和暦を知ること-思いやり、つながり

今年のGWも遠出することなく過ぎつつありますが、今日(5日)はなかなか充実した一日になりました。

 まずは日本橋へ。YUITOで開催された江戸遊学講座「自然に寄り添う、和暦のある暮らし」に参加してきました。講師は和文化研究家で LUNAWORKS 代表の高月美樹さん
 叔父君の高月紘先生には、かねてより廃棄物問題とマンガでご指導を頂いていましたが、姪御さんの美樹さんには、昨年末に「市民研」の会合で初めてお会いして和暦の話を伺って以来、改めて詳しく聞きたいと思っていたところ、ようやく実現しました。

 素敵な空色の和装で登場された高月さん。

 本居宣長の「大和ごころ」とは共感と思いやりを意味しているという話から始まり、和暦とは太陽太陰暦であること、二十四節季は太陽暦であること等の目からウロコのような話。
 そして、現在使われている西洋暦は曜日中心のルーティン感があるのに対し、和暦は、直観力を養う、他者とのつながりを意識する、自然や大地の変化に寄り添える等の効用があるという説明がありました。
 さらには、現在の私たちの文明は、今回の震災と原発事故に象徴されるように、ルネッサンス以来の根源的な変化の時(トキ=節目)にあるという指摘は、高月さんの思いがあふれて説得力があり、考えさせられるものでした。
 約1時間半のお話は盛り沢山で十分に理解し切れなかった部分もありましたが、和暦というものは、これからの私たちの社会や生き方を考えて行く上で一つの拠り所、ヒントになるものではないか、という確信のようなものが余韻として残りました。
 これから少し勉強していこうと思います。

最後にはLUNAWORKSオリジナル、江戸時代の生け花の絵葉書を2枚ずつ、お土産に頂きました。なかなか素敵です。

旧暦・卯月は初夏に当たるそうです。その割には少し肌寒い日でしたが、珍しく休日に都心に出てきたので真っ直ぐに帰る気にもならず、有楽町に出ることにしました。

 前から観たかったのは、三菱一号館美術館で開催中の宮廷女性画家ヴィジェ・ルブラン展。フランス革命など時代の激動に翻弄されつつも、亡命を重ねる中で力強い作品を残したルブランと、同時代の女性画家の展覧会です。
 チケット売り場には行列ができるほど、多くの人で賑わっていました。

 

 続いて東京国際フォーラムへ。
 ここを主会場に、今年も「ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日)」音楽祭が開催されています。
 震災と停電の影響で規模は縮小されたそうですが、それでもチケットはほぼ売り切れ、この日は幸運にも無料コンサートを聴くことができました。ブラームスのバイオリンソナタとマーラーのピアノ三重奏曲。
 原発事故で多くの外国人観光客は大幅に減少しているそうですが、この音楽祭には多くの外国人演奏家が来日してくれました。会場脇には、出演者の寄せ書きが飾られていました。

 

さて時間も少々遅くなり、帰宅してからの食事も面倒なので、新宿の「アカシア」で名物のロールキャベツとハンバーグのセット。当然、ドイツビールもつけて。

さすが老舗の洋食屋さん、本当に美味しいです。
ちなみに定食の値段は1300円、味と量から十分に満足です。そのために、このお店も日々努力されているものと思うと、感謝です。

ところか帰宅してテレビをつけると、焼き肉チェーンの生肉で食中毒被害拡大のニュース。ここ数年、食中毒で死亡者は出ていなかったのに、今回は子どもや高齢の方が亡くなられたとのこと、残念な事件です。

その背景にあるのは外食産業の値下げ合戦。確かに近年はファストフードや居酒屋等に行っても値段が安いところが増えており、それは有難いことではありますが、安全がなおざりになったのでは元も子もありません。
日本の食べ物は安すぎるのかもしれません。私たち消費者も正当なコストを負担することが必要なのではないでしょうか。

ということで、一日の最後に後味が悪くなりかけましたが、続くスポーツコーナーでは初登板の新人が連敗をストップしたとの明るいニュース。しかもホークス強力打線相手に中継ぎ・抑えも零封とは夢のよう。
今年も前途多難。おやすみなさい。