【豆知識】飢餓人口の地域別推移

新時代を迎えて世の中は祝賀ムードですが、あえて、現下の食をめぐる深刻な状況を紹介します(前回からの『飢饉』つながりです)。
 昨年(2018年)9月、国際連合の食糧農業機関(FAO)は、毎年恒例の「世界の食糧安全保障と栄養の現状に関する白書」の2018年版 (The State of … 続きを読む

【ほんのさわり】菊池勇夫『飢饉』

菊池勇夫『飢饉』 (2000.7、集英社新書)
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本書は、1950年青森県生まれで日本近世史・北方史を専門とする著者が、日本における飢饉の歴史を明らかにし、その発生メカニズムや未然に防ぐための社会システムのあり方等を論じた書です。

「日本書記」以来、数年に一度、あるいは毎年のように日本のどこかで飢饉は発生していたとのこと。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】市川英樹さん(福島田んぼアートプロジェクト)

市川英樹さん(福島田んぼアートプロジェクト実行委員長)は愛知県のご出身。東京電力・福島第一原子力発電所の事故後、廃炉作業員として初めて福島に来られました。
 毎日、現場に向かう車中から市川さんが見たものは、事故により避難が強いられるなどして管理ができなくなり、雑草に覆い尽くされた田んぼの風景でした。事故前は地元の、さらには首都圏の食を支えていた田んぼの無残な姿に、市川さんの胸は痛みました。

その一方で、市川さんは地元の方たちの暖かさに触れるうちに、次第に福島の地に魅かれていきました。そして2015年に移住を決心し、いわき市四倉町で農業を始められたのです。
 回りには、まだまだ荒れた田んぼがありました。市川さんは、地域の田んぼを再生し、農と食の元気な姿を発信することで、福島・浜通りの復興に貢献したいという思いを強く抱くようになりました。

その思いをどのように形にするか模索していた市川さんは、隣の田村市常葉地区で「田んぼアート」の取組みが行われていることを知り、足を運びました。田んぼアートとは、古代米など色の異なる稲で田んぼに絵柄を描くというものです。さらに、発祥地とされる青森・田舎館村も視察されました。… 続きを読む

【豆知識】過去の平均気温の推移と災異改元

前号では、平成までの246回の改元のうち、災害や飢饉など凶事を理由にした災異改元が4割以上を占めていることを紹介しました。
 それでは、災異改元が行われた年(あるいはその前年)は、実際に飢饉等が起こるような気象条件だったのでしょうか。

近年、樹木の年輪幅や湖沼の堆積物のデータ、あるいは古文書の記録等を用いて、過去の長期的な気温や降水量の推移を解明する「古気候復元」の研究が進展しています。
 総合地球環境科学研究所「気候適応史プロジェクト」もその一つで、同プロジェクトのウェブサイトでは、樹木の年輪幅から再現した西暦800年以降の夏季(6~8月)の平均気温のデータ(1961~90年の平均気温との偏差)が公開されています。

リンク先の図119の折れ線グラフは、このデータを図示したものです。ただし1514年まで(青)は東アジアの、1515年以降(緑)は東アジアのデータから抽出した日本の平均気温の推移を示しています。… 続きを読む

【ブログ】第31回 森の読書会

2019年4月27日(土)。平成の時代も残りわずかです。
 10連休の初日は、東京・吉祥寺へ。
 ここ数日天候不順で気温も低い日が続いていましたが、この日も冷たい小雨がポツポツ。それでも井の頭公園には、傘を差して散策する人たちの姿。

満開のツツジ。
 保護されている珍しい野草(ナルコユリやキンラン)などが花盛りです。… 続きを読む

【ブログ】居酒屋ゆるぎ「巻き物の一夜」編@神田・なみへい

しばらくブログ更新をサボっているうちに、時候(二十四節気)は清明から穀雨へ。

ソメイヨシノは葉桜に。それも散った後を追いかけるように八重桜が満開へ。源平咲き(紅白)のハナモモなど百花繚乱。
 一年で最も生命力を感じる季節です。

そのようななか、飛び込んできたショッキングなニュースは、ノートルダム寺院の火災。

フランス国民、パリ市民の皆様の悲嘆は想像するに余りあります。… 続きを読む