お正月の料理といえば、お節。これについて注目される調査結果があります。
博報堂生活総合研究所は、1992年から隔年で生活者の意識調査を実施しています。同じ質問を繰り返し投げ掛けることにより、その回答の変化を定点観測できるというものです。
その内容は暮らし向き、衣・食・住、遊び・学び・働き、日本の行方、地球環境など幅広いものを含んでいますが、「02暮らし向き」なかに「1年以内にした年中行事は何ですか?」という質問があります。
注目されるのは「お節料理を食べる」と答えた人の割合です。
1992年には86.6%であったのが、ほぼ一貫して低下しており、2016年には70.9%となりました。調査開始以来、最低の水準です(リンク先の図88)。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2017/12/88_oseti.pdf
これを年代別にみると、60代では78.1%と比較的高いのに対して、20代は全体より約11ポイント低い59.8%となっており、1992年に比べて20.4ポイントと大きく低下しているのです(実は40代は、20.6ポイントさらに大きく低下)。
一昨年、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
これは単に献立としてではなく、多様で豊かな自然に育まれた「日本人の伝統的な食文化」として登録されたものです。
しかし、その世界に誇るべき和食の文化は、肝心の日本国内(特に若い世代)においては衰退しつつあるのかも知れません。
[参考]
博報堂生活総研「生活定点1992-2016」(お節料理を食べる)
http://seikatsusoken.jp/teiten/answer/316.html
【F.M.Letter No.134、2018.1/1[霜月十五日]所収】