広野町ボラバス2016-東北に春を告げるまち・福島県広野町へ行こう!(1)

 2016年12月17日(土)から1泊2日の日程で、広野わいわいプロジェクトによる2016年最後のボランティアバスツァーが開催されました。
 (旅行企画・実施は(有) リボーン、ボラ ンティア活動主催はいわきおてんとSUN企業組合)。
 午前7時過ぎ、新宿駅西口で20名ほどの参加者を乗せたバス(てんぷら油で走ります)は、一路、福島・広野町を目指して出発・・・したのですが、都内で事故渋滞に巻き込まれ、いったん首都高を降りて迂回。
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 結局、予定より1時間ほど遅れて11時30分頃に広野町・下浅見川地区集会所に到着。
 双葉郡の入り口に位置する広野町は福島第一原発から20~30km圏にあり、原発事故後には全町民が避難。町民の帰還を進めていますが現在の人口は震災前の半数程度に留まっ ています。
 そのようななか、町に賑わい・なりわいを取り戻し広野町と双葉郡の復興を加速させるために町民有志たちが立ち上げたのが、NPO法人広野わいわいプロジェクトです。
 そのプロジェクトの皆さんが出迎えて下さいました。
 根本賢仁理事長から心のこもった歓迎の挨拶を頂いた後、早速、最初のプログラムである防災緑地(プレゼントツリー植栽地)の除草作業に向かいます。
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 プレゼントツリーとは、誕生日等に記念樹をプレゼントし「里親」になることで森林再生のきっかけにしようという取組み。
 今年3月の「第1回森の交流会」(植樹祭)で植えた苗木は、欠けることなく根付いている様子です。
 雑草は多くはありませんが、ところどころに出ているヤナギが頑強で厄介です。
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 作業は1時間弱で切り上げ、防災緑地を登ってみました。
 空は晴れ渡っていますが、冷たくて強い風が吹き付けます。すぐ間近に青い海が望めました。 国道6号線バイパス(広野小高線)も整備され、遊歩道や看板も設置されるなど、訪ねる度に景色は大きく変わっています。
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 集会所に戻ると、遠藤 智(さとし)町長が待っていて下さいました。
 今回のような行事の際には、毎回、顔を出して下さいます。昨年7月のJKSK車座交流会の際には、ご自宅に宿泊までさせて頂きました。
 町長さんからは
 「皆さんとともに時間と過ごすことで、いつも元気を頂いている。避難者数はまだ多い。広野町は双葉郡のフロントランナーとして復興に取り組んでいる。復興工事の過程で奈良時代の遺跡が見つかり、過去には恐竜の化石も発掘されている。長い歴史を受け止め、未来に向かって、来年は力強く前進する年としたい」等の挨拶を頂きました。
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 昼食は、津波で被災し廃業した富岡町のホテルの方が避難先のいわき市で設立された宅配お弁当会社の弁当です。
 大浴場から太平洋の絶景が望めたホテルだったそうです(名勝だったロウソク岩も崩れてしまったとのこと)。
 午後の最初のプログラムはコットンの収穫作業。
 浅見川沿いのコットン畑は一面に枯れて茶色い光景ですが、そのなかで多くのコットンがたわわに顔を出しています。なかには垂れ下がったり、すでに地面に落ちてしまっているものも。
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 広野わいわいプロジェクトの磯辺吉彦事務局長の指導の下、ここで1時間半ほどの作業。
 コットンを指で摘まんで引っ張ると、するすると出てきます。まるで手品のようです(どちらも種があります)。
 地面に落ちてしまっているコットンは、ゴミを分別するのが大変なので袋に入れないように、との指示。
 しかし吉田恵美子さん(NPOザ・ピープルいわきおてんとSUN企業組合・コットン担当。今回は一般参加者として参加とのこと)は、もったいないからと拾い集めておられました。年末から正月にかけてご自身でゴミ取りをされるそうです。
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 陽が陰ってくると寒さが身にこたえ、手がかじかんできました。
 15時頃には作業を終了。今年は豊作のようです。
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 集会所では、次のプログラム・コットンベイブづくり教室の準備ができていました。テーブルにはベイブ1体分の材料が、参加者の人数分、並べられています。
 地元の方の指導を受けながら、まず円筒形のボール紙に切れ込みを入れて「がく」を挿 し込み(襟になります)、眼と類紅が描かれている木製の頭を乗せ、がくの間に木工ボンドでコットンを貼り付けていきます。
 形を整え、帽子を乗せて前髪(細長く撚ったコットン。マフラーにも)を巻き、最後に小さな花の飾りをつけて完成。
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 少々かたちはいびつながら、世界に一つだけのコットンペイフができあがりました。隣のHさん(ふくしまオーガニックコットンの熱心なサポーターの男性)の小ぶりな作品と並べると、親子のようだと好評でした。
 全員分を並べて記念撮影。かたちや大きさなども様々、個性があります。
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 もともとコットンベイプは、東日本大震災と原発事故の被災農地で栽培した綿を材料に、仮設住宅等に避難しておられた女性達の手仕事づくりとして吉田さん達が始められた取組。
 できあがった製品は何度もみていましたが、自作してみると、当時の(現在も)お母さん達の思いを想像することができました。
 これで初日のプログラムは終了。バスはいわき湯本温泉に向かいます。
 元禄時代から続く老舗旅館である元禄彩雅宿・古滝屋の温泉には何度か入ったことはありますが、宿泊するのは初めてです。大浴場は多くの子ども達で賑わっていました。いい湧き(いわき)湯でした。
 福島で育てた茶綿を使ったオーガニック コットンのバスタオル(ふくしま塩目)がプレゼントされました。優しく柔らかい肌触りです(翌日、モニターとしてアンケートに回答)。
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 19 時から広間で交流会。広野町からも多くの方が参加して下さいました。
 地場野菜の天ぶら、 サンマのポーポー焼き(ハンバーグ風)、 いわきゴールドしいたけ入りうどん、お寿司など。
 アヒル農法で栽培した広野町産コシヒカリを原料にした日本酒・鶩(あひる)で乾杯の後、古滝屋の里見喜生さんから挨拶を頂きました。
 里見さんは、いわきおてんとSUN企業組合ではスタディツアーを担当され、NPO法人ふよう土2100の理事長でもあります。
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 元禄時代から続く老舗旅館も被災して営業停止に。原発事故もあり観光客も減少するなか、立ち寄り温泉から徐々に営業を再開されてきたとのこと。この日も親子連れを始め多くのお客さんが宿泊していることについては、感懐深いご様子でした。
 そして、「起こってはならないけれど、万が一、東京で大災害が発生した際には古滝屋に来て下さい。皆さんが安心できる場所として開放します」との言葉まで頂きました。
 交流会は20時半頃には終了。
 残った料理や買い込んだビールを抱えて「一般参加者」の吉田さんの部屋に10名ほどが押しかけて二次会です。大和田さんご夫妻も参加され、23時頃まで盛り上がりました。 吉田さん、遅くまでお邪魔して済みませんでした。
 あっ、昼間から話題になっていた吉田さんの能楽(舞い)と大和田順子さんの三味線のご披露は、次回に持ち越しになっています。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 (プロバイダ側の都合で1月以降更新できず、明年1月には閲覧もできなくなるため、現在、移行作業中です。)
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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