2016年12月23日(金、天皇誕生日)。前夜の豪雨は無事に通り過ぎたようです。
太陽が昇るのを待ちかねるように、自宅近くに一画を借りている市民農園へ。
江戸東京野菜コンシェルジュ協会(江戸コン)主催の栽培実習講座で種を頂き、育ててきた品川カブ(東京長カブ)を、いよいよ収穫することに。
大きく育ってそうなものを選んで収穫(これが間違っていたのですが)。
目を付けていた最初の1本を抜いてビックリ。まるで桜島大根のように丸々としています。
次の1本は長カブらしい姿。次は形がよくなく残念ながら候補から除外。さらにもう1本を抜いて、計3本を水洗いして泥を落とすと鮮やかな白い色です。
大きなバッグに入れて9時過ぎに品川神社に到着。この上ない好天に恵まれました。
まだ受付が始まっていなかったので、江戸コン会長の大竹道茂さん(江戸東京・伝統野菜研究会)に誘って頂き神社の裏手に。
目立たない場所に板垣退助ご夫妻のお墓と、碑がありました。品川神社には何度か来ていますが知りませんでした。
境内に戻ると受付が始まっています。
この日は、年末恒例の品川カブ品評会の日。
品川区内外の団体(学校など)や個人が栽培した品川カブが、続々と集まっています。
江戸コン仲間のMさん(野菜ソムリエ)とともに個人の部でエントリー。五輪精神です。先着順の受付番号はMさんが1番、私が2番。Mさんの出品物は品川カブらしい形が整っています。
境内には品川ネギとカブの由来等が記された説明板。
練馬大根、伝統大蔵大根、滝野川ゴボウなど品川カブ以外の江戸東京野菜も展示されています。
太鼓の演奏も始まりました。さらに続々と人が集まってきます。
幼稚園児たちは、自分達で育てた品川カブが並べられているのを見て嬉しそうです。
予定の9時半を回り、まずは全員で社殿でお祓いを受けました。そしていよいよ品評会がスタートです。
主催されているのは、北品川商店街で青果店・マルダイ大塚好雄商店の大塚好雄さん。
現在は農地の無い品川区ですが、かつの名産品・品川カブの栽培を復活させて地域づくり等に取り組んで来られた大塚さんの活動は、農林水産省広報誌でも紹介されています。
大塚さんからは「品川カブを学校等でみんなで育てようという活動を始めて9年目。野菜の話をすると子どもたちは一所懸命に聞いてくれる。この品評会も5回目。今年は天候不順でプロの生産者でも栽培が難しかったが、40点以上の出品を頂いた」等の挨拶がありました。
続いて町会の方、区議や都議、国会議員など多くの来賓の方からの挨拶が続きます。
大塚さんの取組みに協力されてきた大竹さんからは「五輪も控え、品川カブはこの地域の食文化のレガシーになる」等の言葉も。
まぶしい陽射しの下で式典が進められます。この季節らしくない暖かさです。
その間も、大鍋での品川汁など調理の準備が行われています。
続いて、大塚さんから品評会の審査ポイント(形、バランス、色など)や賞品の説明。
これも恒例のクリスタルのトロフィーのほか、てぬぐい、品川カブラーメンのサービス券等が披露されました。子ども達をはじめ出品している皆さんの目が輝きます。
10人の審査員の方による審査が始まりました。
その様子を見てきたというMさん、自分のカブをみて「これは大きいね」等とコメントされていたのを聞き、「自分の子どもが採点されているみたい」と嬉しいような恥ずかしいような様子でした。
どうやら品川カブは20cmくらいの小ぶりで形の整ったものが「美人」とされているようなのです。
境内では品川カブが入った品川汁、千寿ネギ焼きと串揚げなどが振舞われました。和楽器の演奏も行われています。
江戸東京野菜のコーナーでは、市場関係の方から江戸東京野菜の由来や栽培の状況等について説明が行われ、多くの方が熱心に聞いておられました。江戸コンの上原恭子理事のレシピも配られました。
そして予定通り11時45分から、いよいよ審査結果の発表と表彰式です。
入賞した学校名等が読み上げられるたびに歓声が上がります。先生に引率され、みんなで並んで来賓の方からトロフィーや副賞が授与されます。個人の部では区内にお住まいの女性の方が入賞されました。
弾けるような子ども達の笑顔が印象的です。
最後に大塚さんからの閉会挨拶。
子ども達の笑顔に囲まれた大塚さんも、また、弾けるような笑顔で「これからも続けて生きたい」と語っておられました。
境内のあちらこちらで、子どもたちは記念写真。先生方も保護者の皆さんも、いい顔です。
伝統野菜をきっかけとした地域づくりという大塚さんの取組みは、次第に輪を広げ、大きな成果を上げているようです。
Mさんも私も、参加賞の有田みかんを頂きました(しかも一箱!)。
大塚さん、大竹会長はじめ出品の機会を手配して下さった江戸コンの皆さま、有難うございました!
来年も楽しみにしています(リベンジを期して?)。
品川カブ(出典物を引き取ったもの)と賞品を抱えて午後からは東京・小平へ。
合唱団の一員として妻が参加している「第九」の演奏会。生のオーケストラは久しぶりです。
ベートーヴェンの生地・ドイツでもテロがあったばかり。「全ての人類は兄弟となる」との歌詞が、例年以上に心に沁みこみました。