なかなか根が深そうです(ゴボウだけに)。
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 春作業の本格化に備えて、溝を3本掘ったところで体力の限界。 このあと数日、腰と足の痛みに悩まされることに。
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 翌3月22日(火)は、東京・自由が丘へ。
 ここでも桜が綻んでいます。シェア奥沢の上空には14日の月(帰ってからメルマガ原稿をセットしないと)。 
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 この日は、奥沢ブッククラブの第6回。
 まだ出会っていない本、まだ出会っていない人との出会いを大切にするオープンな読書会です。
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 19時頃に到着すると食事の最中。鶏の唐揚げ、ポテトサラダ、焼き芋など。
 シゲさん、皆さま、いつものことながら食事の準備も手伝わずにすみません。持参した四家酒造(福島・いわき))「又兵衛原酒」でご勘弁を。
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 食事が一段落たところで読書会がスタート。
 この日の参加者は9名ほど。男女半々、学生(未成年)からシニア世代までと多彩。シェア奥沢のオーナー・堀内先生も参加されています。
 まずは参加者1人ひとりから自己紹介を兼ねつつ「お薦め本」の紹介。
 初参加の女性からは、ご自身の最近の経験も踏まえてのことだそうですが、田中奈保美『枯れるように死にたい- 「老衰死」ができないわけ』。それに、コナブル/ライカー『ボディ・マッピング』。こちらはご専門の分野だそうで、ご自身の著作『自力整体でいきいき歩き』も持参して下さいました。
 また、ミュージカルの同好会にも所属されているそうで、4月10日(日)に予定している公演「夢☆猫たちの春part2」紹介して下さいました(14時開演、大田文化の森ホール)。
 私からは二番煎じながら、正岡子規『墨汁一滴』。
 この日の課題本である夏目激石について述べている部分(都会人・激石は田んぼから米ができることを知らなかったというエピソード)を紹介。
 隣の女性からは、土屋秀宇『日本語「ぢ」と「じ」の謎』と、ロビラ/ベス『グッドラック』の2冊。
 次の女性からは、学生時代に読んで印象に残った本としてヘミングアウェイ 『日はまた昇る』とトルストイ 『人はなぜ生きるか』のを紹介して下さいました。
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 Uさんは、今回も絵本を1冊読み聞かせて下さいました。
 tupera tupera(日本人2人のユニットだそうです。)の『へびのみこんだ なにのみこんだ?』。
  何でも飲み込む巨大なヘビ。飲んだ後の胴体の形で何を飲み込んだかが分かります。ところが最後の数ページは黒一色。果たしてヘビが飲み込んだものとは・・・。
 お薦めはミヒャエル・エンデ『果てしない物語』。作家は映画を提訴したというエピソードも。東洋哲学の思想が色濃く反映されている作品だそうです。
 続く常連の男性からは、水島広子『10代の子を持つ親が知っておきたいこと』と、三森ゆりか『絵本で育てる情報分析力』。そして9月の課題図書でもある『罪と罰』。
 肝いり役兼シェフのシゲさんからは、深沢七郎『栖山節考』。
 誰にも避けられない老いの問題を捉えたもので、映画も秀逸だったとのこと。
 堀内先生は、エンデ『モモ』に絡めて「自分も時間泥棒の被害にあっている」と嘆き節。
 ゼミの関係で数日前まで鹿児島の離島で過ごしていたという学生君のお薦めは、松岡正剛『白川静-漢字の世界観』。さらにサン・テグジュベリ『星の王子様』。そういえば、ここにも何かを飲みこんだ蛇が出てきました。
 つい先日、身近な方を送られたという女性の方からは、以前の会でUさんが『忘れられない贈り物』を読んで下さったのが何かの縁だったと感謝の言葉。
 そしてお薦めとしてヒギンス『驚は舞い降りた』。悪者とされていた独軍を主人公にして描いたのが画期的だったとのこと。
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 20時20分頃から、この日の課題図書である夏目激石『こころ』をテーマに語り合います。
 口火を切るように振られた学生君は、高校時代に読んだ時、「先生」と「私」は恋愛関係にあったのでは、と友人と議論になったエピソードを披露。
 これに対して「恋愛感情とは思いも寄らなかった」「いくらなんでも違和感がある」等の意見。
 「男女の恋愛とは違うが、心の深いところで結ばれていたのは事実ではないか」 との感想も。
 確かに、先生からの手紙(遺書)を受け取ったとたん郷里の危篤状態の父を残して帰京する「私」 の行動は、恋愛に似た感情があったと思うと理解できるかも知れません。
 さらには、「先生とKとの間にも、それに近い感情があったのでは」との指摘。
 Kからお嬢さんのことを好きだと告白された先生は、Kに裏切られたと感じたのではないか。ある種の三角関係があったのでは、等々と話題が発展します。
 もし、先生にKに対する罪悪感が本当にあったのなら、お嬢さんと結婚しない選択肢もあったのでは、とする女性。
 先生も「私」も経済的に恵まれ生活にせき立てられていないという設定だからこそ、 この小説は純粋に恋愛について語ることができているのでは、との見立てをする人。
 さらに、先生が「私」に強い口調で話した「恋愛は罪悪」という言葉の意味を、他の人からも聞いてみたいという方も。
 いずれにせよ、現実には経験できないことを疑似体験させて貰える小説は素晴らしい、との認識が共有されたところで21時を回り、お開きに。
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 次回は、4月2日(土)15時から、シェア奥沢の庭先でバーベキューや豚汁を楽しみつつ、 『本の桜祭り』として予定。
 内容は「大人と子供のための絵本読み聞かせ大会」、本のノミ市&交換会など。なお、当日18時からはガンジー研究家の石井一也先生を迎えてのセミナーも予定されているとのこと(こちらも楽しみです)。
 次々回は5月12日(木)に、通常通り18:30頃から軽食をとって19時頃から読書会を予定。
 課題図書については、私の「ぜひ短編を」という意見も入れて下さり芥川龍之介『蜜相』に決定。「こんな短いの」と物足らないという参加者の空気を感じつつ。
 ちなみに9月には、超大作(文庫で全3冊)であるドストエフスキー『罪と罰』を予定しています。
 私には荷が重いような気がしますが、こんな機会がないければ手に取らないかも知れません(若いころ、手に取って挫折したようなトラウマが・・・)。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 (プロバイダ側の都合で1月12日以降更新できなくなったことから、現在、移行作業中です。)
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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