【ブログ】銀座農業コミュニティ塾

季節は秋から冬へ。
 2017年11月3日(金・文化の日)~5日(日)にかけては、久しぶりに好天の週末となりました。
 天候不順で作業が遅れていた自宅近くの市民農園へ。大蔵ダイコンや品川カブがジャングル状態になっているのを、ようやく間引き(美味しく頂きました)。

収穫し忘れていた玄関先のプランターのスダチは、黄色く色づいてしまいました。

11月7日(火)は二十四節気の立冬。初候は「山茶始めて開く(ツバキはじめてひらく)」。
 実際にこの季節に花開くのは、ツバキでは無くサザンカです。通勤途中でもピンクの花が目を楽しませてくれます。

その日の終業後は、東京・京橋の中央区立環境情報センターへ。
 4年前に竣工したばかりの立派なビル(東京スクエアガーデン)6階には、ポスターやパネル、参考資料等が展示されています。
 東京・檜原村産の間伐材で作られた「間伐ザウルス」も(クリスマスバージョン!)。

研修室で19時から開催されたのは、この日スタートする銀座農業コミュニティ塾。。

冒頭、塾長(予定)の高安和男さん(NPO銀座ミツバチプロジェクト理事長)から挨拶がありました(以下、文責・中田)
「これまで開催してきた銀座農業政策塾等を、塾生の皆さんの活動をサポートすることを主眼としたコミュニティ塾として再スタートさせ、みんなで運営していければと思っている。趣旨に賛同する人はどんどん参加してもらいたい」
 そして規約と役員体制案の提案があり、承認されました。

続いて、政策塾に引き続き代表世話人となられた蔦谷栄一先生(農的社会デザイン研究所)から、
「塾生一人ひとりが主役。思いのある人が濃く深くつながり、一緒になってそれぞれの実践をサポートしていけるような本来の「塾」を目指したい。新たな気持ちで、自分も塾生のつもりで一緒に研さんを積んでいきたい」等の挨拶を頂きました。

そして第1回勉強会として「農業そして農的営みを考える」と題するレジュメに即して講義。

まず最近の農業をめぐる情勢として、TPP11(自由化路線はしばらく続くだろうが、いずれ自由化の本質(メリットばかりではない)が明らかになってくるのでは)、生産調整の目標配分の廃止(米価が下落することが懸念される)、生産緑地法の改正(さらに賃貸借でも納税猶予を認めるという法案は解散により先延ばし)等について説明。

さらに、労働、出資、経営が一体化した労働者の協同組合に関する法制化の動きについて、「ヨーロッパでは進んでおり、日本の集落営農のイメージにも近く、農業分野への適用可能性も高いのでは」等と話されました。

「産業としての農業も必要だが、農にこだわりたい。土地・自然・環境が基盤にあり、その上にコミュニティがある。これらは社会的共通資本と位置づけられる。さらに、暮らしや生業(なりわい)だけではなく産業としての農業まで含む『百姓仕事』に注目したい」

「江戸時代の日本は、水田の共同作業を土台に自治(地域マネジメント)が発達していた。明治、大正までは残っていたものの戦後は急速に薄れ、会社人間になって地域とのつながりが無くなっていった。
 自治や協同は、実は自分たちの先祖という身近なところにある」

「1980年のICAモスクワ大会における『レイドロー報告』における4つの優先分野とは、世界の飢えを満たす協同組合、生産的労働のための協同組合、社会の保護者を目指す協同組合、協同組合地域社会の建設。
 塾として、これらを目指す課題と捉えて、社会にいささかでも貢献していければと思う」と締めくくられました。

続いて、事務局長に就任された黒田浩介さんから、ご自身の取組であるCSAランチャーについて報告がありました。
 CSA(地域支援型農業)普及・立ち上げ支援の取組みで、11月21日(火)には東京・青山のカフェで座談会と試食会を開催される予定とのこと。

蔦谷先生を含む塾生との間では「継続のためには、体験イベントの開催など顔の見える関係づくりが有効では」等の意見交換が行われました。

最後に今後の予定(2月7日、5月9日)の告知が行われ、予定通り20時45分かっきりに終了。
 エレベータで地下1階に降り、中華料理屋での情報・意見交換の続きは23時頃まで盛り上がりました。

東京都中央区という文字通り日本の「ど真ん中」で、農と向き合い主体的に関わっていこうという取組みに、これからも大いに注目していきたいと思います。