【豆知識】日本の輸入食料のフード・マイレージは、やや縮小も・・・


 フード・マイレージとは、食料の輸送量に輸送距離をかけ合わせた指標です。
 日本の輸入食料のフード・マイレージを最初に試算した時(2001年)、その数値は9,002億t・km(トン・キロメートル)でした。
 これは韓国・アメリカの約3倍、イギリス・ドイツの約5倍、フランスの約9倍という水準に相当し、日本は、大量の輸入食料を長距離輸送する過程で大量の二酸化炭素を排出し、地球環境に負荷を与えている状況を示唆するものでした。

今回、日本の数値を更新したところ、2010年には8,669億t・km、2016年には8,413億t・kmへと、2001年に比べて、それぞれ3.7%、6.5%縮小していることが明らかとなりました(リンク先の図89)。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/01/89_FM.pdf
このように日本の輸入食料のフード・マイレージはわずかながら縮小しているのですが、これを輸入量と平均輸送距離に分割すると、2016年の食料輸入量は2001年に比べて8.1%減少しているのに対し、平均輸送距離は逆に12.7%長くなっています。輸入量の減少は、近年における穀物等の国際価格高騰を反映したものとみられ、輸入額(金額ベース)は増加しています。

また、アメリカからの大豆やトウモロコシの輸入が減少していることは、日本はアメリカにおいて中国など新興国に「買い負けている」ことを示唆しており、その結果、日本はより遠隔地からの食料輸入が増加しているものと思われます。

本稿においても、随時、[新版]に掲載したデータを紹介していきたいと思います。

[参考]
 中田哲也『フード・マイレージ-あなたの食が地球を変える』([新版]2018.1、日本評論社)pp.132~134
 https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7625.html

F.M.Letter No.135、2018.1/17[和暦 師走朔日]掲載】