【ほんのさわり】西加奈子「まく子」

西加奈子『まく子』(2016.2、福音館)

今回は食べものや農業とは直接関係なく、思春期に入りかけた少年を主人公とした小説を紹介します、

サトシ(小学5年生)は、「得体の知れない何かに変身してゆく化け物みたい」な同級生の女子を目の当たりにし、自分は大人になりたくないと切望しながら体がどんどん変化していることを嫌悪しています。
 そのサトシの前に、石や砂をまくのが大好きな転校生・コズエが現れます。実は宇宙人というトンデモ設定。コズエは砂をまく理由を「全部落ちるから楽しい。永遠に続かないから素敵なんだ」と言います。

ひなびた温泉町を舞台に祭りや放火事件といったエピソードを経て、コズエとオ力アサンが光の塊のUFOに乗って宇宙に帰るクライマックスシーン。… 続きを読む

【F.M.Letter No.106】

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