【ほんのさわり】山本紀夫『ジャガイモのきた道』

山本紀夫『ジャガイモのきた道』(2008.5、岩波新書)
 https://www.iwanami.co.jp/book/b225922.html

民族植物学を専門とする筆者(国立民族学博物館名誉教授)の「ジャガイモ愛」に溢れている本です。
 「イモ」については、日本人は「洗練されていない」等の良くないイメージを持っているだけではなく、ヨーロッパでは「悪魔の植物」「聖書に載っていない植物」として忌み嫌う国さえあるなど、二流の食べものといった偏見に満ちているとのこと。

しかし、ジャガイモは世界中で広く栽培されている重要な作物(栽培面積は第4位)として、多くの地域の食料供給と人口を支えていることについて、原産地であるアンデス、導入されたアイルランドやヒマラヤ等の丹念な現地調査を通して明らかにしています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】山梨・上野原市西原(さいはら)地区

JR中央線で東京・高尾から3駅目が上野原。そこからバスで相模川水系鶴川を遡るように40分ほど北上したところに、上野原市西原(さいはら)地区があります。
 山に囲まれ平坦地は少ないため、昔から蕎麦、あわ、ひえなどの雑穀や、小麦やジャガイモを中心とする農業が営まれてきました。

1950年代には約2,500人いた人口は現在は570人程度にまで減少しており、しかも65歳以上が半分を占めています。外形的には、典型的な中山間地の過疎地域です。
 しかし、近年は都会から移住する人も多く、地元の方達と力を合わせて様々な新しい活動(例えば「雑穀の村復活プロジェクト」、古民家を改修した民宿等) に取り組んでいるなど、活気のある地域です。… 続きを読む

【豆知識】移住希望地域ランキング

田舎暮らしやIJUターンをサポートする認定NPO法人 ふるさと回帰支援センター(東京・有楽町)は、毎年、同センターで開催する「ふるさと暮らし情報センター」の来場者 (個別相談、相談会・セミナー参加者等)を対象に、移住希望地域等についてのアンケートを実施しています。

本年2月に公表された2016年の結果によると、移住希望地域の1位は前年2位だった山梨県でした。2位は長野県(前年1位)、3位が静岡県(前年4位)となっています。

リンク先の図83は、この2016年の移住希望先ランキング1~10位の県の、2011年以降の順位の推移を示したものです。… 続きを読む

【ブログ】市民講座「みんなで考える『食』の未来」(小金井市)

2017年10月14日(土)。生憎の雨の週末となりました。
 朝、傘をさして自宅近くに一画を借りている市民農園へ(品川カブが育ち過ぎ!)。

今も目に鮮やかな内藤唐辛子と、福島・広野町由来の綿を数本収穫。

これらを携えて向かったのは、東京・小金井市。
 小金井市東町、笠森稲荷神社の裏手に… 続きを読む

【ブログ】芋大明神、棡原の獅子、前夜祭

2017年10月7日(土)。前日からの強い雨は自宅を出る頃には上がっていました。
 久しぶりに参加する「しごと塾さいはら」。今回の主目約は翌日の「西原ふるさと祭り」への出展です。

12時前にJR中央線・上野原駅で他の参加者と待合せ、萌さんの事に乗せてもらって出発。いつもの西原に向かう県道を左折して下りたところにあるのが、龍泉寺です。

山間部の西原地区とは異なり平坦で、お寺の横の水田では刈った稲がはさ掛けされていました。のどかな里山の風量です。

参道に並ぶお地蔵様に手を合わせて門を潜り、正面の本堂にお詣り。… 続きを読む

【ブログ】稲刈り@新潟・上越市大賀

2017年9月30日(土)は、久しぶりに新潟の大賀地区へ。

「大賀米づくり隊」は、今年も数度にわたって大賀を訪ね、味噌作り、田植え、集落総出の草刈り・交流会等の活動を行ってきました。今回は稲刈り。私は、今年は初めての参加です。
 朝7時にJRたかった馬場駅前に集合し、2台の車に分乗して出発。

途中の関越道・上里SAで休憩、朝食代わりに地粉を使った「… 続きを読む

【ほんのさわり】小田切徳美ほか『田園回帰がひらく未来』


小田切徳美、広井良典、大江正章、藤山浩
 『田園回帰がひらく未来-農山村再生の最前線』(2016.5、岩波ブックレット)
 https://www.iwanami.co.jp/book/b243801.html
 本書は2015年11月に開催されたシンポジウム(3名の基調スピーチ及びパネルディスカッション)の内容をまとめたもの。

まず広井良典さん(京都大こころの未来センター教授)は、現在、若い世代のローカル志向が顕著になっているのは、これからの時代に発展が期待される領域(福祉、環境、農業等)がローカルな性格を有しており、問題解決もローカルなレベルにシフトしていることを反映しているためと分析されています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】谷内(赤木)美名子さん(新潟・上越市大賀)


(写真:「上越市ふるさと暮らしセミナー」(2017.9/2)チラシより)

岡山市出身の谷内(赤木)美名子さんは、東京の服飾関係の会社に就職しパタンナーとして働いておられました。パタンナーとは、ファッション・デザイナーがイメージした画から型紙を起こして試作するという、流行の先端を行く仕事です。
 そして、外資系証券界者に勤めておられた幹典さん(金沢市出身)と知り合い、結婚されました。

お二人の人生の転機となったのは5年前の大寒の日。「杜氏の郷」と呼ばれる新潟・上越市吉川区の酒蔵で開催された酒づくり体験会に参加されたのです。
 棚田の雪景色の美しさや、交流会での地域の方たちとの暖かい触れ合いに感動し、その後、折にふれて吉川区に通うようになりました。そしてある日、ご主人から「移住して農業をしながら杜氏を目指したい」という夢を打ち明けられたのです。… 続きを読む

【豆知識】過疎地域に移住する若い世代


日本の人口が減少に転じ東京圏への人口集中が続く中、「地方消滅」等の悲観的な論調が現れる一方、都市部から農村部に移住する「田園回帰」と呼ばれる新しい潮流が生まれつつあります。

総務省は今後の過疎対策を検討するため、「田園回帰に関する調査研究会」(座長:小田切徳美 明治大学教授)を設け、国勢調査データに基づく人口移動の詳細な分析、農山村への移住等に関する都市住民の意向調査、若年層人口が増加している市町村の現地ヒヤリングなど幅広い調査研究を実施しています。
 2017年3月に公表された中間報告書の一部を紹介します。

2010(平成22) … 続きを読む