中村靖彦さん(元NHK解説委員)を囲む会

 2016年のカレンダーは5月も末に。
 自宅近くに一画を借りている市民農園では、早くもトマトやュウリ、ナスが穫れ始めました。JA直売所で求めた苗は優秀です。
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 ここ数年、定番となっている綿とゴマも播種しました。少し遅いかも知れません。
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 2016年5月31日(火)の終業後は、インドカリーで有名な新宿中村屋へ。
 元NHK解説委員の中村靖彦さんの自選著作集『食と農を見つめて50年』の完結を祝う会に途中から参加 させて頂きました。
 以前、中村先生が主宰されていた「食材の寺子屋」(NPO 良い食材を伝える会)で何度かフード・マイレージの話をさせて頂いたご縁で招待を頂いたのですが、会場に到着してみると、国会議員の先生、農水省の幹部や0B、各界の著名人の方達が多数集まっておられます。
 会場の片隅で大人しくしていることに。
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 宴半ば、司会の合瀬宏毅さん(NHK解説委員、農政ジャーナリストの会会長)に促されて、中村先生がマイクを取られました。
  「話すだけではもの足らないと思うようになり本を書き始めた。放送はその瞬間には強烈な印象を残すが長くは続かない。活字になると露出する範囲は狭いものの関係者の反響が大きく違うのに驚いた。『狂牛病』(2001、岩波新書)は日本で発生が確認される直前に出版したもので、 国内対策の検討にも役立ったのではないか。今日は1つの節目。 お礼申し上げたい」との挨拶に、大きな拍手。
 その後は、岸康彦さん(初代・農政ジャーナリストの会会長)に続き、 東京農業大学やNHKの幹部の方、 生産者の方等からのお祝いのスピーチが続きました。中村先生のこれまでの功績の大きさと交流の広さが偲ばれます。
 会場の片隅に控えつつも、しっかりと名物のカリー、麻婆井などを頂きました。さすが美味です。
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 中村さんに記念品が贈呈された後、合瀬さんが「これから最後の大事なイベントです」と紹介されたのが、長野県等で盛んに取り組まれている「30・10(さんまる・いちまる)運動」。
 宴会等での食べ残しを減らすため、乾杯後の30分間と終了前の10分間はしっかりと料理を楽しもう、という趣旨だそうです。
 呼びかけを受けて参加者一同、しばらく食事を楽しんだ後にお開きに。
 さて、中村靖彦先生の自選著作集『食と農を見つめて50年』は、この1月に完結しました。全6巻のタイトルは以下のとおりです。
  第1巻 いつまでもあると思うな、水と食
  第2巻 コメはコメなり、田は田なり
  第3巻 種子は世界を変える
  第4巻 喉もと過ぎれば、では困る
  第5巻 日本の食を憂えて
  第6巻 農村・暮らし・政治を見つめて
160531_3_convert_20160602224619.jpg 最後の巻には、長野・松本平の農家の方が66年間つけてこられた日記の内容が紹介され、中村さんは「農業とか農村というものが、奥行きのある文明なのだということを、当然のことながら認識する」と記されています。
 日本の農業も食料が大きく変動するなか、ジャーナリスト等として常にその先端に立っていたのが中村さんです。
 その発言や著作は、その時々の複雑な農業や食料の問題を分かりやすく解説することで社会に大きな反響をもたらされただけではなく、政府の米価審議会や食品安全委員会の委員等としてその時々の重要な政策決定にも関与されるとともに、現在も東京農業大学客員教授、一般社団法人日本食育学会会長等として活躍されています。
 今回の著作集は歴史的な資料集としても有用で、これからも折に触れて紐解くことになりそうです。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 (プロバイダ側の都合で1月12日以降更新できなくなったことから、現在、移行作業中です。)
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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