2018年12月8日(日)午後は、東京・市ヶ谷へ。眩しい青空。
メトロの駅近くにあるDNPプラザは、大日本印刷が運営する体験型施設。書店やカフェ、日本のアニメ文化の発信拠点・東京アニメセンターもあります。
前日とこの日、このスペースの入り口すぐの一画で、山梨・北杜市の「北の杜(きたのもり)FARM」の野菜即売会が行われました。
経営主のこじまんさん(小嶋香里さん)は愛知県のご出身。
大日本印刷の社員として食に関するフリーペーパーの発行等に携わっておられたこじまんさんは、昨年、退職して山梨に移住。県農業大学校での研修(職業訓練)を経て、今年から本核的に新規参入された方。
こじまんさんとは、以前に東京・檜原村でゴマを栽培するプロジェクト等で知り合ったのですが、この日も、当時のコマ仲間の人方もお手伝いに来ておられました。
サツマイモ、スティックニンジン、カブ、ニンジン、自然薯(じねんじょ)等が並べられています。
「やつおろし(八ヶ岳下ろし)が厳しくなってきた。まさに今が旬です」との手書きのポップも。試食もできます。
傍らのパネルには、「北の杜FARM」の紹介とともに、野菜を使ったレシピも展示されていました。
こじまんさんは、前職の関係で野菜ソムリエPro.の資格も取られているのです。
引きもきらず、次々と親子連れ等が訪れます。
こじまんさんは一人ひとりと丁寧に応対。多くの方が「顔の見える野菜」を手に取られ、あるいは試食をし、求めて帰られたようです。
私はスティック人参と、立派な自然薯を求めました。
自然薯はリュックには入らないので、もったいなかったのですが2つ折りに。
後日、すりおろして、あるいは豆腐と合わせて落とし揚げにして頂きました。
こんな粘りのある自然薯は初めてです。美味しく頂きました。
今年11月18日(日)、知人とともに「北の杜FARM」を訪ね、圃場を見学させて頂きました。
八ヶ岳を望む風光明媚な土地。こじまんさんから就農1年目の感想などを伺いました。
地元の方のサポートにより農地も借りられたそうですが土作りが間に合わず、また、台風で一時冠水したこともあり、十分な収穫は無かったこと等を、こじまんさんらしく、明るく笑いながら話してくれました。
12月12日(水)の夜は、埼玉・小川町の関係でお世話になっている方々の忘年会に、仲間入りさせて頂きました。
山梨・北杜市と同様、埼玉・小川町も新規就農された方が多い地として有名です。
この夜は美味しいフグ料理を頂きながら、若い農業者の方達、彼女・彼らたちをサポートされている方達の話を伺うことができました。
こちらも今年は天候不順もあり、色々と大変な一年だったそうですが、賑やかな年忘れの会となりました。
ところで、農林水産省「新規就農者調査」によると、2017年の新規就農者は5万5,670人、うち49歳以下は2万760人で4年連続で2万人を超えています。
また、新規就農者のうち、農家の後継者等ではなく他産業から新規に農業に参入した人(新規参入者)の数は3,640人。
数は少ないものの、下のグラフにあるように、近年、49歳以下の若い世代を中心に着実に増加しています。
近年のカロリーベースの食料自給「率」は概ね横ばいですが、この背景には人口の高齢化・少子化、ライフスタイルの変化等による摂取カロリーの減少があります。
一方、食料自給「力」(潜在生産能力)は、近年、一貫して低下しています。
私たちの食料が安定的に確保されるためには、新規就農者の方達が増えていくことが重要です。
このため様々な支援措置もとられているところですが、農業は他産業と異なり、天候リスクがあること、土地や水といった資源に制約されることなど、独特の困難さもあります。
実際に新規就農された方も、順調に経営発展されている方ばかりではなく、様々な問題に直面しご苦労されている方が多いのが現実です。
私は新規就農者の方たちを応援していきたいと思います。
具体的には、微力ながら、まずは彼女、彼らの生産物を購入することから。そして、現地を訪ねる等して「顔の見える関係」を作っていくこと。
農業体験会やマルシェに参加することも、楽しく、有意義です(写真はいずれも埼玉・小川街町)。
「北の杜FARM」の野菜等は、これからも機会あるたびに購入したいと思います。
小川町の新規就農者の方たちの野菜については、年数回募集している「おいしいお野菜届け隊」によって定期的に求めることができます。現地を訪ねる機会も設けられています。
今年の漢字に「災」が選ばれたように、様々な天候不順に見舞われた一年でした。
来年こそは平穏な一年となり、新規就農者の方たちの豊作を祈りたいと思います(もっとも野菜等は豊作になると値段が下がり、生産者の所得も減少する傾向があるので、ますます「買い支え」が大切になります)。