【オーシャン・カレント】天山祭り(福島・川内村)

川内村(かわうちむら)は、浜通り地方のなかでも阿武隈山地に入った内陸部にあり、全村域の7割を森林が占めています。

その自然豊かな村は、2011年3月の原発事故により、一時、全村避難を強いられました。
 幸い線量が比較的低かったこともあり、翌年にはいち早く「帰村宣言」が出され、現在は 7割以上の村民が帰還を果たしています。
これは避難指示が出された浜通りの市町村のなかでも高い割合です。

その川内村で、毎年7月の第2土曜日に開催されているのが「天山祭り」です(震災の年も途切れず開催されました)。
 天山祭りは、名誉村民である「カエルの詩人」草野心平(いわき市出身)の発案により始められたものです。心平はモリアオガエルが生息する川内村をしばしば訪ね、村民との交流を重ねました。
 寄贈された3000冊の蔵書は、村民たちにより建てられた天山文庫に収められています。

第54回天山祭りは、本年(2018年)7月14日(土)、天山文庫の前庭で開催されました。
 中学生や有志の方による心平の詩の朗読、高校生による獅子舞、東京から来られた鈴木葉子さん(ソプラノ歌手、いわき市出身)によるミニコンサート、参加者全員による踊り等で盛り上がり ました。
 婦人会の皆さんが準備して下さったお弁当(名物のイワナ付き)や地酒も振る舞われました。

なお「天山」とは、ここが交流の拠点になるようにと、東西の交流・シルクロードにそびえる山脈になぞらえて心平自身が命名したそうです。

[参考]
 草野心平を偲ぶ「天山祭り」(川内村ホームページ)
  http://www.kawauchimura.jp/page/page000187.html
 第53回 天山祭りの様子(拙ブログ)
  http://food-mileage.jp/2018/07/21/blog-119/