【ほんのさわり】広井良典『コミュニティを問いなおす』


-広井良典『コミュニティを問いなおす』(2009/8、ちくま新書)-
 http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480065018/

著者は1961年岡山市生まれ。現在は京都大学こころの未来センター教授として、環境や社会保障に関する政策研究からケア等をめぐる哲学的考察まで、幅広く発信されています。

著者によると、これからの日本社会の課題を考えて行く上で中心に位置するテーマが「コミュニティ」とのこと。
 経済成長期を支えていたのは“都市の中のムラ社会”とも言うべき閉鎖性の強いコミュニティ(カイシャ、核家族)でしたが、経済が成熟し定常化社会を迎える中で、地域に根ざした新たなコミュニティの創造が必要としています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】たんたんぺろぺろ


-たんたんぺろぺろ(浜下り神事、福島・広野町)-

福島県の浜通りにある広野町(ひろのまち)では、五穀豊穣を願い、130 年ほど前から浜下りの神事「たんたんぺろぺろ」が行われていました。そのユニークな呼び名は、太鼓と笛の音色に由来するとのこと。

貞観八(西暦866)年に常陸の国・鹿島神社から勧請し、旧下浅見川村の鎮守として奉られ、旧暦の四月八日に浅見川の上流に鎮座する大滝神社と下流に鎮座する鹿島神社の御輿に御神体を移した御輿が旅所を廻った後、上浅見川桜田地区で出合います。
 その後、旅所を廻りながら浅見川河口で海に入って潮垢離(しおごり)し禊祓(みそぎはらえ)をするというものです。… 続きを読む

【豆知識】神社等の数の比較


 日本には、神社やお寺がたくさんあります。
 文化庁「宗教統計調査」によると、2015年12月31日時点における神社の数は全国で81,158、寺院の数は77,256となっています(添付先の図95)。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/04/95_jinja.pdf

これがどれほど多いかというと、例えば全国の小学校の数は20,313、中学校が10,404。郵便局の数が20,074となっており、神社やお寺はこれらの4~8倍ほどもあるのです。
 さらに、最近はどこにでもある(イメージの)コンビニエンスストアの数は全国で54,501ですので、やはり神社やお寺の方が多いのです。… 続きを読む

【ほんのさわり】藤原辰史『稲の大東亜共栄圏』


 藤原辰史『稲の大東亜共栄圏』(2012.9、吉川弘文館)
 http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b102877.html

本欄で藤原先生(京都大人文科学研究所准教授、農業技術史)の著書を紹介するのは、 No.136(2018.1/31)の『戦争と農業』に続いて2冊目です。

本書では、20世紀前半に日本が植民地支配を強めていく過程で、品種改良が植民地統治に重要な役割を果たしたことが明らかにされています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】ふくしまサポーターズクラブ2018


 NPO法人 福島県有機農業ネットワーク(ふくしま有機ネット)は、福島県内の有機農業に関わる農業者、消費者、研究者、技術者、農業団体や行政などが連携し、有機農業のさらなる発展を目指すネットワークで、有機農業者同士の技術交流、生産者と消費者との交流事業等に取り組んでいます。

そのふくしま有機ネットが 2018 年度から新たにスタートさせる取組が「ふくしまサポーターズクラブ」です。… 続きを読む

【豆知識】地産地消のCO2削減効果(学校給食)


 今回は、地産地消の取組が有する輸送に伴う二酸化炭素の削減効果について、事例に則して紹介します。
 地産地消の取組み(なるべく近くでとれたものを食べる)は、消費者サイドには新鮮で安価な食材の入手や「顔の見える関係」による安心感の確保、生産者サイドには少量多品種生産でも現金収入が得られ地域の活性化にもつながる等のメリットがありますが、さらに、輸送に伴う環境負荷を削減する面でも有益です。

この効果は、フード・マイレージの考え方を応用すると簡単に定量的に試算することができます。
 今回、取り上げるのは学校給食の事例です。近年、食育の一環としても、学校給食に地元産の食材を活用する取組みが盛んになっています。

埼玉県下のある中学校(生徒数約 … 続きを読む

【ブログ】福島・川内村の地酒「歸宴(かえるのうたげ)」お披露目会

2018年3月24日(土)。前夜までの雨も上がり好天の週末となりました。都心の桜は満開とのニュースも。
 この土日は福島関係の「美味しい!」イベントをハシゴ。

まず、土曜日は東京・新宿区の四谷3丁目へ。
 少し早めに着いたので、以前から気になっていた消防博物館続きを読む

【ブログ】「中田哲也さんに聞く『フード・マイレージ』と『新版』刊行おめでとうの会」

2018年3月21日(水)の春分の日は、季節外れの雪になってしまいました。南岸低気圧が発達して真冬の寒さに。

15時頃に東京・吉祥寺に到着。
 雪は雨に変わっていましたが、花見の名所である井の頭公園もあちらこちらに雪が残っています。道路はぬかるみ、大きな水溜りも。
 「森の食卓続きを読む

【ほんのさわり】大和田 新『大和田ノート』


 大和田新『大和田ノート-伝えることの大切さ 伝わることのすばらしさ』(2016.8、福島民報社)
 https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A7%E5%92%8C%E7%94%B0%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88-%E5%A4%A7%E5%92%8C%E7%94%B0-%E6%96%B0/dp/4904834348

「東日本・津波・原発事故大震災」(注:大和田さんは東日本大震災をこのように呼ばれます。)から、丸7年が過ぎました。
 しかし、被災された方々に節目はないそうです。震災から3ヶ月後の日に被災者の方にインタビューした大和田さんは、「震災から何ヶ月、何年という区切りはマスコミが勝手に作っているだけ。あなたは恥ずかしくないか」と言われたそうです。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】なみへい、たまTSUKI、番來舎


 今月一杯で、私にとって大切だった3ヶ所の「場」が閉じられます。
 まずは、全国うまいもの交流サロン・なみへい(東京・神田)。
 川野真理子さんが「東京から故郷おこし」をコンセプトに2008年7月にオープンした飲食店で、美味しい月替わりの特選コース料理や地酒を何度も堪能しました。
 4月以降は、この場は地域PRイベント等の拠点として活用するとともに、川野さんご自身も積極的に地域に足を運ばれる予定とのことで、現在、セカンドステージに向けて「なみへい応援団」の会員募集中です。
 3月29日(木)と31日(土)にはイベント「なみへい感謝のラストラン」が予定されています。川野オーナーや山本料理長、スタッフの皆さまに感謝の気持ちを伝えるための多くの人で、賑わうものと思われます。… 続きを読む

【豆知識】 食料輸送に伴う二酸化炭素排出量の推計


 これまで数回にわたって紹介してきた日本の輸入食料のフード・マイレージの大きさに表れているとおり、私たちの食は、遠隔地から輸入した大量の食料により成り立っています。

(例:輸入食料のフード・マイレージ(総量)の国際比較)
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/01/89_FM.pdf
 遠隔地からの大量の食料輸入は、その輸送の過程で二酸化炭素を排出し、地球環境に負荷を与えています。今回は、その大きさの定量的な把握を試みます。

まず、日本国内における食料輸送(輸入食料の国内輸送分を含む。)に伴い排出される二酸化炭素の量は、部門別の二酸化炭素排出量、国内の貨物流動量に占める食料のシェア等から試算すると、約900万トンと試算されます(リンク先の図 … 続きを読む