【豆知識】伝統野菜のCO2削減効果(加賀野菜)


 2回ほど中断していましたが、再びフード・マイレージ指標を活用した輸送に伴う二酸化炭素排出量の削減効果についてのケーススタディを紹介します。
 長距離輸送された大量の輸入食料に依存している私たちの食生活は、その輸送に伴って大量の二酸化炭素(CO2)を排出することで、地球環境に相当の負荷を与えています。
 地産地消の取組みは、輸送に伴う二酸化炭素排出量を削減するという意味でも有意義なものであり、フード・マイレージ指標を用いることによって、その効果を定量的に把握することができます。

リンク先の図97の写真は、加賀野菜等(源助大根、金沢春菊、能登豚等)を用いた献立です。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/05/97_kaga.pdf

この献立のフード・マイレージを計測するとフード・マイレージは16.9kg・kmとなり、輸送に伴うCO2排出量は3.0gとなります(ケース1)。これに対して、仮に市場で国産食材を選んで調達した場合(ケース2)のCO2排出量は41.4g、仮に市場で輸入食材も含め調達した場合(ケース3)は133.2gと計測されます。

つまり、同じ献立でも伝統野菜など地元産食材にこだわることで、こだわりのない場合(一般に市場流通している輸入品等の食材を使用)に比べて、輸送に伴うCO2排出量は44分の1に削減していることを示しているのです。

[出典]
 中田哲也『フード・マイレージ-あなたの食が地球を変える』(新版、2018.1、日本評論社)、p.178~183