新潟と歌舞伎町から

 12月3日(金)の朝、関東地方はものすごい豪雨、上がったと思うと午後には気温が急上昇と変な天気です。翌土曜日は雨も上がっており、上越新幹線は定刻通り新潟へ。ところが強風の影響で、新潟地方の在来線のほとんどが運休とのこと。新幹線の有難さは、その地方に住んでみないと分からないのかもしれません。あたかもこの日、東北新幹線は青森まで開業。

 県立新潟女子短期大学での特別講義に招かれました。この大学は、行政や他の大学と連携して、新潟市内の全保育園・幼稚園を対象にアンケートを実施するなど、地産地消に熱心に取り組んでおられます。その成果の一つとして、「みんなで育てよう!新潟の食」というパンフレットも作成されています。表紙のイラストは、地元食材を中心にした小学校の給食の献立です。

 さて、強風による交通機関の混乱にも関わらず、学生さん達は予定の10時にほぼ揃いました。前半はパワーポイントを使っての説明、後半はワークショップの予定が、説明がもたもたと長くなりWSの時間が足らなくなりました。先週から風邪気味、しかも前夜は職場の忘年会・・・というのは、もちろん言い訳にはなりません。

 短時間になってしまいましたが、2人一組で「私の晩ご飯」の献立作りと、フード・マイレージと輸送に伴うCO2を計測してもらい、発表と意見交換を行いました。
 そして、最後の一人の学生さんから、考えさせられる意見を頂きました。その発言とは、「私は山形出身で、いつも実家から野菜や果物を送ってもらっています。でもフード・マイレージを考えて、これからはなるべく地元のものを食べようと思います」というものです。少々慌てて、以下のような内容のことを答えました。
 「食べもので一番大事なことは安全で美味しいこと。そして栄養も重要。これらに追加して、環境との関わり(あまりに意識されていないこと)に気づくきっかけとしてフード・マイレージがあります。しかし、もちろん輸送に伴う環境負荷が一番大事なものではありません。故郷の食べものには、新鮮さや栄養だけではない、もっと大事なものが含まれています。ご家族の思いもこもっていると思います。これからもどんどん食べて下さい。ちなみにフード・マイレージは、必ずしも広域流通や貿易と相反するものではありません。その食べものがどこからどのように来たかを意識することは、それを作った人を想像することにもつながるのです。その意味で、例えばフェアトレードと地産地消は、よく似た取り組みと言えます。」
 
 フード・マイレージの話を聞いて、この学生さんのようなまじめな人ほど、「広域流通は避けて地産地消にすべき」と誤解してしまうのかもしれません。説明には気をつけてより丁寧にしなければ、と自戒した次第です。
(フェアトレードと地産地消については、拙ウェブサイト(伏臥慢録、2010.8/8付け)」にも掲載してあります。)

 この日の学生さん達は、既に栄養士の資格も取得し、来春には卒業して社会に出られる予定とのことです。新潟の地からも、将来のより豊かな食に向けての取組が拡がっていくことが期待され、心強く思った次第です。

 翌5日(日)も関東地方は好天に恵まれ、その下、新宿歌舞伎町では第2回「農山村ふれあい市場」が開催されました。全国の生産者等の皆さんが産地直送で美味しいものを新宿に持ち寄って頂き、多くの人で賑わいました。各テントでの直売に加え、ステージショー、餅つき、京都府南山城市の宇治茶でのお茶会などで盛り上がっていました。
 新宿にも伝統野菜があります。「内藤とうがらし」です。家康の命を受けて鉄砲隊とともに入府した三河武士・内藤氏が、現在の新宿御苑付近に植えたのが発祥とのこと。このイベントの実行委員長でもあるNさんが、緑提灯の下、自ら炭火を起こして内藤とうがらしの焼き鳥を焼いておられました。
 大都会の真ん中で、多くのふるさとの温かさと触れ合うことのできた一日でした。