【ほんのさわり】生源寺眞一『(新版)農業がわかると社会のしくみが見えてくる』

-生源寺眞一『(新版)農業がわかると社会のしくみが見えてくる 高校生からの食と農の経済学入門』(2018.4、家の光協会) -
  http://www.ienohikari.net/book/9784259518660

著者は1951年愛知県生。農林水産省試験場研究員、東京大学農学部教授・同学部長等を経て、現在は今年度から開学した福島大食農学類の初代学類長を務めておられます。また、日本農業経済学会長、日本学術会議会員等を歴任されるなど、日本の農業経済学の分野における第一人者です。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】田中瑛子さん(森の読書会)

JR吉祥寺駅から徒歩10分ほど、井の頭公園に隣接する素晴らしい場所にコミュニティスペース「森の食卓」はあります。ここでは様々なイベント、ワークショップ、セミナー等が開催されていますが、その一つが「森の読書会」です。

主催者は田中瑛子さん。
 もともと読書が好きだった瑛子さんは、社会人になって「もっと色んなジャンルの本について勉強したい」「会社以外の人間関係を大切にしたい」との思いから、各地の読書会に足を運ばれるようになりました。そして、その面白さを実感するうち「もっと近くで読書会開催している場所があればいいのに」と思うようになられたそうです。
 その思いを実現するため、自分で読書会を主催されるようになったのが2016年3月のことでした。以後、現在までほぼ月1回のペースで続けられています。

「立場や年齢層も様々な参加者同士、本を通して会話が生まれ、他の参加者がどのような方かを知ることもできる。同じ会は2度とありません。読書の好きな方なら、誰でも気軽に来られる場所でありたい」等と、瑛子さんは語っておられます。… 続きを読む

【豆知識】飢餓人口の地域別推移

新時代を迎えて世の中は祝賀ムードですが、あえて、現下の食をめぐる深刻な状況を紹介します(前回からの『飢饉』つながりです)。
 昨年(2018年)9月、国際連合の食糧農業機関(FAO)は、毎年恒例の「世界の食糧安全保障と栄養の現状に関する白書」の2018年版 (The State of … 続きを読む

【ほんのさわり】菊池勇夫『飢饉』

菊池勇夫『飢饉』 (2000.7、集英社新書)
 https://amzn.to/2Pgpus1

本書は、1950年青森県生まれで日本近世史・北方史を専門とする著者が、日本における飢饉の歴史を明らかにし、その発生メカニズムや未然に防ぐための社会システムのあり方等を論じた書です。

「日本書記」以来、数年に一度、あるいは毎年のように日本のどこかで飢饉は発生していたとのこと。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】市川英樹さん(福島田んぼアートプロジェクト)

市川英樹さん(福島田んぼアートプロジェクト実行委員長)は愛知県のご出身。東京電力・福島第一原子力発電所の事故後、廃炉作業員として初めて福島に来られました。
 毎日、現場に向かう車中から市川さんが見たものは、事故により避難が強いられるなどして管理ができなくなり、雑草に覆い尽くされた田んぼの風景でした。事故前は地元の、さらには首都圏の食を支えていた田んぼの無残な姿に、市川さんの胸は痛みました。

その一方で、市川さんは地元の方たちの暖かさに触れるうちに、次第に福島の地に魅かれていきました。そして2015年に移住を決心し、いわき市四倉町で農業を始められたのです。
 回りには、まだまだ荒れた田んぼがありました。市川さんは、地域の田んぼを再生し、農と食の元気な姿を発信することで、福島・浜通りの復興に貢献したいという思いを強く抱くようになりました。

その思いをどのように形にするか模索していた市川さんは、隣の田村市常葉地区で「田んぼアート」の取組みが行われていることを知り、足を運びました。田んぼアートとは、古代米など色の異なる稲で田んぼに絵柄を描くというものです。さらに、発祥地とされる青森・田舎館村も視察されました。… 続きを読む

【豆知識】過去の平均気温の推移と災異改元

前号では、平成までの246回の改元のうち、災害や飢饉など凶事を理由にした災異改元が4割以上を占めていることを紹介しました。
 それでは、災異改元が行われた年(あるいはその前年)は、実際に飢饉等が起こるような気象条件だったのでしょうか。

近年、樹木の年輪幅や湖沼の堆積物のデータ、あるいは古文書の記録等を用いて、過去の長期的な気温や降水量の推移を解明する「古気候復元」の研究が進展しています。
 総合地球環境科学研究所「気候適応史プロジェクト」もその一つで、同プロジェクトのウェブサイトでは、樹木の年輪幅から再現した西暦800年以降の夏季(6~8月)の平均気温のデータ(1961~90年の平均気温との偏差)が公開されています。

リンク先の図119の折れ線グラフは、このデータを図示したものです。ただし1514年まで(青)は東アジアの、1515年以降(緑)は東アジアのデータから抽出した日本の平均気温の推移を示しています。… 続きを読む