【オーシャン・カレント】「こじまん」さん


 「こじまん」さん(女性)は愛知県出身。今年の春、20年近く勤めた大手印刷関係の会社を退職して山梨県に移住し、就農を目指して研修(職業訓練)中です。

もともと農業にはそれほど興味は無かったというこじまんさんですが、10年ほど前に歩き旅で四国八十八カ所巡りをした際、「お接待」で頂いたおむすび等の美味しさと同時に力の源になることに感動。
 これをきっかけに、食べものや、それをつくる農業に関心を抱くようになったそうです。

その後、千葉・鴨川市の棚田での米づくり、東京・檜原村でのゴマ栽培、品川での野菜マルシェ等の活動に積極的に参加するなか、農業に対する関心がさらに強まっていきました。
 そして昨年、本格的に農業を始めたいと一念発起、今年3月には山梨・北杜市に移住、4月から山梨県立農業大学校に通っています。

山梨県立農業大学校は、農業改良助長法に基づく農業後継者育成機関として1970年に開設、2008年からは学校教育法による専門学校ともなり、山梨県の農業・農村を支える人材を育成している教育機関です。
 こじまんさんが通っているのは、新規就農や農業法人への就職を志す人を対象とした9ヶ月間の職業訓練農業科(有機農業コース)。座学と実習により、生産技術、経営管理、マーケティングなど実践的な知識を学んでいます。

すでに住居と、小面積ながら農地も手配済みとのこと。
 学業のかたわら、耕作放棄されていた農地の開墾や、しばらく人が住んでいなかった古民家(空き家バンクを活用)の片付けに汗を流しているそうです。
 ホップの栽培にも取り組み始めました。かつてこの地で作られていた「かいこがね」という品種です。地元の方から「次の世代の人がホップを作りたいと言ってくれて嬉しい」と言われた時には、思わず涙腺が緩んだそうです。

山梨県の中でも北杜市は、特に新規就農者が多い地域。こじまんさんは先輩達の力も借りながら、明春には農業の担い手としての第一歩を踏み出します。
 行動力があり、朗らかな性格のこじまんさんの奮闘を、応援していきたいと思います。

[参考]
 専門学校 山梨県立農業大学校
  https://www.pref.yamanashi.jp/noudai/

ウェブサイト「フード・マイレージ資料室-オーシャン・カレント」
  http://food-mileage.jp/category/pr/

【出典:フード・マイレージ資料室 通信 No.129、2017年10月20日(金)[和暦 長月朔日]発行】