【豆知識】すし(外食と弁当)の消費額の推移

日本の伝統食であるすしは、外食や持ち帰りでも人気のメニューです。
 リンク先の図227は、家計における2017年から20年にかけてのすし(外食及び弁当)への消費額の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/10/227_sushi.pdf

これによると、2020年のすし(外食)に対する支出額は、全国平均で2017〜19年平均に比べて14.3%減少しているのに対し、すし(弁当)に対する支出額は同6.4%増加しています。この結果、すしへの支出額については、外食と弁当(持ち帰り)が逆転しているのです。
 この傾向は、もともと外食志向が高い東海地方、逆に箱寿司や柿の葉寿司など持ち帰りが多い近畿地方でも、同様となっています。… 続きを読む

【豆知識】輸入物価指数が過去最大の上昇

日本銀行が9月13日(月)に発表した2021年8月の企業物価指数(速報)によると、円ベースの輸入物価指数は前年同月比29.2%上昇と、比較可能な1981年以降で最大の上昇率となりました。
 なお、輸出物価指数は伸びが鈍化しており、輸出物価を輸入物価で割った交易条件は低迷しています。

リンク先の図226は、2000年代に入って以降の輸入物価指数(円ベース)の推移(折れ線グラフ)と、21年8月の品目別の上昇率(速報、棒グラフ)を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/09/226_yunyu.pdf

21年8月の上昇率を品目別にみると、石油・石炭・天然ガスが73.8%、金属・同製品が56.3%と特に大きく上昇しています。… 続きを読む

【豆知識】関係人口と移住

総人口が減少し東京圏への一極集中が進むなかで、「関係人口」が注目されています。
 「関係人口」とは、観光(交流)以上、移住(定住)未満の、地域と様々なかたちで関わる人々のことで、地域の人と交流するイベントや体験プログラムの企画・運営・参加、地域の企業等での就労、副業・テレワーク、ボランティアなど、そのかたちは多様です。

リンク先の図225は、人口1万人当たりの関係人口の人数と、2012年から2019年までの8カ年の田園回帰の状況(三大都市圏からの転入超過回数)について図示したものです(出典は国土交通省資料)。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/09/225_kankei.pdf

これによると、その地域を訪問している関係人口の人数が多い市町村ほど、三大都市圏からの転入超過回数が多いことが見て取れます。つまり、様々なかたちでの関係人口が増加することが、移住・定住の促進にもつなかっていることが伺えるのです。… 続きを読む

【豆知識】2021年8月の豪雨について

今回の豪雨については、追って専門家により総合的な評価と要因分析等が行われると思いますが、ここでは8月20日までに気象庁が公表しているデータにより、その特徴を探ってみました。

リンク先の図224は、今回、特に被害が大きかった佐賀市及び広島市について、2000年代に入って以降の年間降水量(計)と1日当たりの最大降水量の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/08/224_gouu.pdf

これによると、両地点とも、降水量が傾向的に増加しているという状況は必ずしも明らかではありません。
 しかし、2021年に入ってからの降水量については、8月(20日まで)の降水量が佐賀市では55%、広島市では36%を占めており、雨が20日間に集中して降ったことが分かります。… 続きを読む

【豆知識】人口、農業生産における東京都のシェア

この国の最大の問題は、バランスを欠いていること−すなわち、東京一極集中ではないでしょうか。
 わずか0.6%の面積しかない東京都に、人口の11%、経済活動(GDP)の20%が集中しており、遠隔地から輸送されてきた大量の食料、工業製品、エネルギー等が消費されています。

 リンク先の図223は、人口と農業生産について、全国に占める東京都のシェアの推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/08/223_Tokyo.pdf

全人口に占める東京都のシェアは、1970年代から90年代にかけて10%を下回るまで緩やかに低下しました。経済が高度成長を続ける中で、人口の地方分散が進みかけていたのです。… 続きを読む

【豆知識】都道府県別にみたGAP認証数

2020東京オリンピック・パラリンピックは、日本の食や農業生産にも一つの転機を与えました。選手村で提供される料理等について、持続可能性に配慮した農産物の調達基準としてGAPが取り入れられたのです。
 GAP(ギャップ、Good Agricultural Practices、農業生産工程管理)とは、農業生産の適正な手順等を定め、その基準を順守している生産者や作物を認証することで、食品安全や労働安全、環境保全等を確保しようという取組みです。

(一財)日本GAP協会によると、2021年3月末時点のASIAGAP及びJGAPの認証数は2121となっています。これには海外の11を含み、また、これらとは別にGLOBALGAPの認証が2020年12月末時点で692あります(それぞれの違い等は資料をご覧下さい)。… 続きを読む

【豆知識】畜産物の自給率の推移

2018年度の畜産物の品目別自給率 (重量ベース) は、牛肉35%、豚肉49%、鶏肉64%、鶏卵96%、牛乳・乳製品59%等と比較的高くなっていますが、飼料自給率を考慮すると、それぞれ9%、6%、8%、12%、25%という非常に低い数値となります。
 これは日本の畜産が輸入飼料によって支えられているためで、飼料自給率(可消化養分ベース)は25%に留まっています。
 リンク先の図221は、畜産物等の自給率の推移を示したものです。… 続きを読む

【豆知識】最近の東京都の人口の動き

戦後における日本の人口は、時期によって若干の波はあるものの一貫して大都市圏に集中しており、特に1990年代後半以降は東京圏への一極集中が続いてきました。
 ところが、最近の新型コロナウイルス感染症の拡大は、この状況にも構造変化を及ぼしています。

リンク先の図220は、最近の東京都の人口の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/06/220_tokyo.pdf

2019年まで増加を続けてきた東京都の人口は、2020年5月頃をピークに減少に転じています。… 続きを読む

【豆知識】日本の漁獲量の推移と新たな不漁

魚は自然資源であるため、漁獲量は海洋環境等によって大きく変動します。ところが近年のサケ、イカ、サンマの3魚種のように、これまでにもあった短期的な不漁とは異なる状況が生まれています。
 リンク先の図219は、日本の漁獲量全体及び3魚種の漁獲量の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/06/219_gyokaku.pdf

日本の漁業量は、資源量の変動に加え、200海里時代の到来による遠洋漁業からの撤退もあり、1980年代後半の約 1,100 … 続きを読む

【豆知識】農業体験学習の教育的効果

体験活動が食べものや農業に対する意識の変化につながることについては、様々な研究成果があります。
 リンク先の図218は、農業体験学習の教育的効果について、全国の公立小学校を対象としたアンケート調査結果を示したものです。回答者は農業体験学習を担当した経験のある教員で、有効回答数は210です。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/05/218_taiken.pdf

これによると、農業体験学習が有する教育的効果として、「作物を収穫する喜びや充実感を味わう」について「そう思う」「ややそう思う」との回答割合は95%、「自然や生き物を大切にする気持ちが育つ」については同90%、「食べ物を大切にする気持ちが育つ」は同82%となっています。
 また、食べ物(同78%)、農業(同68%)、地域(同51%)についての「知識・理解が深まる」効果も高いものとなっています。… 続きを読む

【豆知識】Sansan(株)「ビジネスの出会いに関する調査」

昨年11月、Sansan株式会社は「今年のビジネスの出会い」に関する調査の結果を公表しました。全国の20〜50代の会社員等を対象に、2020年11月24〜25日、オンライン上のアンケートとして行われたものです(1011サンプル)。
 リンク先の図217は、その結果の概要を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/05/217_sansan.pdf

本調査結果によると、今年は「初対面の社外の人と出会う機会が減った」と回答した人が64.6%にのぼるなか、「社外の人と新たに出会うことが難しくなったことで、自身の仕事に支障をきたした」と回答した人は54.5%(「とてもそう思う」「そう思う」の計)となっています。
 また、オンライン上の出会いでは「相手の特徴や空気感が分からず、記憶に残りづらかった」と回答した人が50.9%いるなか、「オンライン上での新たな出会いが増えて、相手とのコミュニケーションや関係構築が難しくなったと感じる」と回答した人が64.2%にのぼっています。… 続きを読む

【豆知識】カロリーベース食料自給率の推移

日本のカロリーベース食料自給率が諸外国に比べて低いことは、よく知られていますが、過去から低かったわけではありません。
 リンク先の図216は、カロリーベースの総合食料自給率について、1965年と2019年の数値の推移を、品目別に示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/04/216_jikyuritu2.pdf

図の緑色が国産(自給)分、橙色が輸入分を示しています。また、黄色は輸入飼料によって国内で生産された畜産の分で、これは計算上、輸入に算入されます。
 四角形の面積に占める緑色の面積の割合が、自給率に相当します。… 続きを読む

【豆知識】水稲の生産/消費量の推移と人口予測

1993(平成5)年は記録的な冷夏と日照不足のため米は大不作に。需要を大幅に下回ることが明らかとなり、消費者の買いだめが広がるなどパニック的な「平成の米騒動」が発生しました。
 リンク先の図215の青い棒グラフは、1960年以降の米の生産量(水稲の収穫量)を表しています。
 1970年代には1300万トン前後の年もあった生産量は、豊凶の影響を受けつつも右肩下がりで推移し、「米騒動」の1993年には761万トンと大きく落ち込みました。その後も減少が続き、最近3年は1993年の生産量を下回っているのです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/04/215_kome.pdf

それにもかかわらずパニックが全く起こっていないのは、米の消費量が大きく減少しているためです。1960年代には1人年間120kg近くあったのが現在は50kg台前半と、実に4割近くの水準となっています(赤い折れ線)。… 続きを読む

【豆知識】上昇する世界の食料価格

コロナ禍により経済活動が停滞する中で、最近、世界の食料価格が値上がりしています。
リンク先の図214は、FAO(国連食糧農業機関)が公表している食料価格指数(食肉、酪農品、穀物、植物油、砂糖の価格指数の平均)の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/03/214_FAO.pdf

食料価格は、その生産が気象条件に左右されること、価格弾性値が小さいこと等から、工業製品等に比べて変動しやすいという特徴があります。特に2007年頃からは世界的な異常気象に加え、投機資金の流入もあって大きく上昇しました。
 その後は比較的落ち着いていましたが、2020年頃から再び上昇基調が顕著となっているのです。… 続きを読む

【豆知識】2020年の世界のCO2排出量

去る3月2日(火)、国際エネルギー機関(IEA)は2020年までの二酸化炭素(CO2、エネルギー起源)排出量を公表しました(リンク先の図213)。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/03/213_IEA.pdf

これによると、2020年の世界のエネルギー起源のCO2排出量は315億トンとなり、前年から5.8%(20億トン)減少しました。これは第2次世界大戦以降で最大の減少幅であり、絶対量としては欧州連合の排出量に相当し、人類の歴史上前例のないものとのことです。
 特に、新型コロナ感染症の拡大に伴うロックダウン等により、国際及び国内移動が制限されたため、運輸セクターのCO2排出量は14%と大きく減少しています。

感染症という予期せぬ(望まない)要因によるものとはいえ、世界のエネルギー消費量(CO2)は右肩上がりで推移するものであるといった「常識」は、否定されたのです。… 続きを読む