「点と線」から

先週の6月19日(土)は、北九州市主催「食育月間講演会-私たちの食について考えよう-」に呼んで頂き参加して来ました。前半は私から「食と農の現状と課題」について説明し(「関係資料」5に掲載)、フード・マイレージに関しては、市のU係長から、自ら食材を調達し作った献立に即し、二酸化炭素排出量等を計算されたものを発表して頂きました。参加者の皆様にもフード・マイレージを身近に感じて頂けたと思います。ありがとうございました。[イメージキャラクター:食育スマッキー]

後半は、北九州市食育推進ネットワークに登録されている方々からの報告会でした。保育士会、歯科医師会(小倉、若松)、食生活改善推進員協議会、消費者団体連絡会の皆様から、日頃の活動内容について豊富な写真等を使って発表がなされ、会場と意見交換が行われました。特色ある様々な取組の報告を拝聴していて、この地における食育が着実に広がりつつあることを実感しました。

「食」とは、言うまでもなく一日たりとも欠かせない重要なものですが、同時に極めて個人的な営みでもあります。今日、何を食べるかは、あくまで個人(あるいは家族)が決めることです。したがって、食育の主役は、家庭を別にすれば、地域に根ざして様々な観点から取り組んでいる民間の保育園や学校、団体、企業等なのです。北九州市では、昨年、素晴らしい食育推進基本計画を策定されましたが、国や行政にできることは、指針を作り必要な情報を提供するとともに、この日のような連携の場作りといった、言わば黒子、せいぜいコーディネータの役割だけかも知れません。しかしこれが重要です。食育は極めて幅が広く、多くの方々がそれぞれ熱心に取り組んでいますが、それが点のまま、あるいは線になっただけでは、社会への影響力は限られています。市の事務局の皆さんの熱意により、この地における食育が「点と線」から、さらにネットワークへと広がっていくことを期待したいと思います。ちなみに松本清張氏は北九州市の出身、昨年は生誕100年だったそうです。

ところで会場脇のロビーでは、いくつかの団体によるパネル展示もあり、その中には九州農政局福岡農政事務所も出展させて頂いていました。この食育担当者も、口蹄疫の消毒作業の応援で宮崎に派遣されていたとのこと。折しも梅雨前線の影響で現地はさらに苦労されている様子、改めて一日も早い終息を祈るのみです。