【オーシャン・カレント】福島県産農産物等流通実態調査


 -2017年度 福島県産農産物等流通実態調査(農林水産省)-

農林水産省は、2018年3月、福島県産農産物等の販売不振の実態と要因を明らかにするため、主要品目の流通実態を調査した結果を公表しました。

米、青果物(桃、きゅうり等)、畜産物(牛肉、牛乳等)、きのこ、水産物(かつお、ひらめ等)20品目について、生産・流通・販売に携わる事業者及び消費者を対象として、ヒヤリング及びアンケート調査(インターネット及び店頭)を実施したものです。
 また、統計データにより福島県産農産物等の販売量や価格の変化についても分析されています。

その結果によると、消費者の2割弱が福島県産のイメージとして「安全性に不安がある」としていること、消費者から小売業者への産地照会は減少しておりクレームはほとんどないこと等が明らかになりました。
 逆に、応援するためにむしろ福島県産を積極的に購入する動きがあることも分かりました。

また、価格については、全体として震災前の水準にまで回復していないものの、その様相は品目によって様々であることも明らかとなりました。
 特に米については、産地の競合が激しくなっているため、福島県産の取扱数量は震災前の6分の1程度になっているという小売業者がある一方で、食味に比較して安価であるため中食・業務用向けの引き合いが強くなっているという状況も判明しています。

さらに、販売不振を払拭するため、インターネットによる直接販売に取り組む生産者や、田植え体験ツアーを実施している小売業者の事例等も紹介されています。

なお、本調査に基づき、復興庁・農林水産省・経済産業省は、2018年4月27日に連名で小売業者等に対して指導・助言等に関する通知を発出しています。

[参考]
 2017年度 福島県産農産物等流通実態調査結果について(2018年3月28日、農林水産省)
 http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/ryutu/180328.html

福島県産農産物等流通実態調査結果に基づく指導、助言等について(2018年4月27日、復興庁・農林水産省・経済産業省)
 http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/ryutu/180427.html