まんがのチカラ、そして街の農業博物館

 22日(土)は、渋谷区広尾の「JICA地球ひろば」で開催された「ハイムーン・環境まんが『ゴミック廃貴物』ワークショップ」に参加してきました。講師は京都大学名誉教授・石川県立大学教授で工学博士の高月紘先生。ハイムーンのペンネームで環境まんがを多数書かれており、独特のタッチとユーモアと、その背後にある恐さは、一度見ると忘れられません。長年関わっておられる京都市での台所ごみの調査データは、私も色々なところで引用させて頂いており、金沢在勤中に一度ご挨拶を、と思っていたのが結局叶わず、今回、初めてご挨拶させて頂いた次第です。

さて、WSには約30人が参加、子どもばかりかと思っていたら半分位は大人でひと安心。6人ずつのグループに分かれ、ハイムーン先生の軽妙な説明の後、いよいよグループで話し合いながら大きな模造紙にまんがを書いていきます。

私のグループは話ばかり長く、先生や事務局の方からそろそろ描かないと時間が無くなるよ、と言われてから、15分ほどで手分けして描き上げました。主役は小学校4年生と1年生位の姉弟。お姉ちゃんの描いた主人公の猫(にゃん太君)を中心に、左側にはティッシュや割り箸を無駄にする都会の光景、右側には伐られた森林と困っている動物や虫。テントウムシやクワガタは弟君が担当。にゃん太君の決め台詞「これでいいのかな」。

終わってグループ毎に前に出て説明、ここでも姉妹が大活躍でした。ハイムーン先生からは、「これでいいのだ」ではなく「これでいいのかな」は面白い等と講評を頂きました。なかなか良くできたと思います。
環境問題を想像し、共同作業でまんがを創造する。なかなか貴重な体験でした。

会場には、先生の姪御さんの旧暦研究家、高月美樹さんも見えられていました。昨年の市民研クリスマス会でお会いした際にこのWSを教えて頂き、すぐに申し込んだものです。

さて、WS終了後は地球ひろば企画展「地球の子どもたち―学校に行きたい!」を見学。日本では小学校に行くのは当たり前ですが、世界には学校に行けないだけではなく、飢餓、人身売買、強制労働等の問題がまだまだあることが、パネルやジオラマ、クイズ等で展示されています。ガイドの方が詳しく説明もしてくれました。
ぞっとしたのは地雷の模型、それにカラシニコフ(機関銃)のモデルガンの重たかったこと。

 せっかく広尾まで来たので、以前から一度行ってみたかった中目黒の有名な野菜スイーツ店「パティスリー・ポタジエ」へ。契約栽培の野菜を中心に使い、参加者を募って生産地訪問も行っています。新しくてお洒落な食と農の連携の姿がここにはあります。残念ながらお目当ての江戸東京野菜を使ったものはありませんでしたが、行列に並んで野菜のケーキを何個か求めて帰りました。
 翌23日(日)は小金井市にあるNPO法人ミュゼダグリが主催する「江戸東京野菜 Study and Cafe」。露払いは私からフード・マイレージの説明、そして参加者の皆さんのお目当ては酒井文子先生による滝野川牛蒡のフルコース。これが素晴らしい。例えば牛蒡のポタージュ、牛蒡のパスタ風(牛蒡をピーラーで細長く削いだものをパスタ代わりに)、牛蒡のピザ、そしてデザートには何と牛蒡チョコレート。きんぴら牛蒡のような和食のイメージしかなかった牛蒡の七変化に、参加者一同目を丸くしながらも、しっかりと美味しく頂いた次第です。
  ちなみにミュゼダグリとは「農の博物館」という意味とのこと。納所代表の下、博物館のように幅広い視点から「農業」を捉え、農地や山林を豊かに守っていくための活動をされています。その活動が核となって、小金井氏は江戸東京野菜で街づくりに取り組んでいます。
 この日は生産者の方も見えられました。実際に食材を作られた方、調理された方のお話を伺いながらの食事は、また格別で、幸せな気分に浸れた一日でした。

【フード・マイレージ資料室】
http://food-mileage.jp/